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秋の蛾から 2015

9月~10月に出遭った蛾からピックアップ

ヒメヤママユ

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8月にヤママユを何頭か見たあと、今年もクスサンは見逃してしまった。
というか、ヤママユとヒメヤママユは一応見られるポイントがわかったので、時期を違わずそこへ行けば見られる可能性が高いのだが、クスサンがよく見られるポイントがまだわかっていないこともある。

ヒメヤママユの時期も外しそうになってきたので、とりあえず例年見ている場所に行ってみた。
電柱を中心にチェックしながら1時間半ぐらい歩いてみて、なんと20頭ほどのヒメヤママユが見つかった。
(クモの巣などにひっかかって絶命しているものも含めてだが。)
ちょっとピークを過ぎているのかもしれない。

たいていは、電柱の明かり部分に近い場所止まっていて、望遠レンズでないと撮れなかった。

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最初の写真はその中では珍しく、樹木についていたもの。あと1頭、木の幹についているものもあった。

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そして、1頭だけ、手の届く看板に張り付いている個体がいたので、下翅の模様が出るように翅を動かしてみる。

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この個体は、少し擦れていて、新鮮とは言えなかったが。

もう1頭、不思議な格好をしている個体がいた。

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何をしているのかよくわからなかった。
交尾や産卵シーンには出遭えなかった。やはりそれは夜でないと無理なのだろう。

あとは、いつものポイントでウスタビガが見られるかどうかが問題だ。

緑色のヤガ3種

ケンモンミドリキリガ

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今年は多いのか、出現時期と観察日がたまたま合致したのか、今日までに数頭出遭った。

ホソバミドリヨトウ

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アオバハガタヨトウ

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アカスジシロコケガの雌雄
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黒い点が2対になっているのがオスで、1対のものがメスらしい。
両方同時に見たのでやっと違いがはっきりした。

コウモリガ

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キマダラコウモリは以前に見たのだが、コウモリガは初めて。

イカリモンガ

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出遭いたいと思っていてもなかなか遭えないのだが、全然期待していない時にやっと出遭えた。

あと、成虫ではないが、この幼虫はアゲハモドキではないかと思うがどうだろうか。

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他にもいろいろ目にしたが、今回は割愛。
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by 2008oharu | 2015-10-30 21:29 | | Comments(2)

アサギマダラ2 孵化と羽化

アサギマダラの蛹を発見されたのは、「あかねの独り言」のあかねさんだった。(左の外部リンク参照)
キジョランの葉を文字通り一枚一枚めくって見つけられたのだという。

私が見たのは10月18日だったが、この蛹が無事に羽化するかどうか気になって、10月27日と29日(今日)の3回見に行った。

10月27日には、うっすらとチョウの翅の模様が見えてきていて、羽化が近いことがわかった。

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10月28日には行かなかったが、あかねさんのブログを拝見して、ますます翅の模様が透けて見えてきているようだったので、今日は是非様子を見なくてはと出かけた。

すると、なんとアサギマダラはすでに蛹から出てしまっていた。

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あかねさんから、羽化前の黒くなった蛹の写真を見せていただいた。
色の変わった蛹が見られなかったことはちょっと残念だったが、無事に羽化してよかった。

抜け殻はきれいに透き通っていた。
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羽化したチョウは黒い性標のあるオスだった。
この後南へ旅立つのだろう。

さて、18日にはあたりのキジョランにたくさんの卵が産み付けられていたので、その卵が孵化しているのではないかと思い、調べてみた。

食痕があるところなどを裏返してみると、やはり小さな幼虫が見つかった。

孵化したてと思われる幼虫

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右は卵の殻で、これは幼虫が食べてしまうと思われる。
また、小さな幼虫は、葉を円形にトレンチして、葉の乳液を出してから、その内側を食べるのだが、孵化したての幼虫も、トレンチ行動をとっていた。

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孵化したての幼虫は3mmぐらいで、模様もない灰色をしているが、少し大きくなると、アサギマダラの幼虫らしい模様がついてくる。

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幼虫と、食痕
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これらの幼虫のどれだけが無事に越冬できるかどうかわからないが、また春までときどき観察して、できれば蛹になるところもみたいものだ。
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by 2008oharu | 2015-10-29 22:20 | | Comments(0)

アサギマダラ 卵・蛹・いろいろな謎

地元の都市公園では、アサギマダラは主に初夏(5月)と秋(9月~10月)に見られるチョウだ。
アサギマダラは渡りをするチョウなので、渡りの途中で通過する道筋になっていると思われる。
渡りの夏鳥のようなイメージだ。

今年は9月29日に公園内で出遭った。翅が千切れたオスだった。
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飛んでいると色合いがアカボシゴマダラに似ているが、アカボシゴマダラより、飛び方が優雅だ。
アカボシゴマダラの方が、アサギマダラに擬態しているのかもしれないが。

たまに、7~8月の真夏に地元で出遭うこともあるが、それはどういう状況なのだろうか。

夏に高原などに出向くと、ヨツバヒヨドリバナにアサギマダラが多数集まって吸蜜している。よく見るとそれはみなオスばかり。

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「アサギマダラ 海を渡る蝶の謎」(佐藤英治・山と渓谷社)によれば、

「オスは性フェロモンの材料であるピロリジジンアルカロイド(PA)という化学物質をふくむ植物を訪れ、蜜や汁を吸い続けます。そして、腹端からヘアペンシルという発香器官を出して、同じ発香器官である後翅の性標にこすりつけ、PAを性フェロモンへと変えるのです。」

というわけで、このヒヨドリバナがPAをふくんでいるかららしい。
オスは、移動しながら、その先々でPAをふくむ植物で吸蜜しつつ成熟し、メスと交尾するというわけだ。
その交尾の場面を見るのもなかなか難しそうだ。

さて、地元東京では、高度500mほどの低山でアサギマダラが繁殖している。
そこには幼虫の食草であるキジョランが茂っていて、毎年幼虫を確認してきた。

今年の3月に確認した幼虫
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キジョランの葉は常緑なので、冬場も葉を食べることはできるが、冬場はほとんど動いていないように思われる。

今年は、教えていただいて、卵と蛹も確認することができた。

アサギマダラの卵
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キジョランの葉の裏側をめくってみると、あちこちについていた。1頭のアサギマダラが産卵したものだろうか。
この卵が孵化して、一冬幼虫で過ごすのだろう。

アサギマダラの蛹
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これもキジョランの葉裏についていた。(2枚は同一個体)
この蛹は、この秋のうちに羽化するはずだ。
ここで羽化した成虫は、南へ移動するのだろうか。それともこの場でPAをふくむ植物を探して成熟し、交尾産卵するのだろうか。

この日は、あたりにアサギマダラのメスが何頭か飛んでいた。

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すべてメスだった。比較的傷のないきれいな個体ばかりだったので、近くで羽化したものかもしれない。
センダングサの仲間やアザミの仲間で盛んに吸蜜している。
これらのメスは、どこかですでにオスと交尾を済ませていて、この地で産卵するのだろうか。

前述の本によれば、
「9月中旬までに生まれた卵は、11月上旬までに羽化して南下の旅に加わるはずです。それよりあとに産卵されたものは、幼虫のままキジョランの葉裏にとどまり、冬を越してからさなぎになるものが多いと思われます。」
とある。

この日見つけた蛹は、微妙な時期にあたっているようだ。

この低山では、12月~1月でもアサギマダラの成虫が見られることがある。
それらは、もう南へは渡らず、この地で命を終えるのだろう。

ひとくちに渡りをするチョウといっても、具体的な生態には謎が多いなぁと思った。
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by 2008oharu | 2015-10-25 18:03 | | Comments(2)

アオスジアゲハの幼虫

アオスジアゲハは、都会でもよく見られるきれいなアゲハだ。

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9月上旬のある日、以前アオスジアゲハの幼虫が見られた場所をちょっとチェックしてみると、葉にたくさんの卵がついているのを発見。

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アオスジアゲハの幼虫はクスノキの葉を食べるし、同じクスノキ科のヤブニッケイやタブノキの葉も食べる。その違いがよくわからないので森林インストラクターの知人に調べてもらったら、この樹はやはりクスノキだった。

今までもアオスジアゲハの卵や幼虫、蛹は見たことがあるが、この木には、とてもたくさん卵が産み付けられているのでびっくり。
数日後、そろそろ孵化するのではないかとチェックに行く。

孵化直前の卵は中の色が透けて見える。
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葉に食痕があるので葉裏をチェックすると、たくさんの幼虫がいた。
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孵化食後の幼虫は、とげとげが多い。
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数えてみると、幼虫は20匹はいるようなので、継続して観察してみることにした。

初め幼虫は葉裏にいて、脱皮するととげとげが減り、緑色っぽくなってくる。
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上の写真の緑色っぽい幼虫の右横に、脱皮殻がある。
こちらは、脱皮の最中。
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緑色っぽくなった幼虫は、葉の表に出てきて、食事をしていないときは、口から吐き出した糸で台座を作り、その上に体を固定して休んでいる。何匹か一緒に乗っていることが多い。

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食事するときは、台座を離れ、他の葉に移る。

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頭は黄色いこともわかった。

いよいよまるまる太った終齢になった。
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たくさんの幼虫がどこでどんな風に蛹になるのか、とても楽しみにしていたのだが…。

2~3日後に行ってみると、なんと終齢幼虫は全部いなくなってしまった。
数日後、さらにあちこちをチェックしたが、幼虫はついに1匹も見つからず、蛹もない。

そして誰もいなくなった…。

いったい幼虫たちはどうなったのだろうか。
幼虫の天敵と考えられるのは、鳥、狩り蜂、寄生蜂、クモなどだ。
実際、若齢幼虫がクモに襲われているのも見たし、寄生されているような幼虫もいた。
しかし、こういっせいにいなくなるのはなんとも解せない。
一斉に移動して、他所で蛹化するにしても、1~2匹は移動しているところを目にしそうなものだし、狩り蜂に襲われたのなら、その現場も1~2回は目にできたはずなのだが…。

というわけで、幼虫の観察は竜頭蛇尾のごとく謎を残したまま、あっけなく終わってしまった。
自然の中で、生活史の全工程を観察するのはやはりとても難しい。

以上は、9月5日から10月3日まで、井の頭公園の同じ場所で観察したもの。

ウインターコスモスで吸蜜するアオスジアゲハ 2015年10月7日 井の頭公園
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また来年、観察する機会があるといい。
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by 2008oharu | 2015-10-15 21:02 | | Comments(2)

ジャコウアゲハ 2015

↓ジャコウアゲハのオス 2015年8月24日 東京郊外
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ジャコウアゲハのメスは、幼虫の食草であるウマノスズクサ近くで待っていれば、かなりの頻度で見られるが、オスとの遭遇率はメスより低い。他のアゲハ類がよく吸蜜する花で待っていてもあまり現れない。
飛んでいる状態では、他の黒いアゲハ類と見分けるのがちょっと難しいが、腹が赤いことが見て取れればなんとかわかる。

オスはその名の由来となったじゃ香の香りがすると言われているが、オスとの遭遇率が低いせいもあって、未だ確かめられないでいる。
「イモムシのふしぎ」(森 昭彦著)によれば、芳香族アルデヒド類とリナロールがもたらす香りなのだそうだ。その香りは何のために発するのだろう。メスを惹きつけるためなのか。

↓ジャコウアゲハのメス 片方の尾状突起が千切れている。 2015年9月22日
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このメスも、ウマノスズクサの生えている辺りで休憩中だった。少ししてまた産卵行動を始めた。
メスは翅の色が独特なので、容易に識別できる。

↓ウマノスズクサに産み付けられた卵
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「虫の卵ハンドブック」(鈴木知之著 分父総合出版)によれば、「卵の表面を覆うオレンジ色の粘着性分泌物は、有毒物質として知られるアリストロキア酸を含んでいる。」そうだ。

↓若齢幼虫
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卵から孵ったばかりの幼虫。卵の殻は食べてしまうようだ。幼虫が食べるウマノスズクサも毒草なので、天敵に食べられることはないらしい。

しかし、地元では、ウマノスズクサはヤマノイモとかヘクソカズラとか、他のつる性植物といっしょにからまったりして、いかにも雑草という感じに見えるのか、たいてい抜かれたり切られてしまうことが多く、せっかく産み付けられた卵が蛹になるまでを観察するのは難しい。

↓終齢幼虫
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こちらは、ウマノスズクサが保護されている場所で、そういうところでは、たくさんの幼虫が生き残っている。むしろ、食草のウマノスズクサが足りなくなりそうな勢いである。食草が足りなくなると共食いもするそうだ。
他のアゲハ類とは色も形の全く違う。

↓ジャコウアゲハの蛹(保護された場所のもの)
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地元では、食草は刈り取られているが、その前に無事に蛹になったようだ。
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蛹も他のアゲハ類とはこれもまたまったく違う形をしていて、「お菊虫」と呼ばれている。

卵や幼虫、成虫も毒で守られているジャコウアゲハだが、この蛹が無事に羽化する確率はとても低い。今まで観察してきた蛹のほとんどが寄生(ハエだそうだ)されてしまうようだ。羽化の様子を見ることはもちろん難しそうだが、無事に抜け出た蛹の殻さえもなかなか見つからない。

毒蝶といわれていても、食草の偏りと寄生のために、他のアゲハと比べて生存率が格段に高いとは言えないようだ。
少なくとも、ウマノスズクサさえあれば、細々ながら命をつないでいるので、ウマノスズクサを絶やさないようにしてほしい。
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by 2008oharu | 2015-10-08 22:13 | | Comments(2)

シンジュサン

ヤママユガの仲間は地元の井の頭公園では今のところオオミズアオしか見つけられない。
その他のヤママユガを見るためには、もう少し自然度の高い郊外の公園や丘陵地へ足を延ばす必要がある。今までそのようにして見られたのは、ヤママユ・ウスタビガ・クスサン・ヒメヤママユの4種。

シンジュサンは年2化だし、私が行ける範囲の場所で見たという話は聞いているので、運が良ければ見られる可能性があるのだけれど、未だ果たせずにいる。

今年、高尾山口に「TAKAO 599 MUSEUM」というのがオープンした。小奇麗だが、すかすかな空間の施設で、お茶を飲むぐらいしか利用が思いつかない。それでも、一応昆虫の標本が展示してあったので、シンジュサンやエゾヨツメなど未だ見られていない昆虫の標本を撮った。

シンジュサンの標本
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翅の両端にヘビに見える模様がついているのが特徴だ。このような模様はヨナクニサンにもある。生きているとき、これがどんな効果に見えるのだろうか。

さて、そんなある日、シンジュサンの幼虫が見られるというお話を伺い、せめて幼虫でもと、とるものもとりあえず駆けつけた。

シンジュサンの終齢幼虫
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ゴンズイという樹木についている。図鑑で見たものよりはるかに美麗で見応えがある幼虫だった。

そして、実はその場所に行って初めて、前に同じ樹木についている幼虫を見つけて写真に撮ったことを思い出した。中令ぐらいの幼虫だったので、「幼虫図鑑」でみてもわからなかったし、ネットで検索してもなかなかヒットしなかったので、わからないままにしていたのだが、なんとそれがあこがれのシンジュサンだったとは!
(あこがれなら、事前にもっと生態などを詳しく調べておくべきですね。)

シンジュサンの中令幼虫
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このときは、少なくとも3匹はいたと思うが、終齢幼虫は1匹しか見当たらなかった。
そして、その後その1匹も行方不明になってしまったらしい。

どこかで無事に蛹になっていてほしいが、同じ成虫が他所でも産卵したかもしれないし、来年こそ成虫に出遭えるといいなぁと思っている。
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by 2008oharu | 2015-10-01 22:33 | | Comments(2)
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近所の公園で見かけた昆虫についての雑記帳


by 2008oharu
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