ミノウスバ

ミノウスバのカレンダーはかなり正確だ。
私がミノウスバを最初に見つけたのは2008年、それから現在までだいたい10月29日から11月11日の間に発生を見ている。

今年も公園の一角でミノウスバが飛んでいるのを見つけた日、ここ数年発生を確認していた別の一角のマサキをチェックすると、ここにもやはりミノウスバがいた。しかも交尾している。

11月5日 井の頭公園
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翌日また同じところへ行ってみると、メスは同じ場所で産卵していた。

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同じ枝の葉の上にはオスもいる。前日交尾していたオスだろう。

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さらに4日後の10日にも見に行く。
メスは産卵場所にそのまま残っている。

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オスも近くにいて、こんなポーズをとっている。

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これは威嚇のポーズなのだそうだ。

ミノウスバは年一化で、晩秋に羽化すると、何も食べずに交尾産卵して一生を終える。
メスは卵に自分の体の毛を擦り付けるので、産卵後のメスには腹の毛がなくなっている。そして、その場で息絶える。

オスの方はどうなのだろうか。一回交尾した後、もう一度交尾する可能性があるのか、ただ命が尽きるまで生きながらえるだけなのか。

卵は春に孵化する。孵化後しばらくは幼虫がうじゃうじゃかたまっているのが見られるが、その後ばらけて、最後には普通食樹(マユミやマサキ)を離れ、ぞろぞろと移動する。
擬木柵などに列をなして移動しているのがよく見られるが、いったいどういう場所をめざしているのだろうか。
同じ場所で蛹化するのか、まだまだ分からないことが多い。(といっても特に調べようとはしていないのだが。)

4月9日のうじゃうじゃ幼虫
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一度、マユミの葉を綴って蛹化しているようにみえる幼虫を見たことがある。

5月6日のミノウスバ
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蛹化の仕方には二通りあるのだろうか。

いずれにしても、このあと6か月は蛹として眠りつづける。羽化した後は何も食べないのだから、時間との勝負で相手を探さなければならない。探すのはオスの役目なのか、まずはせわしく飛んでいる姿が目について、私たちにもミノウスバの季節が来たことを知らせてくれる。
カレンダーがとても大切な所以なのだろう。
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# by 2008oharu | 2016-11-15 10:59 | | Comments(0)

クロマダラソテツシジミ

クロマダラソテツシジミは、沖縄で見た。

2015年6月13日 沖縄本島にて
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沖縄では、ごく普通に見られる南国のシジミチョウである。

これに先立ち、たまに関東地方の海沿いで見られることがあるのは、ネットで知っていた。
名前の通り、食草はソテツなので、海沿いのソテツで発生する場合があるらしい。
今年久しぶりに東京都で見られるというので、またヘムレンさん、みき♂さんとで見に行った。

この日は、よりによって12月の気温の日で、まずチョウが飛ぶような状況ではなかったが、未見の幼虫が見られればいいくらいに思っていた。(しかし、寒かった。)

着いてみると、案の定、チョウはまったく飛んでいない。そこで食痕のあるソテツの葉を見て回ったが、幼虫らしきものは皆目見つからなかった。

しかし、ついにみき♂さんが成虫を発見。ソテツの下草の上で寒々しそうにじっとしている。

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これで、ここが発生場所であることは確認できた。

これ以上何も見つからず、ほぼ諦めかけて場所を替え、休憩することに。
その場所にもソテツが生えているので、何気なく柔らかそうな葉をめくってみると、なんと幼虫がいるではないか!

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アリがついている幼虫
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こんなソテツの硬い葉をどのように食べるのだろうと疑問に思っていたが、やはり幼虫が食べるのは若いやわらかい葉だったようだ。

それからさらに、別の株で成虫も次々に見つかった。
ソテツの下草にじっと止まる成虫たち。
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よく見ると口吻を伸ばしている。
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翅の隙間から表翅の青い色が覗く。
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また、ソテツの幹の葉の根元付近にもたくさん見つかった。
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蛹は葉の根元付近の中に入っていて、そこから羽化するそうなので、これらは羽化直後の個体なのかもしれない。
みき♂さんが個体数を調べたところ、15個体いたそうだ。

結局、これだけの数の成虫が見られ、幼虫も発見できたし、寒い時の様子もよくわかったので、見に行ってよかった。

クロマダラソテツシジミは、関東地方では越冬できず、冬の間に絶えてしまうそうだが、それでもときどき現れる。(飛んでくるのではなく、船に乗ってくるのではないかと聞いた。)
こういうことを繰り返すうち、温暖化で生き残れるようになるか、あるいはチョウの方が耐寒性を獲得するかして、いつか完全に生息できるようになるかもしれない。
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# by 2008oharu | 2016-11-05 22:34 | | Comments(4)

クロコノマチョウ

ヘムレンさんが、クロコノマチョウの前蛹がついているジュズを見つけたと連絡をくださった。
みき♂さんは、まだ前蛹を見たことがないそうなので、一緒にいってみることにした。

今年は今回を入れて、クロコノマチョウに出会った機会は3回だった。
1回目は、ミドリシジミを探しに行ったついでに幼虫を見た。

5月31日
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幼虫の顔面の緑部分がまだ小さいので終齢ではないようだ。

2回目は丘陵地で、茂みに潜む成虫を見た。

7月8日
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近くにジュズが生えていたが、幼虫は見当たらなかった。

今回案内してもらった場所には、当初ジュズがたくさん生えていたそうだが、ヘムレンさんが前蛹を見つけたその日に、草刈りが始まったので、ジュズが刈られてしまったのではないかという不安があった。
そして、案の定、ジュズはかなり刈り取られていたが、何株か残っていて、前蛹は、無事に蛹になっていた。

10月19日の蛹(右は幼虫の脱皮殻)
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残っているジュズをあちこち探してみると、それ以外にも蛹や前蛹、蛹の抜け殻などがあちこちに見つかった。

前蛹
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抜け殻
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さらに、葉がほとんど食べられて株が丸坊主になっている場所に、幼虫も残っていた。

幼虫
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この幼虫は、よく見ると脱皮した時の殻が、顔面についたままになっていて、まるでお面をかぶっているようだ。

丸坊主状態の株の傍には、別の木に移って蛹になった個体もいた。
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葉と見事に同化していて、よく見ないとわからない。
しかし、移動するのが難しい丸坊主のジュズに3頭も幼虫がいたので、みき♂さんがそのうちの2頭を、葉の残っているジュズに移動させた。
葉の上に置かれた幼虫は、すぐに動いて葉裏に移動していった。そういう本能が備わっているようだ。

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蛹のそばには、必ずきれいに脱ぎ捨てられた脱皮殻があるが、その顔の部分を撮ってみる。

脱皮殻の顔面
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さて、蛹の抜け殻がこれだけあるなら、近くに成虫もいるのではないかとあたりを探してみると、飛んできたものがいて、地面に降り立った。成虫だった。

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地面に降りると、枯葉の色とそっくりで見つけにくい。

このチョウはめったに開翅しないので、表の翅を撮ることはなかなか難しい。今後の課題だ。

クロコノマチョウは、南方系のチョウが北上してきた例として有名だ。2~3年前は地元の公園でも見られたが、その後あまり見かけなくなった。
このチョウの食草はジュズやススキなどだが、公園内ではよく幼虫がついている状態で刈り取られてしまうことが多い。(今回も危うかった。)
安定的に食草が維持されるような場所でないと、なかなか生息を維持していけないのだろう。

ヘムレンさん、みき♂さん、おかげで楽しい観察ができました。
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# by 2008oharu | 2016-10-28 20:37 | | Comments(4)

秋のキタキチョウ

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キタキチョウも晩秋のこの時期にとても多く見られるチョウだ。
もともとキタキチョウは、モンシロチョウやスジグロシロチョウよりも頻繁に目にするチョウなので、何度もブログでも取り上げてきているが、他のチョウが少しずつ見られなくなってくるので、結局また観察してしまう。

ハギに産卵するキタキチョウ
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キタキチョウの卵
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若齢幼虫
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終齢のころの幼虫
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前蛹
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という具合に、2か所の萩の木で、ワンサイクルを一気に見ることができる。
すべて10月11日と15日の画像だ。

そして、羽化直前、蛹に成虫がついていることが時々ある。
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これについても以前にブログで取り上げた。

以前のブログ

オスが、羽化直前のメスの蛹に取りついて、羽化してきたメスにすぐに交尾しようとしていると考えられている。
実際そういうことが起きるのかどうかしばらく見ていても、そうすぐには羽化しそうもなく、翌日行ってみると、チョウは無事羽化していたが、オスの姿はなかった。

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時には、こんな悲劇も起こる。
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羽化不全(体が半分出たところでかたまってしまっている)のメスにしがみついているオスだ。
寒さのせいだったのか、まさかオスがしがみついて羽化の邪魔をしたということではないのだろうけれど。

この時期羽化したメスは、交尾を済ませたあとまた産卵するのか、それとも産卵せずに越冬態勢に入るのか。微妙な時期だ。
天気の良い日には、まだまだ元気に飛び回って吸蜜しているキタキチョウ
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寒い日には、葉にぶら下がっている。
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実は、キタキチョウが公園のどんなところで越冬しているのかも、まだ確かめられていない。
身近なチョウにも、わからないことはたくさんある。
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# by 2008oharu | 2016-10-27 20:56 | | Comments(0)

秋のツマグロヒョウモン

秋になると急にツマグロヒョウモンが目につくようになる。

10月14日 コスモスで吸蜜するツマグロヒョウモンのオス
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そして、オスがメスにアタックする様子もよく見られる。

9月29日 ぼろぼろのオスがメスにアタックしているが、交尾は成立しない。
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10月6日 キバナコスモスで吸蜜するメスにアタックしようとするオス
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10月16日 コセンダングサの中でも
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しかし、どの場合も交尾は成立しない。
メスはもっと以前に交尾を済ませているのだろう。

以前撮った交尾シーン
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これは9月16日だった。

蛹は9月15日に撮っている
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今見ているツマグロヒョウモンは、だいたい9月中旬ごろ羽化した個体なのだろうか。

さて、メスの産卵行動もよく目にする

10月4日 産卵行動をとるメス
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けれど、卵はなかなか見つけられない。

時には、こんな場所で産卵行動をとるメスもいる。
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傍には食草のタチツボスミレもたくさん生えているのに、わざわざこんな場所を選ぶのが不思議だ。

卵は結局自分では見つけられなかったが、みき♂さんが見つけたものを見せてもらった。
やはりスミレの葉ではにものに産み付けられている。

10月2日 ツマグロヒョウモンの卵(うまく撮れていないが)
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孵化した幼虫が自分で食草を探すのだろうか。(ミドリヒョウモンのように樹の幹に産み付けるものもいる。)

これで、ツマグロヒョウモンは成虫・卵・幼虫・蛹の全ステージを見ることができた。
しかし、越冬はどの状態でするのだろうか。夏の間ツマグロヒョウモンをあまり目にしないのは、なぜだろうか。夏眠したりするのだろうか。年何化なのだろう。まだいろいろ疑問がある。

おまけ

初夏のツマグロヒョウモン(イボタノキの花を訪れたオス)
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天気の悪い日のツマグロヒョウモン
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# by 2008oharu | 2016-10-20 21:09 | | Comments(0)
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近所の公園で見かけた昆虫についての雑記帳


by 2008oharu
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