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ハリネズミ幼虫 トホシテントウの冬越し

先日、陽だまりにまだ残っているカラスウリの葉の上に、トホシテントウの幼虫がいるのを見つけた。

↓トホシテントウの幼虫。2008年11月24日。井の頭公園
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まるでハリネズミのように背中にトゲトゲがついていて、知らない人が見たら、びっくりするかもしれない。「近づくと痛いぞ。」と警告しているのだろうか。

急に寒くなってきたこのごろだが、初冬に幼虫が見られるということは、普通のことなのだろうか。
家に帰って過去の記録を見たら、トホシテントウの幼虫は4月と10月~11月に見ている。
ネットでさらに調べてみたら、トホシテントウは2化性(1年に2回羽化するライフサイクル)で、秋に孵化した幼虫は、そのまま幼虫で越冬するようだ。

幼虫は脱皮を繰り返して大きくなるのだが、その脱殻の写真
↓2007年10月3日。善福寺。
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4月に見たのは、越冬明けの幼虫だったのだろう。
↓4月の幼虫。2008年4月1日。井の頭。
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他の越冬昆虫たちと同じように、落葉樹の葉裏などに潜んで越冬することが多いようだ。

春になると、そのまま脱皮して蛹になる。
↓蛹の脱殻。2008年6月2日。善福寺。
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残念ながら蛹そのものの写真はない。蛹の脱殻の上部にあるトゲトゲは、幼虫の脱殻が付着したものである。側には成虫がたくさん見られた。

↓トホシテントウの成虫。2008年6月2日。善福寺
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トホシテントウは名前どおり、背中の点が10個あるテントウムシで、植物(ウリ科のカラスウリやアマチャヅル)を食べる。似た生態のニジュウヤホシテントウは、ナス科のジャガイモの葉などを食い荒らす害虫として有名だ。

↓ニジュウヤホシテントウ。2003年7月21日。職場のジャガイモ畑で。
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どちらも肉食のテントウムシと比べると丸っこい感じで、翅に毛のようなものが生えている。顔つきも優しい感じがしないではない。
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by 2008oharu | 2008-11-27 10:22 | 甲虫 | Comments(0)

ジョロウグモは卵を守り続けて死ぬのか?

ジョロウグモは10月に入ると、かなりお腹が大きくなって、目立ってくる。

↓2003年10月18日。お腹が大きく膨らんだメスのジョロウグモ。庭にて。
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↓メスの側に居て、交尾のチャンスを狙うオス。2003年10月25日。庭
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偕成社の自然観察事典のシリーズは、子供向けの本とはいえ、写真がきれいで、解説も詳しく、私が自然観察するときよく参考にしている本である。
その中に「網をはるクモ」(小田英智著)という巻があり、こう書かれている。

「ジョロウグモのメスは、卵嚢をつくりおえても、そこから、はなれることはありません。糸に、脚をしっかりとからませ、卵を守り続けます。卵を産み終えたメスは、腹がしわになってしぼみ、老婆のような姿です。やがて、つめたい木枯らしの季節がきます。老いたメスは、枯れたように死んでいきます。」

こんな感動的なシーンを見てみたいと思い、ときどき思い出してはチェックするのだが、未だにそんなシーンにはお目にかかったことがなかった。

そのうち、二つの観察結果から、少し疑問が湧いてきた。

①卵嚢は見つかるが、側にメスの姿がない。
↓ジョロウグモの卵嚢。2008年11月17日。井の頭小鳥の森周辺。(写真横転)
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↓人工物に産卵された卵嚢。2008年11月20日。善福寺水路付近。
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②お腹のしぼんだようなメスが、網を張っている。
↓お腹のしぼんだメス。2008年11月24日。井の頭小鳥の森周辺。
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上の写真では、少し弱っているように見える。元気に網を張っている個体も見たことがある。

こんな疑問が湧いて、いろいろネットで調べてみた。普通の解説ページでは、メスは卵を産むと死ぬとか、卵嚢を守って果てる、というように書かれているものが多かったが、一つ、詳しい研究者のページを発見した。

「ジョロウグモの産卵行動に及ぼす気温の影響」(西 野 真 由 子)
http://www.asahi-net.or.jp/~DP7A-TNKW/k90.pdf#search='ジョロウグモ%20卵'
この報告によれば、
「卵のうを離れてからのクモは卵のうの近傍で死亡した例が66 頭,網を張った例が315 頭(産卵前の網90 頭,新しい網122 頭,空の網63 頭,他のクモの網を乗っ取る40 頭),徘徊が22 頭,行方不明が251 頭,実験に使用が6 頭だった.12 月の産卵では死亡,行方不明個体が多かった」(上記の報告書より引用)
ということだ。

自然観察事典の著者の記述は、必ずしもすべてに当てはまることではなさそうである。
また、いろいろなネット上の記述も、実際に確かめられたものかどうかは定かでない。

早く産卵するものは夜に産卵するものが多いが、12月遅く産卵するものは、昼間の場合もあるようだ。まだ観察のシャンスはあるかもしれない。
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by 2008oharu | 2008-11-24 15:11 | 昆虫でない虫 | Comments(2)

ヤツデの花に集まる虫たち

若い頃、アマチュア研究者・田中 肇氏の著書「花と昆虫」(保育者)を読んで、花と昆虫の共進化にとても興味を持つようになった。
その本の最初の方に出てくるのが、初冬に咲く虫媒花ヤツデと昆虫の関係である。

今ちょうどヤツデの花の盛り。その花の蜜を求めて来る昆虫は、初冬でも活動しているとても地味な昆虫たち、ハエ・アブたちだ。

↓ホソヒラタアブ。2008年11月15日。善福寺
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↓アリ(たぶんクロヤマアリ)。2008年11月15日。善福寺
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↓例のトリバガがも蜜を吸いに来る(蝶と同じように口吻を伸ばしている)。同場所同日。
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上の三種の昆虫が蜜を吸っているのは、ヤツデの雄花だ。雄しべが5本出ていて、真ん中に雌しべのもとが見えていはいるが、雌しべは花粉を受け付けない。

↓キンバエの仲間 2008年11月10日。井の頭公園・小鳥の森周辺。
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このキンバエが蜜をなめているヤツデの花は雌花。花びらも雄しべも落ちて、雌しべだけが伸びてきて、昆虫の体についている花粉を受け付ける。

実はヤツデの雄花と雌花は時期が違うだけで、同じ花なのだ。ヤツデの花は雄花期→中性(雄しべと花びらを落とし、蜜を出さない時期)→雌花期(雌しべが伸びてきてまた蜜を出す)と変化する両性花なのだそうだ。
この仕組みは、同花受粉を避ける役目をしている。

ヤツデは他の花が少なくなった初冬に咲くことによって、この時期活動できる昆虫たちを独り占めすることができるし、昆虫たちも、厳しい冬に備えてたくさん蜜を吸って体力をつけることができるというわけらしい。

井の頭のヤツデの側に、シロダモという花が咲いていた。この花にもキンバエなどが来ていたから、同じ戦略を持った花なのかもしれない。

↓シロダモ。2008年11月10日。井の頭
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by 2008oharu | 2008-11-20 20:50 | 総合 | Comments(0)

ハラビロカマキリの卵

2008年10月4日。
こんなハラビロカマキリを見た。

↓ハラビロカマキリの♀。善福寺公園
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フェンスをうろうろ動き回っている。いかにも産卵場所を探しているような感じだ。
産卵シーンが撮れるかもしれないと期待してずいぶん待ったが、動き回るばかりで結局産卵し始めることはなかった。

数日後また善福寺へ行ったので、どこかで卵を産んだのではないかと同じ場所をチェックしてみたが、見つからなかった。

それが、14日、また同じところを見ていた時、卵があった。
↓ハラビロカマキリの卵塊。2008年11月14日。
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うろうろしていたハラビロカマキリの卵だったのかどうかは定かではないが、普通ハラビロカマキリは、木の枝に産み付けることが多いのに、こんなところに産み付けたのは、あの♀だったと思いたい。

↓普通のハラビロカマキリの卵塊の様子 2008年10月6日。立野公園
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by 2008oharu | 2008-11-15 21:15 | その他の昆虫 | Comments(0)

晩秋の蝶たち

小春日和には、晩秋でも蝶たちが飛び回る。
今日は典型的な成虫越冬蝶3種にであった。

ムラサキシジミ
↓善福寺公園にて。2008年11月14日
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ムラサキシジミは成虫で越冬する蝶だが、10月下旬から12月上旬あたりまでは暖かい日によく翅を開いて日光浴をしている姿を見る。このころはわりと活発に活動しているように思える。
しかし、年を越してからは見る機会がぐっと減るので、やはり無事に越冬するのは一部なのだろう。

ウラギンシジミ
↓ウラギンシジミの♀。同日同場所。
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ウラギンシジミも10月から12月上旬ぐらいまでは、まだ活動しているようで、目にする機会が多い。しかし、本当の冬になると、木の葉の陰でじっとしているらしく、ほとんど見かけない。冬場は♀を見ることが多いが、♀は越冬前に交尾をすませ、越冬明けの春には自分で産卵するらしい。♂は交尾を終えた後、どうなるのだろう。

キチョウ
↓同じく2008年11月14日の善福寺
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キチョウは天気さえよければ、年明けの1月などでもよく活動しているのを見かける。
秋の個体は写真のような黒い斑点があるものが多い。

ムラサキツバメ
こちらは、少し前葛西臨海公園で見たもので、おまけ
↓2008年10月21日
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ムラサキツバメも成虫越冬するのだが、マイフィールドでは越冬する成虫は見たことがない。
幼虫はここ2年見ているし、近くの別の公園では見かけたことがあるので、もしかしたら善福寺にもいるのかもしれない。
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by 2008oharu | 2008-11-14 20:35 | | Comments(0)

モンシロチョウの終認はいつ?

昨年モンシロチョウを最後に見たのは、11月22日だった。

↓モンシロチョウ 2007年11月22日。立野公園
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今年は11月4日に見たが、なんと交尾している個体もいた。
↓マリーゴールドで吸蜜するモンシロチョウ。2008年11月4日。立野公園
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↓交尾するモンシロチョウ。同日同場所。
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今交尾して、産卵するのだろうか。卵は孵化して、冬が来るまでに蛹になるのだろうか。
その可能性は薄いと思われるが、だとしたら、一定の寒さになったら、交尾などの活動も抑制されるという仕組みにはなっていないのか。

それとも、生きている限り産卵し続けて、温暖化などで繁殖できるようになった場合の可能性に賭けているのか。

今年のモンシロチョウの終認がいつになるのかまだわからないが、今年のモンシロチョウの初見は2月の29日だったから、モンシロチョウが見られない期間は、ほんの3ヶ月ぐらいということになる。
これも温暖化の証左なのだろうか。

9日には、ホシホウジャクの幼虫もまだ見られた。
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by 2008oharu | 2008-11-12 22:08 | | Comments(0)

トリバガ

2008年10月30日、善福寺公園でトリバガの仲間に出会った。

↓トリバガの仲間。
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トリバガの仲間は名前を同定するのが困難なようだが、こればブドウトリバのような気がする。
ヤツデの花に来ているが、今まで見たトリバガはヤツデの花に来ていることがとても多かった。
ヤツデの花が咲く頃出現するように思われる。

↓例えば、2002年11月2日。庭にて。(当時の200万画素のデジカメではこの程度)
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↓また、2005年11月27日。庭
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たぶん、どれもブドウトリバだろう。

↓もう1頭は、人工物についていた。2008年10月30日。善福寺
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同じく以前人工物についていたのは、
↓2003年11月3日。家の壁
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少し種類が違うような気がする。
ナカノホソトリバかもしれない。

↓これも似ている。2001年11月11日。庭のブルーサルビアに。
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というわけで、トリバガの仲間は、翅が丸まっていて、体と十字型を作るような止まり方がとてもユニークな蛾である。
今の時期に出現し、昼間ヤツデのような花の蜜を吸っているようだ。
それ以外のことはよくわからない。
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by 2008oharu | 2008-11-11 00:11 | | Comments(0)

トラカミキリ

公園を歩いていて、一瞬スズメバチかと思う虫が眼に入った。
しかし、よく見ると違うようだ。おそるおそる近づくと、カミキリムシのようだった。

↓トラカミキリ。2008年11月7日。善福寺公園
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しかし、見れば見るほどスズメバチによく似ている。人間もだますような見事な擬態だ。

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調べてみると、飛び方もスズメバチそっくりなのだそうだ。

しかし、図鑑には出現期が6-8月と書いてある。今日は立冬の11月7日。ずいぶんずれているではないか。もちろん、私が見たトラカミキリはあまり元気がないように感じるから、そろそろ死んでしまうのかもしれないが、それにしても遅い。これも温暖化異変なのだろうか。

注:トラカミキリはトラフカミキリと呼ばれることもある。
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by 2008oharu | 2008-11-07 23:02 | 甲虫 | Comments(3)

トノサマバッタ

鳥を見るために埼玉県の河川敷に行って、たまたま久しぶりにトノサマバッタに遭った。

↓トノサマバッタ。2008年11月5日。埼玉県の荒川系河川敷
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トノサマバッタは開けたたけの低い草原のような環境を好むが、そうした環境は減少してきているので、河川敷などにいることが多いらしい。
もちろん、近所の公園では見られない。私が見たことのある場所は、神代植物園の水生植物園(城跡の広場)や八王子市などだ。

上の写真は緑型だが、褐色型のものもいる。
↓褐色型のトノサマバッタ。2005年9月23日。神代植物園。
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バッタの中では一番大きいのでトノサマバッタと言われるらしい。一度捕まえて籠に入れた後、放してやったら、はるか遠く木を飛び越えて飛んでいった。それくらい飛翔力も高い。

ふだんは単独で暮らしていることが多いが、幼虫時代に過密な環境に育つと、肢が短くなり、翅が発達して集団組(群生相)となり、大軍団で移動して畑を荒らす害虫となる。不思議な昆虫だ。

広くイネ科の草本の葉を食べるが、時には脱皮中の仲間を食べることもあるらしい。
興味深い昆虫だが、近所ではあまり見られないので、幼虫も見たことがないし、生態観察する機会もないのが残念。
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by 2008oharu | 2008-11-06 20:42 | バッタの仲間 | Comments(0)

ゴマダラチョウの越冬準備

今年の初めは、ゴマダラチョウの越冬幼虫を発見することから始まって、羽化まで飼育観察したり、アカボシゴマダラを見つけたりしてスタートしたが、そろそろまた幼虫の越冬準備が始まる頃となった。

ゴマダラチョウの幼虫の越冬準備については、2005年に一部観察した記録がある。
2005年10月1日のこと。善福寺のゲートボール場近くに私の背よりも低い小さなエノキがあって、そこに6頭の幼虫を発見した。

↓2005年10月1日のゴマダラチョウの幼虫
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このころは毎日仕事をしていたので、土日しか観察できなかったが、その後可能な限り様子を見に行った。10月中はそれほど大きな変化はなく、ただ、最高9頭まで確認できた日があった。
だいたいどの幼虫も同じステージに思われるので、1頭の雌のゴマダラチョウが同時に産んだ卵から孵ったのかもしれない。

11月に入ると、少し茶色味が増してきたような感じがした。
↓11月5日のゴマダラチョウの幼虫
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↓11月12日のゴマダラチョウの幼虫は、さらに茶色い。
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この頃になると、見つけられる数は減ってきたように思う。
↓11月26日のゴマダラチョウ
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このときは3頭しか見つからず、すべて同じ状態だった。
そして、このときを最後に、幼虫は姿を消した。
エノキの下の落ち葉を少しチェックしたが、もちろん見つからない。
エノキの葉は枯れて落ち、風に飛ばされ、掃除され、結局9頭生まれても、無事に春を迎える個体はいないのかとがっかりした。

↓ゴマダラチョウの越冬状態の例。2008年1月30日
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さて、時は流れ、ゴマダラチョウの幼虫のことはほとんど忘れかけていた翌年の4月。
ある日ふとエノキに目を向けると、なんと幼虫が!

↓越冬明けのゴマダラチョウの幼虫。2006年4月15日。同じエノキに。
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いったいどこで越冬していたのだろう。とにかく喜ばしいことだ。
この幼虫は5月4日まで確認。
↓終令になったゴマダラチョウの幼虫。
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このあと見失ってしまった。どこかで蛹になっているのではないかと期待して、あちこちチェックしたが見つからなかった。

今年は観測できるような適当な幼虫が見当たらないので、残念だが、アカボシゴマダラの幼虫は1頭チェック中。(ほんとはもう1頭いたのだが、しばらく観察していたら、ある日エノキ自身が伐採されてしまった。)
アカボシゴマダラは木の根元に下りず、木の枝について越冬するはずなので、いつどのように始まるのか確かめてみたい。

↓現在観察中のアカボシゴマダラの幼虫。
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by 2008oharu | 2008-11-03 22:57 | | Comments(0)
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近所の公園で見かけた昆虫についての雑記帳


by 2008oharu
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