今年度は、近所でムラサキツバメとムラサキシジミの繁殖の様子をよく観察できた年だった。
(交尾の様子は未だ見られていないが。)
これだけ繁殖しているのなら、越冬の様子も見つけられるのではないかというのが次の課題だ。
そんなある日、別の目的で少し離れた公園へ行ってみると、先にいらしていたみき♂さんが何やら発見したらしい。行ってみると、なんとムラサキツバメが集団で越冬態勢になっている。
2015年11月11日
5頭のムラサキツバメが、マテバシイの葉の上に固まってとまっているのだ。
初めて見る光景だった。
場所を教えてもらっても、すぐにはわからないほど見つけにくい状態なので、これを発見されたみき♂さんには脱帽である。
その後どうなるのか、このままずっと越冬するのかどうか気になって、二日後にまた行ってみた。
2015年11月13日
個々の姿勢は少し変わり、折り重なるような止まり方になっているが、場所は変わっていない。
この日も偶然にみき♂さんと出遭い、さらに別の場所にもムラサキツバメがいることを教えていただいた。
やはりマテバシイの葉の上で、3頭がとまっている。
私もあちこち探したが、別の集団はぜんぜん見つけることができなかった。
その後、みき♂さんから、5頭の集団がばらけているという連絡があった。
次の日は、かなり気温が上がって10月の陽気だった。
同じ場所に行ってみると、5頭いたムラサキツバメは、1頭も見当たらなかった。
その後私は行っていないが、yamapさんが、11月22日に同じ公園で3頭の集団をご覧になっている。
ムラサキツバメも、まだ完全な越冬態勢ではなく、暖かい日には飛び回り、寒い日には集団になるのかもしれない。
ところで、井の頭公園でも、ウラギンシジミが越冬態勢になっている南側に面した常緑樹あたりで、何度かムラサキツバメとムラサキシジミが飛んだり、翅を開いて日光浴しているのを見かける。
きっと、そのあたりでやはり寒い日は越冬態勢になるに違いないと観察を続けた。
ムラサキツバメ 2015年11月4日 井の頭公園
ムラサキツバメ 2015年11月24日 同場所
この個体は、しばらくあたりを飛び回ったあと、アオキの葉と葉の間に止まった。
そして、夕方まで同じ場所にほぼ同じ姿勢で止まったままだった。
これは越冬態勢とはいえないだろうが、きっと真冬もこのあたりでこのような葉の隙間に止まって越冬するのではないだろうか。
ムラサキシジミ 2015年10月7日 井の頭公園
ムラサキシジミ 2015年11月19日 同場所
ムラサキシジミも、ムラサキツバメと同じような場所で何度も目撃した。
そして、この日は、やはりしばらく飛び回ったあと、常緑樹の枯葉がひっかかったような場所に止まってそのままだった。
ムラサキツバメもムラサキシジミも、ウラギンシジミと違って、真冬でも暖かい日差しがあれば、飛ぶことがある。きっとどちらもこの辺で越冬して、ときどき姿を現すのではないだろうか。
今後も様子を観察し続けたい。