アカボシゴマダラ

善福寺の上池と下池の間に水路があって、その縁にボランティアの方が手を入れ、
野草園のような保護区を作られた。
そして、その保護区内で見られた昆虫の写真が掲示してあるのだが、
よく見ると、なんとアカボシゴマダラが入っていた。

最近の朝日新聞に『中国産「アカボシゴマダラ」繁殖』という記事が載った。
昆虫マニアが10年ほど前に神奈川県内で放したとみられる中国産のチョウ
「アカボシゴマダラ」が首都圏で分布を広げているという内容だ。
大きくて美しく珍しいチョウなので、愛好家が増えているが、
このチョウは在来種を駆逐して生態系を乱す「要注意外来生物」に指定されている。

そんなチョウがついに私のフィールドにも広がってきたのかとびっくりした。

さて、今年の春、ゴマダラチョウの越冬明けの活動に興味があって、
ゴマダラチョウがよく見られる玉川上水縁を何度かチェックして歩いた。

↓2008年4月16日。玉川上水縁の幼虫。
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数匹の越冬明け幼虫を見つけたが、中の1匹は、エノキの幹にしっかりついたまま
まだ越冬中のようだった。
資料によれば、ゴマダラチョウの幼虫は春になると落ち葉からエノキの木に登るとも書かれているので、これは、その途中の様子かもしれないと思った。
特にそのエノキはまだ葉を開いていないので、他の幼虫より遅いのかもしれない。

↓2008年4月27日。
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この日チェックしに行ったら、脱皮して5令幼虫になっていた。
ちょっと今まで見てきたゴマダラチョウの幼虫と比べて違和感があった。
その時、かすかに思い出したことがあった。
朝日新聞の記事だ。
「中国産のアカボシゴマダラは、幼虫が地表の落ち葉などで越冬する在来種のチョウと違い、木の幹や枝で越冬する。」
もしかして?と思い至って、その5令幼虫を家へ持ち帰った。

↓2008年5月16日蛹化。5月24日蛹の色が変わる。
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幼虫はゴマダラチョウの幼虫と同じようにだんだん緑色になり、
まるまると太って、15日の夜に枝からぶら下がり前蛹状態になった。
このときも、ゴマダラチョウとの違いはあまりわからなかったので、
もしかしたら普通のゴマダラチョウだったのかもしれないと思ったりもした。
しかし、翌朝蛹になったのを見て、やはり変だと感じる。
殻がとても白っぽく、模様も違うみたいだ。
ネットで検索してアカボシゴマダラの蛹の写真を見つけると、やはりそっくり。

↓2008年5月25日。羽化
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蛹の色が変わったので、羽化間近と思い、5時に起きたのにすでに羽化してしまっていた。
さっそく後翅の赤い星を確認しようと思ったのだが、なんと無い!
えっ、やっぱり見込み違いで、普通のゴマダラチョウだったの?
記念撮影して放蝶しようと手に取ると、後翅の赤星があるべきあたりがほんのりピンクに見える。
またあわててネットで調べると、春のアカボシゴマダラは白い個体が多いそうだ。
模様もアカボシゴマダラだった。

というわけで、マイフィールドでもついにアカボシゴマダラが繁殖していることが確かめられた。
アカボシゴマダラは、ゴマダラチョウに比べて大きい。
今後蝶の生息状況はどのように変わっていくのだろうか。
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by 2008oharu | 2008-05-27 01:03 | | Comments(2)
Commented by grassmonblue at 2008-05-28 11:31 x
わたしも昨年n公園で見たときに、現地繁殖個体であると確信していましたが、これで100%証明できましたね。
白色の春型がでてきたので、ドラマチックでしたね。
Commented by おはる at 2008-05-28 22:45 x
ojyalさん、最近井の頭周辺で白くて大きな蝶が飛んでいるという話を2回ほど聞きました。
その時は、まだアカボシゴマダラの春型は白いということに気がつかなかったので、台風でオオゴマダラでも吹き飛ばされてきたのかなんて想像したりしましたが、きっとアカボシゴマダラだったのでしょうね。
こちらでも完全に繁殖しているのですね。
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近所の公園で見かけた昆虫についての雑記帳


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