今年のヤママユガ

オオミズアオ以外のヤママユガは地元の公園では見られない。

でも、以前クスサンが住宅地の道路に落ちていたり、スカシダワラ(クスサンの繭)がマンションの植栽についていたり、数年前にウスタビガの繭を森で見たという人がいたりするので、環境さえよければ、里でも繁殖できるのかもしれない。

私はここ何年か、東京の山地や丘陵地でヤママユガを探してきた。そこではヤママユ・クスサン・ヒメヤママユが見られる。しかし、今年はヘムレンさんやみき♂さんと山梨や長野に遠征する機会が何度かあって、いつもの場所ではないところで初めて見ることができた。

山梨県のヒメヤママユ 10月21日
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チョウもあまり飛んでいないような天気だったが、ペンションのブラックライトの傍でなんとか見つけられた。

帰り道、東京の奥多摩方面のトイレの壁でもヒメヤママユが2頭見つかった。
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壁から離して、後ろ翅が見えるように置いたところ。
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この発見に満足して、今年はいつもの場所には探しに行かなかった。
ネットなどをチェックすると、ヒメヤママユは11月までけっこう見られていたようだ。

この日、さらにおどろいたことに、ウスタビガも見つかった。
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建物の壁の高いところに止まっている。
これを下して(みき♂さんの)手に乗せたあと、近くの茂みに置いた。
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ウスタビガは、家から自転車で行ける距離の平地の公園でも不思議なことに見られる。
成虫は、2012年、2013年、2015年のそれぞれ11月中旬に見られた。
今年はどうなるか確かめたくて、2回ほど行ってみたが、その時は見つけられず、みき♂さんやyamapさんから見つけたという連絡をもらって、やっと2例、見ることができた。

11月6日。メス。右下に卵が3つほど。
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11月16日のメス。
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もしかしたら、その後も発生したかもしれないが、今年はもう成虫を見に行くチャンスはたぶんないだろう。

近場では、この公園だけになぜウスタビガが見られるのか。見つけた当時は空繭だけでも何十個と見つかったのに、最近はそれもなかなか見つからない。もしかしたら、植木などについて運ばれ、うまく繁殖できたのが、だんだんじり貧状態になってきているのかもしれない。などと想像したりしている。

さて、ヤママユは見る時期を逸した。2度ほどダメもとで探しに行ってみたが、見つかったのは亡骸や千切れた翅のみ。

千切れた翅のコレクション
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また、クスサンもやはり遠征時に立ち寄ったコンビニに亡骸が落ちているのを発見したのみ。
クスサンの亡骸
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その他、未見のエゾヨツメとかシンジュサンには今年も縁がなかった。
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# by 2008oharu | 2016-11-24 13:56 | | Comments(0)

今年のスズメガ

今年の地元でのスズメガの出現は低調だった。
まず、ウンモンスズメに1頭も出会わなかった。(一度に15頭ものウンモンスズメに出会った年もあったのに。)

モモスズメ
5月31日
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モモスズメは観察を始めて以来毎年必ず見てきたスズメガだ。食樹がバラ科で、たぶん桜の多い公園ならではのことだろう。

こちらは黄色型の幼虫
10月2日
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しかし、個体数はとても少なかった。

シモフリスズメ

9月1日
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シモフリスズメも地元では多い方のスズメガだった。食樹がネズミモチ・トウネズミモチなどで、公園内にはいっぱい生えているからだろう。しかし、今年は幼虫も成虫も見ていない。写真は他所のものだ。

サザナミスズメ

幼虫 7月30日
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シモフリスズメと同じ食樹で、多い年には一日に数個体羽化しているのが見られるが、今年はこれも1回しか見ていない。

羽化中のサザナミスズメ 8月7日
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セスジスズメ
幼虫 7月31日
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セスジスズメの食草はヤブカラシ。公園内のヤブカラシは抜かれてしまうことが多いせいか、幼虫は住宅街で見ることが多い。写真のように蛹化場所を探して道路を横断したりしている。道路が舗装されているため、潜り込んで蛹になるための場所がなかなか見つからないのだろう。車に轢かれてしまうことも多い。

成虫 8月14日 公園内のトイレの窓ガラスに
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この蛾も少なかった。

クチバスズメ
6月4日 住宅街の道路にて
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これも車などに轢かれそうだったので、拾って住宅のフェンスに移した。
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トビイロスズメ
幼虫 10月2日 フジの葉に
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トビイロスズメの食草はマメ科で、以前はクズの葉などでよく見かけたが、フジにいるのを見たのは初めて。この成虫は、遠征先(掲載済み)で見ているが、地元では見ていない。

エビガラスズメ
9月30日 八王子市にて
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幼虫は、地元の生産緑地のサツマイモの葉などによくついている。しかし、成虫はあまり目にしない。

幼虫 10月11日
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オオスカシバとホシホウジャク
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昼間活動して花に吸蜜に来るこの2種は、毎年必ず見られるスズメガで、今年も何度も目にした。

その他遠征先ではコスズメも見ている。(既掲載)
以前見られたキイロスズメも今年は見ていない。そして、クロメンガタスズメも2013年に幼虫を見て以来ここ何年か見られない。
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# by 2008oharu | 2016-11-23 16:24 | Comments(0)

今年の蛾から 受難の多いオオミズアオ

そろそろフユシャクの季節になる。その前に、今年撮った蛾で今まで記事にしなかったものをいくつかピックアップしておきたい。

先ず、オオミズアオ。井の頭公園で見られる最大のヤママユガ。

今年最初に生きている個体を見たのは5月16日。(4月に亡骸は見ているが)
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金網のフェンスで羽化しているところだ。
あとでお仲間を案内して来てみると、こんなことに。

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公園の擬木柵などで羽化した個体は、あっという間に鳥に捕食されてしまうことが多く、翅だけが落ちているのをよく見かける。この日はその現場を見てしまった。たいていはカラスに捕食されているが、ムクドリも食べるようだ。

その1週間後ぐらいに今度は茂みの中で羽化している個体を見つけた。

5月24日
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たまたまゼフィルスを見ていたので気が付いたのだが、さすがに擬木柵の時のようには目立たない。
その日は別の茂みのなかで、もう1頭見つけた。こちらはメスだ。

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羽化の時は、天敵に見つかっても逃げられないので、とても危険。昼間の羽化は特に目立ってしまうが、こうした茂みの中なら、無事に羽化する可能性が高いのかもしれない。

オオミズアオは鳥にとっては、大きくて食べでがあるご馳走なのだろう。幼虫もしかり。

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こちらは、水の中に落ちてしまったオオミズアオの幼虫を、こんなご馳走をあきらめることができないとヤマガラが一生懸命引き上げて持ち去って行った場面だ。

どうもオオミズアオは受難場面に遭遇することが多い蛾である。
食べられても食べられても、さらにたくさんのオオミズアオが繁殖していければ、捕食者たちの命も支えられ、豊かな自然環境になるはずだ。
オオミズアオがいつもたくさん見られる公園でありますように。
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# by 2008oharu | 2016-11-22 00:01 | | Comments(0)

ミノウスバ

ミノウスバのカレンダーはかなり正確だ。
私がミノウスバを最初に見つけたのは2008年、それから現在までだいたい10月29日から11月11日の間に発生を見ている。

今年も公園の一角でミノウスバが飛んでいるのを見つけた日、ここ数年発生を確認していた別の一角のマサキをチェックすると、ここにもやはりミノウスバがいた。しかも交尾している。

11月5日 井の頭公園
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翌日また同じところへ行ってみると、メスは同じ場所で産卵していた。

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同じ枝の葉の上にはオスもいる。前日交尾していたオスだろう。

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さらに4日後の10日にも見に行く。
メスは産卵場所にそのまま残っている。

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オスも近くにいて、こんなポーズをとっている。

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これは威嚇のポーズなのだそうだ。

ミノウスバは年一化で、晩秋に羽化すると、何も食べずに交尾産卵して一生を終える。
メスは卵に自分の体の毛を擦り付けるので、産卵後のメスには腹の毛がなくなっている。そして、その場で息絶える。

オスの方はどうなのだろうか。一回交尾した後、もう一度交尾する可能性があるのか、ただ命が尽きるまで生きながらえるだけなのか。

卵は春に孵化する。孵化後しばらくは幼虫がうじゃうじゃかたまっているのが見られるが、その後ばらけて、最後には普通食樹(マユミやマサキ)を離れ、ぞろぞろと移動する。
擬木柵などに列をなして移動しているのがよく見られるが、いったいどういう場所をめざしているのだろうか。
同じ場所で蛹化するのか、まだまだ分からないことが多い。(といっても特に調べようとはしていないのだが。)

4月9日のうじゃうじゃ幼虫
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一度、マユミの葉を綴って蛹化しているようにみえる幼虫を見たことがある。

5月6日のミノウスバ
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蛹化の仕方には二通りあるのだろうか。

いずれにしても、このあと6か月は蛹として眠りつづける。羽化した後は何も食べないのだから、時間との勝負で相手を探さなければならない。探すのはオスの役目なのか、まずはせわしく飛んでいる姿が目について、私たちにもミノウスバの季節が来たことを知らせてくれる。
カレンダーがとても大切な所以なのだろう。
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# by 2008oharu | 2016-11-15 10:59 | | Comments(0)

クロマダラソテツシジミ

クロマダラソテツシジミは、沖縄で見た。

2015年6月13日 沖縄本島にて
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沖縄では、ごく普通に見られる南国のシジミチョウである。

これに先立ち、たまに関東地方の海沿いで見られることがあるのは、ネットで知っていた。
名前の通り、食草はソテツなので、海沿いのソテツで発生する場合があるらしい。
今年久しぶりに東京都で見られるというので、またヘムレンさん、みき♂さんとで見に行った。

この日は、よりによって12月の気温の日で、まずチョウが飛ぶような状況ではなかったが、未見の幼虫が見られればいいくらいに思っていた。(しかし、寒かった。)

着いてみると、案の定、チョウはまったく飛んでいない。そこで食痕のあるソテツの葉を見て回ったが、幼虫らしきものは皆目見つからなかった。

しかし、ついにみき♂さんが成虫を発見。ソテツの下草の上で寒々しそうにじっとしている。

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これで、ここが発生場所であることは確認できた。

これ以上何も見つからず、ほぼ諦めかけて場所を替え、休憩することに。
その場所にもソテツが生えているので、何気なく柔らかそうな葉をめくってみると、なんと幼虫がいるではないか!

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アリがついている幼虫
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こんなソテツの硬い葉をどのように食べるのだろうと疑問に思っていたが、やはり幼虫が食べるのは若いやわらかい葉だったようだ。

それからさらに、別の株で成虫も次々に見つかった。
ソテツの下草にじっと止まる成虫たち。
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よく見ると口吻を伸ばしている。
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翅の隙間から表翅の青い色が覗く。
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また、ソテツの幹の葉の根元付近にもたくさん見つかった。
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蛹は葉の根元付近の中に入っていて、そこから羽化するそうなので、これらは羽化直後の個体なのかもしれない。
みき♂さんが個体数を調べたところ、15個体いたそうだ。

結局、これだけの数の成虫が見られ、幼虫も発見できたし、寒い時の様子もよくわかったので、見に行ってよかった。

クロマダラソテツシジミは、関東地方では越冬できず、冬の間に絶えてしまうそうだが、それでもときどき現れる。(飛んでくるのではなく、船に乗ってくるのではないかと聞いた。)
こういうことを繰り返すうち、温暖化で生き残れるようになるか、あるいはチョウの方が耐寒性を獲得するかして、いつか完全に生息できるようになるかもしれない。
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# by 2008oharu | 2016-11-05 22:34 | | Comments(4)
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近所の公園で見かけた昆虫についての雑記帳


by 2008oharu
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