カテゴリ:蜻蛉( 53 )


ヒメアカネ他

そろそろ蝶もトンボも終盤に近づいて来た10月14日。
今回もヘムレンさん、みき♂さんの案内で、もう1種未見だったヒメアカネを見ることができた。

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ヒメというから小さいのだとは思うが、見たことがない私にはどのように見分けてよいかわからない。
図鑑には、アキアカネは32mm~46mm、小さいマユタテアカネは31mm~43mm、そして、ヒメアカネは28mm~38mmとあり、個体差を考えると大きさだけでは判断できなそうだ。

しかし、頭を前から見ると、かなりはっきりわかった。顔面が白いのだ。
あと、背中にローマ字のiに見える白い線が入る。

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メスはさらにややこしい。図鑑によると「顔面は黄白色で、小さな眉状斑があるか、消失している」とある。
下の写真がそれに近いが、これでいいのかどうかはっきりしない。

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この日は、朝方は気温が低く、トンボがほとんど飛んでいなかったので、あちこちいそうな場所を探して回ったが、なかなか見つからなかった。午後になり、気温が少し上がってきて、やっと上の個体を見つけることができた次第。
これで、アカネ属に関しては、今年度3種のライファー(ムツアカネ・キトンボ・ヒメアカネ)をくわえ、12種を見たことになった。

その他、地元では見られないトンボのアオイトトンボもこの日1個体見られた。

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かなり白い粉をふいているオスだ。
以前はここでたくさんのアオイトトンボを見たことがあるが、気温のせいか、時期が遅いのか、この1例のみしか見られなかった。

前回キトンボを見た場所で、ほんとうに久しぶりにアジアイトトンボを見た。

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アジアイトトンボは地元でも見られているトンボなのだが、私はどうしても見つけられなかった。
ぜひ、地元で確認したい。

ミヤマアカネ
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これは、8月末の高原での個体。
ミヤマアカネも地元で見られる時があるが、今年は見ていないので、のせておく。
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by 2008oharu | 2016-10-18 10:16 | 蜻蛉 | Comments(2)

キトンボ初見初撮り

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これがキトンボ。
ネキトンボに似ていて、アカネ属としては比較的大きく太目な印象。
翅の大部分と脚までもが橙色なのが特徴だ。
ネキトンボは地元でも見られるが、キトンボは見られない。
今回もヘムレンさん、みき♂さんに生息地へ案内してもらった。

この日は久しぶりに気温が低く、初めはほとんど目にできなかったが、やがて1匹、2匹と姿を現す。
飛びだして、遠くに止まったところを先ず撮った。
翅を下におろすような止まり方をしていた。

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そのうち、岩場に翅を広げて止まるようになる。暖をとるためだろうか。

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そして、日がさしてくると、オスは巡回飛翔を始めた。
苦手なホバリングの撮影に挑戦。
静止時間が長いので、なんとか体は止まっている写真が撮れたが、翅はぶれぶれ。
脚をしっかり折りたたんでいるのがわかる。

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メスに出会えば交尾するはずだが、交尾シーンは見られず、いきなり尾つながり状態で産卵する場面は何度か見られた。
ただし、この場合はあまりにも移動が速く、やはり私の腕ではうまく撮れなかった。
以下は雰囲気写真。

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尾つながりの後ろのメスの腹の先が大きく広がっている。
家に帰って図鑑で調べると、産卵弁が大きいのがキトンボの特徴らしい。
メスは一度打水して腹端に水をため、卵を含んだ水滴を泥などに打ち付けると書いてあった。

写真のメスの腹端に水滴がついているのがかろうじてわかる。

ヘムレンさんは、このとき水面下にブラックバスが現れて、あわや捕獲されそうになるところを危機一髪で逃れた場面を撮影されていた。産卵行動も命がけなのだろう。

充実した観察ができて楽しかった。案内してくださったヘムレンさん、みき♂さん、ありがとうございました。
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by 2008oharu | 2016-10-08 09:29 | 蜻蛉 | Comments(4)

黒い赤トンボ他

夏の高原遠征で、初めてムツアカネを見た。

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オスは写真のように全身ほとんど黒い。

メスはあまり特徴がはっきりしない。
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未成熟のオスはメスに似ているらしい。

ムツアカネは、高層湿原に生息するアカネ属のトンボで、北海道と本州の山岳地域にしかいないそうだ。
生息地に詳しいヘムレンさんの案内で見ることができた。

入笠山のある一角に、ルリボシヤンマが多数乱舞する場所があった。
ルリボシヤンマは高尾などでも見られるし、高原に遠征した時、各地で目にしてきたが、たいていオスがテリトリーを巡回しているような場面ばかりだったが、ここでは近くに水場もないようなのに、多数が群れている。こんな場面は初めて見た。

飛んでいるトンボを撮る技量はないが、ヘムレンさんが止まっている個体を発見。とても高い位置だったが、なんとか撮れた。
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あと、目の前を3匹が列を作って飛んできたのを撮ったら、こんな画像になった。
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メスを追いかけているか、オス同士の追いかけあいなのか、よくわからなかった。

おまけのミヤマアカネ

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ミヤマアカネは地元でも見られることがあるが、さすがに高原ではアキアカネとともにあちこちで見られる。
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by 2008oharu | 2016-09-08 11:14 | 蜻蛉 | Comments(2)

井の頭池のトンボたち ⑧ アカネ属

井の頭池で、7月末までに見られたアカネ属のトンボは、アキアカネ・ナツアカネ・コノシメトンボ・ネキトンボ・マユタテアカネそしてノシメトンボの6種。

アキアカネ
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6月25日に池周りで1匹、神田川源流縁で数匹を見つけた。
次の日にはもう見当たらなかった。すぐに旅立ったのだろうか。
高原にいくと、今時分にはアキアカネがいっぱい群れ飛んでいる。
アキアカネは高原の涼しい気温の中で過ごさないと成熟しないそうだ。

アキアカネのヤゴは池で見つかっている(私は見ていない)ので、井の頭池にも生息しているトンボと言える。

ナツアカネ
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私が最初にみたのは、7月11日で、神田川源流付近。ナツアカネは毎日のように見られる。
上の写真は、暑い日なたで逆立ちしている。これは暑いときにみせるポーズだといわれている。
下の写真は7月31日のもので、既に赤くなり始めている♂だ。
ナツアカネは地元に留まって暮らしながら成熟していく。

ナツアカネのヤゴは確認されていないが、井の頭池から羽化してきた可能性はあるだろう。

コノシメトンボ
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7月16日に、これもやはり神田川源流付近で見た。
この場所は、夏の暑い昼間にアカネ属たちが休んでいるポイントになっている。

コノシメトンボのヤゴも井の頭池で見つかっている。
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アカネ属のヤゴはどれもとてもよく似ているので、細かいポイントを調べないと同定できない。
私の撮った写真はわかりにくいが、同じヤゴを飼育して羽化させ、コノシメトンボだと確認した方がいるので確かだろう。

ネキトンボ
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7月24日、池の中央にある七井橋の付近で見つけた。
遠目にはショウジョウトンボに似ているが、胸の側面の黒い線などから違いがわかる。
ネキトンボは、他のアカネ属と異なり、幼虫越冬で、赤い色に成熟するのも早く、時には2化になることもあるそうだ。
ヤゴは確認されていないが、池に生息していた可能性はあるだろう。

マユタテアカネ
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7月30日にお茶の水池周辺で見た。
胸の線や顔面の眉条斑で識別する。(下の写真参照)
また、上の写真のように、オスの尾部付属器が上に反っているのも特徴。
これもヤゴは確認されていないが、井の頭池産と思われる。

ノシメトンボ
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7月31日に、やはり神田川源流ポイントで見た。
アカネ属の中では比較的大きい。
コノシメトンボのように、翅の先端に黒っぽい斑がある。成熟してもあまり赤くはならず、茶色い感じ。

このヤゴも確認はされていない。
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by 2008oharu | 2016-08-01 11:25 | 蜻蛉 | Comments(0)

井の頭池のトンボたち ⑦ ハグロトンボ

今年初めてハグロトンボの成虫を見たのは6月14日だった。
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しかし、この場所は池からかなり離れた林縁で、たぶん玉川上水から羽化したものだと推測される。

また、6月21日には、神田川の流域でも何匹か見られた。
ハグロトンボのオス
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ハグロトンボのメス
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ここはハグロトンボが羽化してから成熟するまでを過ごす場所のようで、毎年多数が集まっているのが見られる。
これらも、池で羽化したのではなく、川から羽化したものだろう。
実際、川で羽化した様子や、交尾産卵している様子なども見てきている。

昨年撮った神田川源流付近での交尾(2015年7月28日)
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昔撮った羽化の酷い写真(遠くの被写体を倍率の低いコンデジで撮った)
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ハグロトンボはカワトンボ科の仲間なので、流れのある川に生息しているのは当然だ。
しかし、井の頭池でも、産卵している場面も見られたし、幼虫のヤゴも確認されている。

池で産卵するハグロトンボ(水草に卵を産みつける)
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池で見つかったハグロトンボのヤゴ(2015年10月24日の若齢)
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終齢ぐらいのハグロトンボのヤゴ(2016年6月20日)
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実際に池から羽化している場面は見たことがないが、池の周辺の藪の中にいるハグロトンボは最近見ている。このことから、池に生息するトンボと言っていいだろう。

井の頭池は池とは言っても、その水が神田川へ向けて緩やかに流れているので、水草があればハグロトンボも生息できるのかもしれない。

ハグロトンボに関しては、その生活史のサイクルがかなりわかってきている。
6月ごろ羽化し、しばらく成熟するのを待って、夏に産卵。幼虫で越冬する。

しかし、依然謎なのは、ハグロトンボの翅の動かし方だ。
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このように翅を開いたり閉じたりするのは何のためなのだろう。
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by 2008oharu | 2016-07-20 09:19 | 蜻蛉 | Comments(0)

丘陵地のトンボたち

7月8日は、ふたたびヘムレンさんとみき♂さんのお誘いを受けて、丘陵地へ出かけた。

キイトトンボ
キイトトンボのオス
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キイトトンボのメス
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交尾
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ヘムレンさんに案内していただいた場所は、湿地のまわりが草原になっている場所で、キイトトンボが、あっちにもこっちにも実にたくさん見られた。

私が初めてキイトトンボを見たのは、10年前ほどの昭和記念公園のトンボの湿地という場所で、やはりキイトトンボはその場所にたくさん見られた。しかし、数年後にはほとんど見られなくなり、その後行っていない。
地元でも一度見たことがあるし、近隣の公園でも見られるが、これほどたくさんのキイトトンボが生息している場所は初めてだ。

関東地方では減少傾向にあるというが、このような湿地が減ってきたからだろうか。

ハラビロトンボ
ハラビロトンボも、地元では見られない。
やはり以前昭和記念公園のトンボの湿地で初めて見たトンボだが、その後見られるかどうかはわからない。

ハラビロトンボの未成熟♂?
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名前通り腹が極端に広い。それと、顔面の額の部分が青く輝くのが特徴。

ハラビロトンボのオスは、成熟が進むにつれてだんだん体が黒っぽくなってくる。

黒化したハラビロトンボのオス
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最後に粉をふいた青色になる。(写真は、同丘陵地に6月10日にいったときのもの)
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ハラビロトンボのメス(だと思う)
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シオヤトンボ
ついでに、今回は見なかったが、6月10日に行ったときに見たシオヤトンボの雌雄。
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こうやって、地面などにべったり止まることが多い。
このトンボも地元では見ない。

これらのトンボが地元にいないのは、池の周りに開けた草原などが少ないからだろうか。

今回もヘムレンさん、みき♂さん、お世話になりました。
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by 2008oharu | 2016-07-14 10:13 | 蜻蛉 | Comments(0)

井の頭池のトンボたち ⑥ ショウジョウトンボ他

ショウジョウトンボもごく普通の種で、井の頭池でも毎年必ず見られる。

今年の初見は5月24日だった。
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羽化したてで未成熟状態の色だ。
オスは成熟すると見事に真っ赤になる。

成熟したオス
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ヒマワリの花のように真夏を思わせ、遠目にも目立つ。
明るく開けたところで多く見かけ、猛暑の時は、腹を高く持ち上げ、逆立ち姿勢を取っていることが多い。

逆立ちするショウジョウトンボ(過去写真。7月末)
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メスは真っ赤にはならず、地味な茶色っぽい色合い。
交尾後離れて、打水産卵する。
その様子は、なかなか写真には撮れない。

打水産卵するメス(雰囲気で)
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今季は、ヤゴも確認できた。

ショウジョウトンボのヤゴ
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ヤゴの時から、腹の先を心持上げている感じだ。何か意味があるのだろうか。

ショウジョウトンボも今季とても多いように思う。

オオシオカラトンボ 6月8日 井の頭池にて
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オスは頭が黒く、体はきれいな青灰色。メスはムギワラトンボ・タイプだが、黒と黄色のコントラストが非常にはっきりしている。体つきもシオカラトンボと比べると大きくごつい。
シオカラトンボより、若干暗いところを好むようにも思えるが、同じ場所にいることもある。

このトンボのヤゴは、シオカラトンボのヤゴと似ていて、未だよく識別できないので割愛。

サラサヤンマ

この個体は残念ながら死んでいる。
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6月18日に井の頭池の周りで発見された。
私が記録をつけ始めてから、サラサヤンマが確認されたのは2例目だ。
以前は2013年6月17日に発見されているので、この時期に出現するようだ。
どの辺に生息しているのかはよくわからない。

その他、ヤンマ類では、ヤブヤンマもいる可能性があるが、今季はまだ確認できていない。
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by 2008oharu | 2016-06-28 10:54 | 蜻蛉 | Comments(0)

井の頭池のトンボたち⑤ コフキトンボ

コフキトンボのメス(オビトンボ型) 2016年6月17日 井の頭池にて
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今日はコフキトンボのオビトンボ型メス(翅に赤味のある帯状の斑紋が入ったタイプ)を少なくとも3匹は見た。
これは多分例年にない多さだと思う。

井の頭池でこのタイプのメスを見たのは、前回のかいぼりのあとの2014年のことだった。(2015年には私は確認していない。)

そもそもコフキトンボが井の頭池に生息しているかどうかすら、それ以前には気づいていなかった。

オビトンボ型のメスは遠目でも赤い翅が目立つが、普通のコフキトンボは、遠目に見るとシオカラトンボに似ているし、シオカラトンボはあまりにも普通種なので、目に入っても詳しく観察しなかったので、もしかしたらコフキトンボをシオカラトンボと思い込んでいたという可能性はあるだろう。

今年、コフキトンボのオビトンボ型を初めて確認したのは6月4日で、それ以来見に行くたびに目にしたので、オビトンボ以外のコフキトンボをちゃんと確認することにした。
メスがオビトンボ型になる割合はそれほど多くないと聞いているので、それが数匹も見られたということは、全体の数がかなり多いはずだと思うからだ。

コフキトンボの普通のタイプのメス
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腹の副性器がないので、メスだとわかる。

まず、遠目に見て、「へ」の字型に腰を上げて止まっていたら、それはコフキトンボだと思ってよさそうだ。
(水平に止まっていることもある。しかしシオカラトンボは「ヘ」の字型には止まらない。)

↓「へ」の字型に止まるコフキトンボ。副性器があるのでオスだ。
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オビトンボ型も「へ」の字型に腰を上げて止まることがある。
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今日は、多くのコフキトンボが「へ」の字型に止まっていた。これは暑さのせいなのだろうか。

さらに大きく拡大してみると、
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副性器があり、オスだとわかる。
細かいところで、腹節の間に筋が入っている(→)が、それが4節まで入っているのがコフキトンボなのだそうだ。シオカラトンボは3節まで。しかしなかなかそこまでは確認できないが。

草のてっぺんに止まっているものが多く、池の中心の方を向いていて、顔面がよく見えないことが多かっが、目の色なども識別ポイントになる。

というわけで、コフキトンボの普通タイプのメスもオスもたくさん見つかった。というかオビトンボのいるあたり一帯にいるのは、ほとんどみんなコフキトンボだった。

コフキトンボがたくさん見つかった理由がかいぼりのせいなのかどうかははっきりわからないが、全体的にトンボの数や種類が多く見られるようになったとは言えそうな気がする。

参考までにシオカラトンボのオスはこんな感じ
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コフキトンボより腹が細くて長い。そして目が青いのも特徴だ。
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by 2008oharu | 2016-06-17 23:16 | 蜻蛉 | Comments(2)

井の頭池のトンボたち④ オオアオイトトンボ

オオアオイトトンボは、アオイトトンボ科のトンボで、翅を半開きにして止まるという特徴があり、名前の通り青い光沢のある色が美しい。

オオアオイトトンボのオス 2014年10月16日 井の頭公園内
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それほど珍しいトンボではなく、隣接する公園でも何度か目にした。
しかし、目にしたのはたいてい晩夏から秋にかけての時期(秋のかなり遅くまで見られるトンボとしても有名)で、しかも池からは遠い場所だったので、どのような生態なのかはよくわからないままだった。

かいぼり後の井の頭池の生物モニタリング活動をしている方から、見たことのないトンボが池から羽化していると連絡があり、見てみるとオオアオイトトンボのようだった。

池から羽化したオオアオイトトンボのメス 2016年6月8日
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モニタリングの結果を見せてもらうと、この時期に見つかったヤゴのほとんどがオオアオイトトンボのようだ。

オオアオイトトンボのヤゴ
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3枚の尾鰓の形や模様の入り方などに特徴がある。

さらに池の周りで次々に羽化しているオオアオイトトンボが見つかる。
池に入っている方にカメラを渡して羽化中のオオアオイトトンボを撮ってもらった。

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なぜ、今年はオオアオイトトンボが池からたくさん羽化してきたのだろうか。
その理由を私なりに推測してみた。

オオアオイトトンボは秋に産卵して卵越冬するトンボらしい。
メスの腹の先は大きく膨れているが、それは水面に張り出した木の枝の樹皮下に卵を産み付けるためのようだ。
卵は春に孵化して水中に入り(うまく水中に落下できなくても、ある程度とびはねて水のあるところまで移動できるらしい。)初夏に羽化する。

ということは、この冬井の頭池の水を抜いたことは、オオアオイトトンボには何の影響もなく、しかも孵化した後は、それを捕食する大きな魚はいない池になっていたはずだ。生き延びる確率が高い池になっていたと推測できる。

羽化したオオアオイトトンボは、これから秋まで生殖休眠個体として、林縁で過ごすのだろう。私が過去に見たのはそういう個体だったのだと思う。

産卵は夕方暗くなり始めたころに行うそうなので、なかなか観察はできそうもないが、来年もオオアオイトトンボが繁殖を続けられるような池であってほしい。
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by 2008oharu | 2016-06-14 11:09 | 蜻蛉 | Comments(0)

井の頭池のトンボたち③ コオニヤンマとウチワヤンマ

コオニヤンマもウチワヤンマも「ヤンマ」と名がついているが、ヤンマ科のトンボではなくサナエトンボ科のトンボである。とてもややこしいわかりにくい命名だ。

コオニヤンマ

6月11日井の頭池にて(初見は4日だった)
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大きくて、腹の模様がオニヤンマに似ているので間違われやすい。
ヤンマ科のトンボはこのように体を水平にして止まることはほとんどないし、よく見ると頭が極端に小さい。
私が初めてこのトンボを見たときは、キタキチョウを捕えていたのが印象的だったが、この日も、飛んできたチョウを獲物として追いかけていた。結構獰猛なハンターのようだ。

コオニヤンマのヤゴ(2015年11月のかいぼり時に見つかったもの)
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体が極端に平たく、枯葉のような色をしている。

コオニヤンマの抜け殻(2012年6月)
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抜け殻でもはっきりそれとわかる形だ。

コオニヤンマも比較的どこにでもいるトンボで、井の頭池周辺や近隣の公園でもほぼ毎年見ている。

ウチワヤンマ

近隣の公園のウチワヤンマ(6月1日)
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腹の先にウチワ状の突起がついているので、ウチワヤンマと名付けられたようだ。
杭の右側にヤゴの抜け殻がついている。
生きているヤゴは前回のかいぼりの時に初めて見た。

ウチワヤンマのヤゴ(2014年1月)
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ウチワヤンマのヤゴは比較的水深の深いところに生息しているらしく、この1例しか見たことがない。

成虫は、井の頭池では以前にはだいたい毎夏見ていたのだが、次第に姿を消していた。それが2014年のかいぼりの後、やっとまた見られるようになった。
それで、今年も現れるのではないかと期待しつつ探していたが、今日(6月12日)なんとか見つけることができた。

今年のウチワヤンマ
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ウチワヤンマも決して珍しいトンボではないが、それすらもほとんど見られなくなっていたのが、なんとか復活したのは、やはりかいぼりのおかげだと思う。
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by 2008oharu | 2016-06-12 21:08 | 蜻蛉 | Comments(0)
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近所の公園で見かけた昆虫についての雑記帳


by 2008oharu
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