ジョロウグモは卵を守り続けて死ぬのか?

ジョロウグモは10月に入ると、かなりお腹が大きくなって、目立ってくる。

↓2003年10月18日。お腹が大きく膨らんだメスのジョロウグモ。庭にて。
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↓メスの側に居て、交尾のチャンスを狙うオス。2003年10月25日。庭
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偕成社の自然観察事典のシリーズは、子供向けの本とはいえ、写真がきれいで、解説も詳しく、私が自然観察するときよく参考にしている本である。
その中に「網をはるクモ」(小田英智著)という巻があり、こう書かれている。

「ジョロウグモのメスは、卵嚢をつくりおえても、そこから、はなれることはありません。糸に、脚をしっかりとからませ、卵を守り続けます。卵を産み終えたメスは、腹がしわになってしぼみ、老婆のような姿です。やがて、つめたい木枯らしの季節がきます。老いたメスは、枯れたように死んでいきます。」

こんな感動的なシーンを見てみたいと思い、ときどき思い出してはチェックするのだが、未だにそんなシーンにはお目にかかったことがなかった。

そのうち、二つの観察結果から、少し疑問が湧いてきた。

①卵嚢は見つかるが、側にメスの姿がない。
↓ジョロウグモの卵嚢。2008年11月17日。井の頭小鳥の森周辺。(写真横転)
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↓人工物に産卵された卵嚢。2008年11月20日。善福寺水路付近。
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②お腹のしぼんだようなメスが、網を張っている。
↓お腹のしぼんだメス。2008年11月24日。井の頭小鳥の森周辺。
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上の写真では、少し弱っているように見える。元気に網を張っている個体も見たことがある。

こんな疑問が湧いて、いろいろネットで調べてみた。普通の解説ページでは、メスは卵を産むと死ぬとか、卵嚢を守って果てる、というように書かれているものが多かったが、一つ、詳しい研究者のページを発見した。

「ジョロウグモの産卵行動に及ぼす気温の影響」(西 野 真 由 子)
http://www.asahi-net.or.jp/~DP7A-TNKW/k90.pdf#search='ジョロウグモ%20卵'
この報告によれば、
「卵のうを離れてからのクモは卵のうの近傍で死亡した例が66 頭,網を張った例が315 頭(産卵前の網90 頭,新しい網122 頭,空の網63 頭,他のクモの網を乗っ取る40 頭),徘徊が22 頭,行方不明が251 頭,実験に使用が6 頭だった.12 月の産卵では死亡,行方不明個体が多かった」(上記の報告書より引用)
ということだ。

自然観察事典の著者の記述は、必ずしもすべてに当てはまることではなさそうである。
また、いろいろなネット上の記述も、実際に確かめられたものかどうかは定かでない。

早く産卵するものは夜に産卵するものが多いが、12月遅く産卵するものは、昼間の場合もあるようだ。まだ観察のシャンスはあるかもしれない。
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by 2008oharu | 2008-11-24 15:11 | 昆虫でない虫 | Comments(2)
Commented by まつゆか at 2008-11-28 09:44 x
ごぶさたしております。私もジョロウグモの末期はどんなだろうと、秘かに思っておりました。ヒメグモは、子育てする姿を良く見ますけど、ジョロウグモはしてないなあ、と思って。明日良かったら、ジョロウグモの卵のう見せて下さい〜。
Commented by おはる at 2008-12-02 11:49 x
まつゆかさん、土曜日のかんさつ会、私のグループではジョウロウグモの卵嚢を紹介しましたよ。まつゆかさんのグループでもご覧になりましたか。
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