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ムラサキシジミの越冬の場合

ムラサキシジミは、私が公園で昆虫を意識的に観察するようになったときからすでに普通に見られるチョウだった。特に冬の暖かい日などに翅を開いて日光浴しているシーンはお馴染みになっていた。(このブログのプロフィール写真にも使っている。)

それでも、どこでどのように越冬しているのか突き止めることはできなかった。
今年、ムラサキツバメの越冬の方を先に見つけて観察できることになったのだが、越冬明けまで観察続けることができず残念に思っていたところ、今度はムラサキシジミが越冬している場所が突き止められた。

越冬中のムラサキシジミ ツバキに引っ掛かっている枯葉に止まっている。
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マテバシイに引っ掛かった枯葉に3頭止まっている。
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サンゴジュにひっかかった枯葉に3頭。
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ツバキにかかった枯葉に2頭。
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ササの葉にひっかかった枯葉に1頭。(この個体はムラサキツバメと一緒に越冬していた個体かもしれない。)
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どれも南に面した日当たりのよい常緑広葉樹の中であるが、ムラサキツバメが木の葉に直接止まっているのに対して、ムラサキシジミは茶色い枯葉に止まっていて、見事なカモフラージュになっているのだ。

このことから、ムラサキシジミがムラサキツバメの集団に紛れ込んだのは、そこが茶色い枯葉のような色になっていたからなのではにかと思われた。(あくまでも推測だが。)

今日はまた日向はとても暖かく、ムラサキシジミが陽だまりで開翅しているシーンも見られたが、その個体もきっとまたどこかの枯葉に隠れて越冬するのだろう。

開翅しているムラサキシジミ 2016年2月9日
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こうして3種のシジミチョウの越冬の様子を観察して、それぞれ似たところもあれば、微妙に違うところもあることがわかった。

どの種も、南側に面した常緑広葉樹の中で越冬する傾向にある。
それも、密集していて風当たりが強くない方がよさそうだが、樹木の種類はあまりこだわりはない。たまたま条件にある場所に生えているものなら、なんでもよいようだ。
特にムラサキシジミは、枯葉がひっかかっているような植物なら種類を選ばない傾向にある。

ウラギンシジミは、一度決めた場所からは、なるべく動かずに一冬じっと過ごす。
ムラサキツバメやムラサキシジミは、暖かい日には飛びだして日光浴をする。
何か問題が起きたときは、場所を変えることもあるようだ。
ムラサキシジミもムラサキツバメももとは南のチョウだったのが北上してきたと言われている。ムラサキシジミの方が先に関東に定着しているので、越冬も安定しているような気がした。

ちょっとうれしいニュースは、ムラサキツバメが1頭、またもとの越冬場所にもどってきていることだ。

戻ってきたムラサキツバメ 2016年2月7日。
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鳥に襲われ(たぶん)、捕食されたり散り散りになってしまったが、9頭もいたのだから、何頭かは無事にどこかにいるだろうと密かに期待していたのだが、やはりこの場が条件がいいのかもしれない。

一方、剪定されてしまったモチノキの下には、ウラギンシジミが落ちていた。

落ちていたウラギンシジミ 2016年2月4日
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飛んで逃げて他の場所へ移るにはすでに体力が尽きていたのだろう。

チョウたちの越冬はなかなか厳しいが、無事に乗り越える個体が少しでもいれば、また新しい命が受け継がれていく。
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by 2008oharu | 2016-02-09 23:11 | | Comments(1)

そして誰もいなくなる ムラサキツバメの場合

最多時14頭の集団になっていたムラサキツバメ(含むムラサキシジミ1頭)は、大雪の後5頭に減ってしまったが、その後少しずつどこからかまた集まってきて、9頭にまで増えた。

2016年1月22日のムラサキツバメの集団
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上の写真には8頭しか映っていないが、すぐそばの葉に1頭はなれてとまっていた。

しかし、1月26日の午後、帰りに確認しによると異変が起きていた。
まず、木の根元付近から1頭が飛び立ち、遠くへ飛んでいってしまうのが目に入った。
それから、少し離れた地面に、何か青く光るものが目に入り、よく見ると開翅しているムラサキツバメだった。
翅の一部が千切れている。

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写真を撮りつつ、越冬場所に目をやると、なんと1頭もいない。

1頭のムラサキツバメは、やがてササの上へ移って、そこでまた開翅。

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そして、しばらくのちに、もとの越冬場所へ戻った。

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たった1頭だけである。

あたりをチェックしていると、千切れた翅が目に入った。

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裏返してい見ると、きれいな青い鱗粉がついたムラサキツバメのメスの翅だった。

これらの状況から、ムラサキツバメの集団は、何かの鳥に襲われたのではないかと思われる。

2日後の1月28日。見るとチョウは2頭になっていた。
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左の1頭はムラサキシジミだ。あの日最初に根元から飛び立っていった個体だったのかもしれない。
もしかしたら、無事に逃げおおせた個体がまた戻ってくるかもしれないと淡い期待をもって、2~3日後また見に行ってみると、なんと今度は逆に1頭もいなくなっていた。

こうして、私が把握している公園内のムラサキツバメの越冬個体は、みんないなくなってしまった。

ウラギンシジミは、今日までに3頭残っていた。
モチノキに1頭・サカキに1頭・ツバキに1頭である。
それが、今日見に行ったら、なんとモチノキに剪定が入っていた。
ダメもとで、業者の人に、「ウラギンシジミが越冬しているからこの枝を切らないでほしい。」と頼んでみた。業者の人も考えてみてくれそうだったが、帰りにチェックすると、ウラギンシジミは消えていた。
あと1か月半がんばれば春が迎えられたのに残念である。

こうして、越冬蝶たちは、大雪や鳥、人の営みなどの災難に遭って、春を無事に迎えるのはほんの一部なのだということがよくわかった。

それでも、みき♂さんが新たにムラサキシジミの越冬個体を何頭か見つけられたので、今後も観察を続けられそうだ。
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by 2008oharu | 2016-02-03 21:25 | | Comments(2)
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近所の公園で見かけた昆虫についての雑記帳


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