アカボシゴマダラ 大繁殖の謎

外国産のアカボシゴマダラは、昨年にも増して今季、大繁殖しているようだ。
この夏、観察に出た日はほとんど毎回その姿を目にする。それも何頭も。

特に意識して観察したわけではないが、この大繁殖の理由を推測してみる。

東京のマイ・フィールドでは、まず越冬開けの第1化が5月中旬からよく見られるようになった。5月に観察したものは、みな斑紋が白い個体であった。

↓産卵する春型のアカボシゴマダラ。2009年5月19日。
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6月は、成虫は見られなかった。春型は産卵後寿命を終え、次の世代はまだ羽化していないからだろう。
6月下旬には、まるまる太った終令幼虫を見る。

↓アカボシゴマダラの終令幼虫。2009年6月23日。
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昨年越冬開けの幼虫を飼育したときは、蛹化から羽化までたった9日間だった。
上の終令幼虫は、26日にもまだ幼虫だったが、その後見失う。どこかで蛹になったとしたら、7月上旬ごろには羽化すると考えられる。

実際に私がマイ・フィールドで2化目を写真に撮ったのは7月14日だった。遠くで飛んでいる姿を見たのはもっと前だったように思うのに、記録を残さなかったのは残念。

↓赤星のあるアカボシゴマダラ。2009年7月14日。
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このときから8月25日まで、ほとんど途切れることなくアカボシゴマダラを観察している。産卵・卵・幼虫・蛹のすべての段階もこの間観られた。

↓卵
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↓蛹
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このことから、夏は成長が速いと考えられるので、7月~8月の2ヶ月間で、2化だけでなく3化も出現しているのではないかと予測される。

そして、アカボシゴマダラを飼育している地元の自然観察園で尋ねたところ、やはり8月下旬に見られる成虫は3化目であることが確かめられた。
今産卵している卵は、秋に4化目として出現し、もう一度産卵してその幼虫が越冬する可能性が強い。昨年アカボシゴマダラの成虫を最後に見たのは、なんと11月2日だった。

ネットで中国産のアカボシゴマダラの生態を調べてみたのだが、資料は見当たらなかった。
中国の広範囲に生息と書かれたサイトもあったが、中国の北のほうはかなり寒いはず。北限はどのへんなのだろう。どのくらい寒さに耐えられる蝶なのだろう。そういったことも知りたいものだ。

日本の奄美産のアカボシゴマダラは、暖かい地方限定なので、図鑑によれば3月~10月まで見られ、年4化~5化だという。ヒートアイランド東京では、少なくとも4化は確実なのではないか。

自然観察園でもう一つ確かめたのが、寄生蜂の存在だ。
以前調べたとき、ゴマダラチョウの越冬幼虫は、ほとんど寄生されていると書かれたサイトがあった。
アカボシゴマダラはどうなのだろうか。観察園では、寄生されたものはなかったそうだ。

これもネットで調べたことだが、越冬開けのアカボシゴマダラのメスを飼育して産卵させたところ、1頭が400個の卵を産んだという。

以上のようなことから、アカボシゴマダラの大繁殖の理由を推測してみると、

1.成長のサイクルが短く、年4化以上出現する。
2.1頭の産卵数が多い。(と言っても、ほかの蝶がどれだけ産むのか調べていないので比べられないが。)
3.外国産なので、寄生蜂などがいない。

現時点では、ゴマダラチョウが減ったかどうかはわからない。
ゴマダラチョウは、前からそれほど多く見られる蝶ではなかったので、たぶん、今のところゴマダラチョウの数は今までどおりなのではないか。
ただ、アカボシゴマダラがあまりに多く見られるので、比較すると少なく思えるのだろう。

以上は、科学的に調べたわけではなく、あいまいなデータに元づく推測にしか過ぎない。

追記:
今日は、自然観察園へ行って、上の予測が覆されたのを知った。
アカボシゴマダラがアオムシコバチに寄生されたのだ。
蛹からたくさんのコバチが生まれてきたところを見せてもらった。

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by 2008oharu | 2009-08-31 14:47 | | Comments(4)
Commented by aure at 2014-11-08 16:30 x
2014年11月8日アカボシゴマダラが羽化しました。赤斑は少し薄いですが大きい固体で多分雌のようです。
Commented by 2008oharu at 2014-11-08 20:14
aureさん、11月8日に羽化ですか。貴重な例を教えてくださり、ありがとうございます。
Commented by 通りすがり at 2015-11-30 12:13 x
2015年11月29日、駐車場のコンクリートに止まっているアカボシゴマダラを保護しました。羽根等損傷は全くなく、きれいですが、じっとしたままでした。指を差し出すと、指に移動してくれたので、自宅で砂糖水を飲ませて、1晩室内にはなしておきましたら、時々飛ぶようになりました。今朝、外に戻してあげたのですが、室内で保護していたままがよかったのでしょうか?心配です。
蝶の寿命を調べていて、このページに来ました。
11/30にも成虫が確認されたと、お知らせしようと思いました。
Commented by 2008oharu at 2015-11-30 16:15
通りすがりさん、コメントありがとうございます。上のaureさんのコメントを見ますと、11月8日に羽化した例があるようですから、11月30日に成虫が見られることもありそうですね。保護されたご様子にお優しい気持ちがうかがえます。いずれにしても成虫で冬を越すのは無理なので、少しでも長く生き延びられるといいですね。
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