蛾補遺

晩秋から初冬にかけての蛾から、今季取り上げる機会がなかったものをいくつかピックアップする。

スカシカギバ 12月7日 井の頭公園
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スカシカギバの幼虫は何度か見てきているが、成虫にはなかなかお目にかかれない。一度ぼろぼろになった死骸を見ただけだった。この個体はトイレでばたばたしているところをIさんが見つけ、取り出して撮影したもの。弱っているのだろうが、翅はきれいだ。翅の透かし窓がもっとわかるように撮ればよかった。

アキナミシャク 10月21日 山梨方面に遠征に行ったときに撮ったもの
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ちょっと模様が違うように見える別個体もアキナミシャクだろうか。
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ナカオビアキナミシャクか。こちらは12月21日丘陵地にて
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キトガリキリガ 10月21日 同じく山梨方面にて
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アケビコノハ 12月2日井の頭公園
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ぼろぼろの瀕死状態。以前はこのあたりのアケビに幼虫がたくさん見られたのだが、最近はとんと見ない。でも今年は成虫を2度見た。どこかでほそぼそと生息し続けているのだろう。アケビコノハは成虫越冬だが、この個体は残念ながら冬を待たずに息絶えてしまった。


幼虫については、

ニジオビベニアツバ 11月3日 井の頭公園
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マナティさんが見つけた。写真がうまく撮れなかったが、非常に特徴的な突起がついている。南方系の蛾で、北上中だとか。ネットで調べると派手な色の蛾らしいので、来年見られるといい。

キバラケンモン 11月6日 井の頭公園
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サクラの木に数匹ついていた。キバラケンモンの成虫は一度見たことがあるだけだ。模様がはっきりした蛾だが、来年はこのあたりでたくさん見られるだろうか。

その他、まだ名前を調べきれていないものもたくさんいるが、それは年越しになりそうだ。










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# by 2008oharu | 2016-12-29 20:48 | | Comments(2)

チャバネフユエダシャクとイチモジフユナミシャク

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私が今季チャバネフユエダシャクのメスを初めて見たのは11月28日。(お仲間が27日に発見した個体)
チャバネフユエダシャクの出現としては早い。


このメスはしばらく同じ場所にいたようだが、オスの姿は近くにはなく、こんなに早く出てしまって、無事にオスに出会えたのかどうか心配するほどだった。

その後メスの姿はときどき見かけるが、なかなかオスには出会えなかった。
12月11日のメス
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12月18日のメス
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メスはたいてい2~3日同じ場所にいるようで、まだオスに出会えないのか、どこかで産卵したのか、よくわからない。

この日にはやっとオスにも出会えた。
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チャバネフユエダシャクは夜行性なので、昼間はこうして擬木柵や壁にはりついているところしか見られず、交尾や産卵の様子も見たことがない。
丘陵地に行ったとき、こんな状態のオスを見かけたが、ここで夜間に交尾でもしたのかなと想像してみたりした。(12月21日)
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メスはその後も時々見かける。
12月23日のメス
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年によっては1月中旬ごろまで見られることもあった。


イチモジフユナミシャクのオスは12月17日に見た。
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こちらは丘陵地で見た個体(12月21日)
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そして、23日にはメスが見られた。
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地元ではイチモジフユナミシャクはあまり多く見られず、だいたい1~2個体見られればいい方だ。

この時期例年ならウスバフユシャクやクロテンフユシャクも見られ始めるのだが、今季はまだ。クロオビフユナミシャクはお仲間が1個体見ているが、私はまだ見られていない。








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# by 2008oharu | 2016-12-28 11:17 | Comments(0)

幼虫越冬チョウたち


チョウの越冬というと、なんとなく蛹や卵の状態でじっと寒さに耐えて春を待つというイメージが強いが、それはたぶん、一番身近なアゲハチョウやモンシロチョウが蛹越冬だからだろう。

地元の都市公園で見られるチョウたちは、実は成虫越冬や幼虫越冬が多い。しかし、幼虫の場合は、小さいし、動かず飲まず食わずでじっと葉の中などに隠れている場合が多いので、なかなか目にする機会がない。

そんな中で一番見つけやすいのはゴマダラチョウだった。
ゴマダラチョウの幼虫を実際に探してみたのは2008年ごろからで、その時は大きなエノキの根元をチェックすると、かなりの確率で越冬幼虫が見つかった。

ゴマダラチョウの越冬幼虫(2008年12月29日。井の頭公園内)
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しかし、ゴマダラチョウの幼虫が見つかる率は年々下がり、今年は今のところ全く見つかっていない。(そもそも成虫すらも見かけることが少なくなった。)

そこで今回、もっと自然度が高い丘陵地へ幼虫探し遠征をした。
ヘムレンさんとみき♂さんが前回行ってオオムラサキとアカボシゴマダラの幼虫を見つけたという大きなエノキの根元へ行って、3人でゴマダラチョウを探した。しかし、結果としてはオオムラサキ3匹、アカボシゴマダラ2匹で、ゴマダラチョウは0匹に終わった。
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オオムラサキの幼虫
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アカボシゴマダラの幼虫

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私がアカボシゴマダラの越冬幼虫を観察し始めたころには、アカボシゴマダラは根元の葉ではなく、木の幹や枝にはりついて越冬しているものが多かったかが、いつの間にか他の2種と同様の越冬をするようになったのだろうか。

樹の枝にはりついて越冬するアカボシゴマダラ(2012年)
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ここだけの例では結論を出すには早計すぎるし、他所ではゴマダラチョウの幼虫も見つかっているらしいが、なにゆえかゴマダラチョウが減ってきているような印象を受けて寂しい。

今年は、コミスジも減ったような印象を受けたが、それはホシミスジがあまりにも目立ったからだろうか。地元では秋も終わりごろになってやっと、コミスジの産卵と幼虫を観察する機会ができた。

ハギにつくコミスジの幼虫
                    若齢幼虫
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10月中旬から11月中旬ぐらいまで、同時に様々な段階(若齢~終齢)の幼虫が見られ、枯葉についていた幼虫はやがて枯葉とともに地面に落ち、そこで越冬するようだ。

このように落ち葉で越冬する幼虫たち(ゴマダラチョウの仲間やコミスジ・ダイミョウセセリなど)は、落ち葉掃きが頻繁になされる都市公園では生き残りにくそうだ。

11月18日の暖かい日、笹の葉をチェックしていたら、イチモンジセセリの幼虫が動き出していた。
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セセリチョウやヒカゲチョウの仲間の一部は、笹などの葉を綴ってその中で幼虫越冬する。
今年のように寒暖の差が激しい秋は越冬準備も狂ってしまわないだろうか。














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# by 2008oharu | 2016-12-22 13:34 | | Comments(2)

葉裏の虫チェック


ここ数年、目につく昆虫が少ない冬場には、ヤツデやアオキなどの葉裏をめくって小さな越冬昆虫を探すくせがついている。

今年も何日かやってみた結果

まず、比較的目につきやすいクロスジホソサジヨコバイ

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どちらも右が頭だが、左に目があるような模様になっている。しかも黒い筋も入っていて、脚のようにも見える。頭を襲われたら致命傷になるが、後の翅なら軽傷で済むかもしれない。しかし、この1cmあるかどうかの小さい虫の天敵は何なのだろうか。目の良い天敵でないと、この擬態も効果はなくなってしまうので、やはり小鳥なのだろうか。
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この少し小型の赤い部分がない個体はオスだと言われているが、そうではないという説もある。
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これは幼虫。写真ではわかりにくいが、やはり右の腹の先に目に擬したような黒い点がついている。

このちょっと見応えのあるムシは、ヒゲナガサシガメの幼虫。

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この成虫は夏に見ている。
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幼虫の方が面白い。あまりサシガメらしい獰猛さがない。

チャタテムシの一種

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チャタテムシの仲間は何種か見ているが、なかなか名前が判明しない。
これから産卵して幼虫なども見られるはずだ。

アミメクサカゲロウ
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クサカゲロウの仲間は成虫越冬が多く、これから擬木柵などでよく見られるようになる。しかし、これも名前の判別はなかなか難しい。小さいので識別点が分かるような写真も撮れないことが多い。アミメクサカゲロウは分かりやすい方だ。





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# by 2008oharu | 2016-12-17 22:08 | 総合 | Comments(0)

クロスジフユエダシャク2016

2016年12月4日の午前10時前、目の前をクロスジフユエダシャクオスがひらひらと飛んでいたので、目で追っていると、ササの枯れた葉に止まった。止まった状態を写真に撮ってみると、なんとそのササの葉にはメスがいた。
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オスはしばらくばたばたと翅を動かし、やがて交尾の姿勢になった。
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私にはメスの姿は写真を撮るまで気が付かなかったが、オスはちゃんとわかっていてそのあたりをひらひら飛んでいたのだろう。メスが発するフェロモンに呼び寄せられたのか、ある程度目視できるのか。もし、メスがいることにもう少し早く気付いていたら、コーリングしている状態が見られたのかもしれない。
公園でのイベントの下見のあと、また寄ってみると、枯葉が折れ曲がって交尾姿勢は変わっていたが、まだ交尾中だった。
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結局4時半ぐらいまでの間、ずっと交尾中だったことになる。

翌日、どうなったが気になって昼ごろ行ってみたが、すでにオスはもちろんメスの姿もなかった。
もしメスが無事だったら、幼虫の食草のクヌギやコナラまで飛べない身で歩いて行ったのだろうか。

地元でクロスジフユエダシャクを観察し始めてから10年以上になる。その結果わかったことは、
●クロスジフユエダシャクは地元では11月下旬から12月上旬に成虫が見られること
●昼行性の蛾で、オスは羽化すると地表近くを飛びまわって羽化してくるメスを探す。
●メスの翅は退化していてとても小さく、飛ぶことはできない。コーリングしてオスを引き寄せ交尾・産卵する。(雌雄とも成虫になると何も飲み食いしないらしい。)
●卵は固めて産まれる。(写真は2014年12月9日に擬木柵に産み付けられたもの。孵化した幼虫はバルーニングで食草にたどりつくのか?)
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●幼虫は4月ごろよく姿が見られるようになる。色模様には個体差がある。(写真は2014年4月29日。蛹化準備中か)
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クロスジフユエダシャクは昼行性なのでオスは目につきやすいが、ひらひら飛ぶばかりでなかなか止まらず写真に撮るには休憩するまで待つ根気がいる。しかし、寒い日にはさすがに不活発になるのか、建物の壁や擬木柵にはりついていることもある。

壁にはりつくオス

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擬木柵にはりつくオス
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葉に止まって休む(?)オス
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根気よく探せば、メスや、その産卵の様子も見られるかもしれない。

この冬は、しかしフユシャクの数が少ないような気がするが、他のフユシャクはどうなるだろうか。







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# by 2008oharu | 2016-12-12 11:27 | Comments(0)
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近所の公園で見かけた昆虫についての雑記帳


by 2008oharu
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