「オトシブミハンドブック」によれば、ヒメクロオトシブミは「出現期が長く、ホストも広範囲にわたる最も普通に見られるオトシブミ」とある。
それならば井の頭公園でも見つかってよさそうなのに、現在に至るまで見つけられないでいる。
というか、井の頭公園では、オトシブミは2種類しか見つかっていない。エゴツルクビオトシブミとカシルリオトシブミだ。しかも、カシルリオトシブミは、虫は見ているが、その揺籃が見つからず、いったいどこで繁殖しているのかも今のところ不明である。(揺籃は小さくて、しかも切り落とされてしまう。)
そんななか、井の頭自然文化園内で、ヒメクロオトシブミが観察されているというデータが手に入り、ますます見つけたいという気持ちが高まった。そのデータによれば、2010年~2011年には確認されているのだから、最近のことだし、園外でもいておかしくはないはずだ。
問題は、ホストがあまりにも多岐にわたりすぎて、いつどこをさがせばいいかわからないということなのだ。
そうこうしているうちに、お仲間が練馬区の公園で、ヒメクロオトシブミを発見した。
↓石神井公園のヒメクロオトシブミ。2013年7月7日。
この虫は、キイチゴの葉についていて、ひたすらお食事中だった。
2回目に見に行ったとき、全体は黒いが、腹部が茶色いタイプであることが判明。
↓黒色型。腹部は茶色。
この後お仲間のAさんが、フジの葉で揺籃を作成している場面を観察。
私は、何度か行ったが、揺籃づくりは見ることができなかったので、Aさんの写真をお借りして掲載する。
↓主脈を残して両再度から切り込みを入れ、葉を二つ折りにする。(Aさん撮影)
↓裏面が表になるように合わせて、葉先から巻いていく。(Aさん撮影)
↓反転して。表側をかぶせていって完成。(Aさん撮影)
揺籃は切り落とす場合と切り落とさない場合があるそうだが、フジで作った揺籃は切り落とさないようだった。
↓同じ場所に作られた揺籃。
同じ枝に2~3個作られていることが多い。
井の頭公園にもキイチゴやフジはたくさんあるので、必死に探したが、やはり今のところ見つかっていない。