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公園昆虫記

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ツツジコブハムシ

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ツツジの葉の上にいるこの小さなこげ茶色のものが「ツツジコブハムシ」という甲虫なのだと知ったのは2013年のこと。
よく見れば、ちゃんと頭も脚もある。

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おさんぽマナティーさんに教えてもらわなかったら、一生気が付かずにスルーしていただろう。

今年は偶然に、産卵シーンを見ることができた。

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お尻の下にある黄色いものが卵に違いない。
親の大きさに比べて、かなり大きい卵だ。

ここからが面白い。
親は、後脚で卵を持ち上げ回転させながら、糞をまぶしていくのだ。

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ツツジの葉を食べたためか、糞は緑色をしている。

完成した糞まぶしの卵
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生まれた幼虫は、この糞のカプセルに自分の糞を継ぎ足しながら、その中で暮らす。

このカプセルのてっぺんには、親が作った卵時代の糞がのっているのがわかる。
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ミノムシかヤドカリのように、糞のカプセルから頭を出して移動したり、食事したりするらしい。
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この糞カプセルの中でやがて蛹になり、カプセルの上を開けて羽化してくる。上がぱかっと開いているカプセルが残っているのがそれだろう。

ツツジコブハムシは、成虫自身がイモムシなどの糞のような色形をしているばかりでなく、卵も糞で覆われ、幼虫も蛹も自分の糞で身を隠し、一生を糞のカモフラージュ尽くしで生き抜く昆虫なのだ。

実は、このツツジコブハムシの仲間には「ムシクソハムシ」という何とも気の毒な名前の昆虫がいる。形態も生態もツツジコブハムシとそっくりらしいので、納得できる名前ではあるが。
ただ、食草がツツジではなく、広範囲の植物らしい。いつか見つけてみたいものだ。
by 2008oharu | 2015-05-19 21:33 | 甲虫 | Comments(4)
Commented by mikiosu at 2015-05-20 05:21
こんにちは、みき♂です。
ツツジコブハムシ、教えていただきありがとうございました。
主フィールドでも初めて見る昆虫がまだまだいますね。
あんまりな名前のムシクソハムシの仲間ですが、観察していると意外に可愛らしかったです。
Commented by 2008oharu at 2015-05-20 08:31
みき♂さん、こんにちは。私が教えて差し上げたというより、マナティさん(I女史)が私に教えてくれたのですが…。生態がわかってくると、可愛く思えますね。
Commented by yamap at 2015-05-20 21:17 x
コブハムシの仲間はこの間初めてみました。
成虫の姿だけで喜んでいたんですが、卵と幼虫がウンチまみれだなんて!、思いもよりませんでした(一生考えても思いつかない気がする)。
何から何まで面白過ぎます。自分のウンチをどうやってそんなにきれいに背中に背負えるのか?不思議過ぎます。探さなければ!
あと・・・、マナティさんすごいです。。
Commented by 2008oharu at 2015-05-25 13:04
yamapさん、ちょっと出かけていたので返事が遅れました。昆虫の世界は人間の常識から考えると凄すぎますよね。「昆虫はすごい」という本がありますが、ほんとうになんでもありの世界です。