<   2012年 08月 ( 4 )   > この月の画像一覧


夜の昆虫たち② 蛾編

蛾の仲間は夜行性のものが多いのだが、なかなか夜見る機会はない。
昼間は、木の幹や擬木柵、建造物の壁などにべったりくっついているのを観察するしかない。
(写真を撮るのは楽だが。)

↓壁についているキシャチホコ。2012年7月23日。井の頭公園。
d0146854_1021250.jpg

こういう場面の蛾は、たいてい頭を下に向けて隠し、触角も翅の下などに入れている。
そうすることで、木の葉などに似せているのだろうか。

ある日、たまたま夜に観察する機会があった。
この黄色い蛾が雑木林の下のアズマネザサが茂るあたりで数匹せわしく飛び回っているのが見えた。
止まったところをなんとか撮ったのが下の写真。

↓キシャチホコの♂。2012年8月5日夜の7時過ぎ。井の頭公園。
d0146854_1026246.jpg

頭が見え、オスと判別できる櫛状の触角がぴんと伸びている。

↓こちらはメス。同日同場所同時間。
d0146854_10273150.jpg

こちらもメスとわかる棒状の触角が伸びている。

キシャチホコの幼虫の食草はササ類などなので、この蛾たちは婚活・産卵のための活動を行っているのだろう。
昼間とはまったく違った活動的な印象だ。
黄色い色も、昼間は地味で目立たないが、夜には街頭などの明かりを受けて、とても目立つ。
触角と色合いでパートナーを認識しあっているのだろう。

↓ムクゲコノハ。2012年8月5日午後7時過ぎ。井の頭公園
d0146854_1033726.jpg

こちらは、樹液食堂でお食事中。口吻を伸ばし、下翅を広げて見せている。
昼間の姿を見たことはないが、たぶん下ばねを隠し、木の葉のような地味な姿で隠れているのだろう。

↓ナンカイカラスヨトウ(あるいはオオシマカラスヨトウか。)同日同場所同時間。
d0146854_10354539.jpg
d0146854_10361327.jpg

この時期昼間でも擬木柵などにたくさんついている蛾。
やはり夜に樹液を吸いに来る。昼間は見えない触角や口吻の様子が分かる。

↓ライトトラップに来たカブラヤガ(あるいはその仲間)。2012年8月11日午後8時ごろ。井の頭公園
d0146854_1039408.jpg

こちらも触角が見事にぴんと伸びて活動中。

↓同じくライトトラップに来たマイマイガの♂。同日同場所同時間。
d0146854_10411711.jpg

ところで、このマイマイガのオスは、実は昼間でも触角をしっかり伸ばしていることが多い。

↓昼間のマイマイガの♂。2012年7月26日12時ごろ。井の頭公園。
d0146854_1044329.jpg

ということは、昼間もある程度活動しているということなのだろうか。

さて、夜の蛾の様子で一番印象的なのは、やはりスズメガだ。
今年も、カラスウリの蜜を吸いに来たスズメガ(たぶん、コスズメあたり)を見ることができた。
大きな体で翅をぶんぶん言わせながらホバリングし、長い口吻を伸ばして蜜を吸う姿は圧巻だった。

しかし、一眼レスフも持っていなかったし、写真に撮るのはとても難しそう。
いつか挑戦してみたい。

おまけに昼間のスズメガ、オオスカシバを。2012年8月4日。井の頭公園
d0146854_10514225.jpg

ちなみに、私が今まで見てきた限りでは、オオスカシバは吸蜜するとき前脚を支えに使っている。
口吻が短いからだろうか。
なので、比較的撮影しやすいのだが、ホウジャクの仲間は完全に空中でホバリングしているので、昼間でも撮影はなかなか難しい。
果たして夜のスズメガを私の技術で撮影できるだろうか。
[PR]

by 2008oharu | 2012-08-24 10:59 | | Comments(0)

夜の昆虫たち① セミ編

夏は、夜の昆虫たちを観察する機会が多い。
主役はなんといってもセミたちの羽化。

セミの羽化は夜でなくても見られるのだが、やはり夜に一番確実に見られる。

以下は夜ではなく3時前後に見られたニイニイゼミの羽化。

↓背中が割れて、気門が切れるまで。2012年8月5日。井の頭公園
d0146854_17431129.jpg
d0146854_17433260.jpg
d0146854_17435423.jpg

↓同日同場所の別個体。幼虫の殻から出る場面。擬木柵で羽化している。
d0146854_17451139.jpg
d0146854_17453271.jpg
d0146854_17453358.jpg

ニイニイゼミは、木の幹の比較的低い位置で羽化する。

アブラゼミの場合。
↓背中が割れる。2012年8月4日午後8時前後。善福寺公園
d0146854_17482844.jpg

↓反り返って気門が切れるところ。2012年8月11日8時前後。井の頭公園
d0146854_17492920.jpg

アブラゼミは、木の葉裏で羽化することが多い。

ツクツクボウシの場合
↓2012年8月5日8時前。井の頭公園
d0146854_17502785.jpg


羽化の時に落下したり、力尽きたり、天敵に襲われたりして命を落とすものも多いので、
無事に羽化したのを見ると、ついほっとする。
これから2~3週間、子孫を残すために必死で鳴き、相手を見つけ、産卵するのだ。
[PR]

by 2008oharu | 2012-08-23 17:58 | その他の昆虫 | Comments(0)

今季のアカネ類

井の頭公園内のアカネ類の記録は毎年変化が激しい。
昨年はなんと4種しか見つけられなかった。
アキアカネ・ノシメトンボ・コノシメトンボ・ミヤマアカネだ。
このうちミヤマアカネは新記録だったので、それなりの成果はあったのだが。

一昨年は、ナツアカネ・アキアカネ・ノシメトンボ・コノシメトンボ・マユタテアカネ・マイコアカネ・ネキトンボの7種を確認できたので、毎年これくらいは見られると思っていたら、大違いだった。

今年は今までのところ、アキアカネ(私はみていないが)・ナツアカネ・ノシメトンボ・コノシメトンボ・マイコアカネと新記録のリスアカネの6種を確認している。

リスアカネは善福寺では以前に確認していたが、井の頭では初めて。
もちろん、今までも生息していたのにたまたま出会っていなかっただけかもしれないが、それにしても、毎日のように見られるので、今年はとても多いと言って間違いではないと思う。

↓リスアカネ 2012年7月29日 井の頭公園
d0146854_9295886.jpg

↓マイコアカネ 2012年7月23日 井の頭公園
d0146854_9312140.jpg

↓顔が緑色に、腹が赤くなってきた♂のマイコアカネ 8月5日。井の頭公園
d0146854_9321496.jpg

↓コノシメトンボ 7月23日 玉川上水縁
d0146854_9341189.jpg

↓ノシメトンボ 6月30日 井の頭公園
d0146854_9343564.jpg

↓ナツアカネ 7月24日 玉川上水縁
d0146854_935296.jpg


もう少し秋めいてきたら、アキアカネも戻ってくるはずだし、もしかしたらまたミヤマアカネも見られるかもしれない。
そうしたら、今年は昨年より種類が多いことになる。
こういう変化はなぜおきるのだろうか。

今年の井の頭公園内でのトンボの生息に関係する大きな環境の変化は、プールがなくなったことだ。
プールと言ってもすでに使用されなくなったものだが、水がためられていたので、毎年いろいろなトンボが産卵し、羽化していた。
それがなくなったことで、何か種類や生息数に変化は起きているのだろうか。

また、もう一つの変化としては、井の頭自然文化園内にささやかなビオトープができ、水たまりのような小さな池で何種類かのトンボが産卵していたこと。

このような環境の変化は何かしらの影響をもたらしているのだろうか。

追記:
本日8月26日、ネキトンボを確認した。
↓ネキトンボ。井の頭公園
d0146854_2112794.jpg

これで、今年は井の頭公園で7種目を確認。あとマユタテアカネとミヤマアカネが確認できれば、見られる可能性のあるもの9種になるのだが。
[PR]

by 2008oharu | 2012-08-19 09:45 | 蜻蛉 | Comments(2)

7月の昆虫ピックアップ

●タマムシ
タマムシは2008年に玉川上水下流域で飛んでいるのを目にして以来、井の頭公園にも生息しているのはないかと思ってきたのだが、なかなか見つけられなかった。
飛んでいるのを見たという人もいたし、翅の一部が落ちているのも見つかっていたが、実際に自分で目にしないと確信が持てない。
そんなある日、公園内でタマムシを見つけたという連絡を受け、駆けつけて撮ったのがこれ。

↓タマムシ。2012年7月21日。井の頭公園。
d0146854_2210271.jpg

やはり井の頭公園内にもタマムシがいることが確かめられた。

●クルマスズメとクロスズメの幼虫

↓クルマスズメ。2012年7月8日。井の頭公園
d0146854_2216475.jpg

井の頭公園内で初めて見たスズメガ。
地面あたりで何かがさがさと音がしたので気づいた。羽化してきたところだったのかもしれない。
フェンスの中だったので、全身を撮ることができないまま、そのうち勢いよく飛び立ってしまった。

↓クロスズメの幼虫。2012年7月27日。井の頭公園
d0146854_22201959.jpg

クロスズメの幼虫は、昨年お仲間が発見。私はすでに干からびたような死骸しか見ていなかった。
今年はぜひ見たいと思っていたところ、7月16日に地面で動いているのを発見したが、傷ついていて瀕死の状態だった。
そして、上の写真もクロスズメなのだが、やはり尾端の方に傷があって、翌日には干からびて死んでいた。

2匹が見つかった場所は同じところで、高い松の木が一本生えている。たぶんその木から落ちてきたものと思われる。落ちたために傷ついたのか、何かに襲われて傷ついて落ちてきたのかは不明。

わかったことは、この木に毎年クロスズメの幼虫が生息しているらしいということだ。
クロスズメの成虫は図鑑で見るととても地味だが、一度見てみたい。

↓ヤブヤンマのオス。2012年7月17日。井の頭公園。
d0146854_22293192.jpg

ヤブヤンマは石神井公園や善福寺公園では見ているが、井の頭公園ではこれが初めてだった。
この場所は以前お仲間がマルタンヤンマを見た場所と同じなので、トンボが見つかりやすいところらしい。

その後本園のビオトープにもヤブヤンマの雌雄がいて、産卵していることもわかった。

↓ヤブヤンマの産卵。2012年7月29日。井の頭公園の本園ビオトープにて。
d0146854_223321100.jpg

善福寺公園でも観察したが、ヤブヤンマは水の中には産卵しない。

↓トラフシジミ。2012年7月26日。井の頭公園玉川上水縁の擬木柵
d0146854_2235070.jpg

トラフシジミは、井の頭公園では年に一度見られるかどうかという少ない蝶だ。
それも、いつどこで見られるかわからない。
少し下流の上水縁にあるネムノキの花などに来ているのは2度ほど見た。
この日もいきなりどこかから目の前に飛んできてとまり、その後またどこかへ飛んで行ってしまった。

↓エゴヒゲナガゾウムシ。2012年7月24日。玉川上水縁のエゴノキにて。
d0146854_22423074.jpg

エゴヒゲナガゾウムシは決して珍しいゾウムシではないのだが、その風貌の面白さと年に一度この時期だけに見られるということから、毎年必ず観察している。
今年は、オスとメスが平たい顔をくっつけあうシーンが見られたが、お仲間はオス同士が顔をくっつけあって精力争いをしているを観察している。

↓顔をくっつけ合うオスとメス。2012年7月26日。同場所。
d0146854_16565632.jpg


↓ツマキシャチホコ。21012年7月22日。井の頭公園
d0146854_2247011.jpg

この蛾も決して珍しい蛾ではないが、いつ見てもその造形の妙に感心してしまう。
木肌そっくりな翅の色と模様、枝の切り口そっくりな顔面と翅の後ろの模様。

でもこの蛾の幼虫はクヌギやコナラを食草とする毛虫(けっこう毒々しい)なのだ。
そのうちあたりにうじゃうじゃ出てくるかもしれない。

↓ハキリバチ 2012年7月6日。井の頭公園
d0146854_23192167.jpg

公園内にヌスビトハギがたくさん生えている場所があり、その葉のあちこちが丸く切り取られている。
ハキリバチの仕業に違いない。ハキリバチが実際に葉を切り取っている場面は見たことがなかったので、しばらく待っていると現れたのだが、その切り取る作業の速いこと!
カメラを構えてピントを合わせている間にもう飛んで行ってしまうのだ。
上の写真はたった一枚かろうじて間に合ったもの。

ハキリバチはこの切り取った葉を何枚も重ねて丸め、その中に花粉と一緒に卵を産むそうだ。
丸い切り後は次から次へとつくられているので、ハチの揺りかごもたくさん作られているのかもしれない。
[PR]

by 2008oharu | 2012-08-01 22:52 | 総合 | Comments(2)
line

近所の公園で見かけた昆虫についての雑記帳


by 2008oharu
line
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31