厳しい定め キアゲハの場合

私のフィールドには、ところどころに生産緑地区域がある。
キャベツにモンシロチョウが大量に集まっているのが見られるし、
ブロッコリーにヒヨドリが群がっていることもあり、
農産物と生き物の関係を窺い知る一助となっている。

最近畑の片隅に明日葉が植えられていることが多くなった。
もとは東京の島の産物だったはずだが、人々の健康志向のせいか、スーパーなどでもよく売られている。

明日葉がキアゲハの幼虫の食草になっていることは、数年前まで知らなかった。
キアゲハといえば、ニンジン・パセリのイメージが強かったので。

数年前に理科の研修で、校庭の片隅に明日葉を植えてキアゲハの幼虫観察をしている様を見せてもらった。幼虫を詳しく見たのも、このときが最初だったかもしれない。
そのころは、畑で明日葉が作られていることも少なかったし、ニンジンやパセリもあまり栽培されていなかったからだ。

そして、ナミアゲハやクロアゲハと比べると、キアゲハは東京ではあまり多くない蝶だというイメージもあった。

それが、ここ数年わりとよく見るようになったのは、もしかしたら明日葉栽培ブームのせいかもしれない。
なぜなら、近所の畑の明日葉には、今の時期、数え切れないほどのキアゲハの幼虫がついているからだ。

↓明日葉に産卵するキアゲハ。2007年8月26日。玉川上水周辺の生産緑地にて。
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↓明日葉に産卵された卵。
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↓キアゲハの弱令幼虫。2007年9月8日。同場所。
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↓キアゲハの中令幼虫
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↓キアゲハの終令幼虫
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このように、同じ畑でキアゲハの幼虫の様々なステージが見られ、こんなにたくさん幼虫がいるのだから、そのうちキアゲハだらけになってしまうのではないかと懸念するほどだった。

さて、それでは、蛹はどうかというと、実はそれがなかなか見つからない。こんなにたくさんいるのだから、1頭ぐらいは見つかっても良さそうなものなのだが、周りの人工物を可能な限りチェックしてみても、まったく見つからなかった。

今年もいつの間にか明日葉にキアゲハの幼虫がたくさん見られる時期になった。
そして、ついに、目の前のフェンスに前蛹がついているのを発見!

↓キアゲハの前蛹。2008年9月15日。上水周辺の生産力地。
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だが、よく見ると、なんと小さな蜂が2匹もくっついているではないか!
定めし、寄生蜂にちがいない。

2日後に見に行くと、蛹にはなっていた。
↓キアゲハの蛹。2008年9月17日。
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やっと見ることができた蛹。でも、ご丁寧なことに、蛹にも寄生蜂が!
せっかく蛹にまでなっても、エイリアンのように体内を食べられて、殻から出てくるのは蜂なのだろう。なんとも厳しい定めである。

しかし、寄生蜂は、3匹とも産卵したのだろうか。
蛹の中で蜂の卵は3つあって、みな孵化するのだろうか。
3匹の蜂が出てくる??
あるいは、競争して勝ち残った蜂がでて来るのか。
いろいろ憶測が広がる。
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by 2008oharu | 2008-09-18 20:46 | | Comments(2)
Commented by ojyal at 2008-09-20 17:00 x
当地では生産緑地は昆虫の生息環境としてまさに貴重な空間ですね。わたしも痛感しておりました。
キアゲハの幼虫観察、見ごたえ、読み応えありました。
Commented by 2008oharu at 2008-09-20 21:29
ojyalさん、覚書を、独り言のようにだらだらと書いていているだけのブログですが、見ていただいてありがとうございます。
私もojyalさんのように、あちこち出かけて、珍しい蝶を見てみたいです。
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近所の公園で見かけた昆虫についての雑記帳


by 2008oharu
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