円柱形の揺籃をつくるオトシブミで、地元で観察できるのは今のところエゴツルクビオトシブミのみだ。
(ポピュラーなヒメクロオトシブミさえ、今現在地元では発見できないでいる。)
エゴツルクビオトシブミは、観察し始めて以来毎年見られる。ホストの樹がエゴノキとハクウンボクで、揺籃を切り落とさないことが多いので、発見も容易だ。
今年もたくさん見ることができたが、揺籃をつくる過程を通して観察することはなかなかできず、まだまだ謎が多い。
今年の揺籃(4月26日)
揺籃は毎年4月半ばに気付く。
5月18日、比較的観察しやすいところで、揺籃づくりをしている場面に出会った。しばらく観察した様子をスライドショーでまとめてみる。
https://www.youtube.com/watch?v=ZB11D-RLgUQエゴツルクビオトシブミは、(東京では)年2化らしい。6月になるとすでに2化目が羽化を始める。
2化目のメス。葉の丸い穴は食痕のようで、2日目の個体は1化目と比べると、よく食べていることが多い。エゴノキの葉が食痕だらけになっていることもある。
オスは、このような姿勢で止まっていることが多い。どういう意味なのかは不明。
6月1日には、交尾しながら葉先を丸めていく場面に出会い、しばらく観察。これもスライドショーにしてみた。
https://www.youtube.com/watch?v=9uRw1PAw7xk過去には、最後の仕上げをしている場面なども観察したことはあるが、なかなか通して記録できない。
そして、未だ解決できない疑問が多々ある。
揺籃づくりの各場面で、オスがメスにマウントしているときと、そうでないときとがある。初めからマウントしていたり、最後までマウントしていたり、まったくオスがいない状態でメスだけが揺籃づくりをしていたりすることもある。本当の交尾は、いったいいつするのだろうか。それは決まっていないのだろうか。
また、産卵のタイミングもわからないままだ。
揺籃づくりをしている場面を見ていると、ときどき小さな蜂のようなものが葉に来ているのがわかる。これらはやはり寄生蜂なのだろうか。
地元でよく観察できる種なのに、まだまだわからないことだらけど。