ツツジの葉の上にいるこの小さなこげ茶色のものが「ツツジコブハムシ」という甲虫なのだと知ったのは2013年のこと。
よく見れば、ちゃんと頭も脚もある。
おさんぽマナティーさんに教えてもらわなかったら、一生気が付かずにスルーしていただろう。
今年は偶然に、産卵シーンを見ることができた。
お尻の下にある黄色いものが卵に違いない。
親の大きさに比べて、かなり大きい卵だ。
ここからが面白い。
親は、後脚で卵を持ち上げ回転させながら、糞をまぶしていくのだ。
ツツジの葉を食べたためか、糞は緑色をしている。
完成した糞まぶしの卵
生まれた幼虫は、この糞のカプセルに自分の糞を継ぎ足しながら、その中で暮らす。
このカプセルのてっぺんには、親が作った卵時代の糞がのっているのがわかる。
ミノムシかヤドカリのように、糞のカプセルから頭を出して移動したり、食事したりするらしい。
この糞カプセルの中でやがて蛹になり、カプセルの上を開けて羽化してくる。上がぱかっと開いているカプセルが残っているのがそれだろう。
ツツジコブハムシは、成虫自身がイモムシなどの糞のような色形をしているばかりでなく、卵も糞で覆われ、幼虫も蛹も自分の糞で身を隠し、一生を糞のカモフラージュ尽くしで生き抜く昆虫なのだ。
実は、このツツジコブハムシの仲間には「ムシクソハムシ」という何とも気の毒な名前の昆虫がいる。形態も生態もツツジコブハムシとそっくりらしいので、納得できる名前ではあるが。
ただ、食草がツツジではなく、広範囲の植物らしい。いつか見つけてみたいものだ。