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公園昆虫記

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ハチ月はハチの月の続き 狩りバチ編

クモバチの仲間

オオシロフクモバチ
一番よく見かけるクモバチだ。コガネグモの仲間を狩って、幼虫の餌にする。麻酔をかけられて動かなくなったクモのそばでよく見かける。
巣まで運ぶ様子はなかなか観察できない。
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▲コゲチャオニグモを狩る
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▲ジョロウグモを狩る
オオモンクロクモバチ
コアシダカグモなどを狩って、巣に運ぶ様子が見られることが多い。今年はたまたま休憩中の場面しか出会えなかった。
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モンクモバチ
藪の中で獲物を探している様子だった。一度ジョロウグモの網にとびかかって、捕らえようとする場面を目にした。その時は失敗したようだった。
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ツチバチの仲間
アカスジツチバチ

ツチバチの仲間は花に来ているところはよく見かけるが、それ以外の場面に遭遇する機会は少ない。

ヤブガラシ食堂のお客たち ハチ編 : 公園昆虫記

昨年伐採された木の幹が置かれている場所で、多数のアカスジツチバチが飛び回っているのを初めて見た。
ほとんどがオスだったが、1頭のメスに2頭のオスがたかっている場面に遭遇したので、この場はオスがメスを探している場なのだとわかった。

夏のハチたち2023 その他いろいろ : 公園昆虫記

今年も同じ場所でアカスジツチバチが多数飛び回っていたので、何日か観察し続けると、しばらくしてメスの行動を見ることができた。
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メスたちは、朽ち木のくぼみなどを覗きまわっている。クワガタの幼虫に寄生するらしいので、ホストを探しているのかもしれない。

ミカドジガバチ
アカスジツチバチを観察していた時、別のハチが来た。朽ち木ではなく、地面に来ている。
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▲よく見ると、どろを採取しているようだ。

ミカドジガバチは、シャチホコガの幼虫を狩り、筒状の穴に入れて幼虫の餌にする。泥は穴をふさぐ材料だろうか。
どこへ持っていくのか追いかけたかったが見失った。

ジガバチつながりで、サトジガバチ
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▲ここまで腹が細いのには驚かせられる

直翅類を狩るクロアナバチの細腰もなかなかだ。
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一番よく見るドロバチの仲間、スズバチの腰も腹が複雑。
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▲巣材を集めているスズバチ
同じドロバチの仲間、ミカドトックリバチの腹の形もスズバチに似ている。
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細腰亜目のハチたちは、獲物を狩るときに腹をうまく曲げて毒針がさせるように細腰になったと言われている。
翅(はね)を動かすため高温となる胸部から、腹部を離すことで卵巣や精巣を高温から守るためだという説もある。
獲物の狩り方によっても、構造が変わってくるのかもしれない。

とにかくハチとの出会いは一期一会なので、なかなか一つ一つのハチの生態の全貌は知ることができないが、出会うとそれだけ新たな発見があって面白い。


# by 2008oharu | 2024-12-09 20:37 | | Comments(0)

ハチ月はハチの月の続き スズメバチ編

スズメバチ編

夏から秋、樹液酒場は、スズメバチで賑わう。
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▲オオスズメバチのワーカーたち
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▲オオスズメバチとコガタスズメバチ

今年注目すべきことは、昨年地元で初めて確認したチャイロスズメバチが、いっそう多く見られたことだ。
さすがにオオスズメバチにはかなわないようで、追い払われることもあったが、
1本の木に数頭、それぞれの樹液ポイントに数頭群がっていたこともある。すっかり定着してしまったようだ。
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▲チャイロスズメバチたち

チャイロスズメバチの女王は、キイロスズメバチやモンスズメバチの巣を乗っ取るとあるが、樹液酒場ではそれらのスズメバチはあまり目にしなかったので、乗っ取られたのかなと思ったりした。

しかし、キイロスズメバチの大きな巣は見られた。
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また、樹液でないところでは、キイロスズメバチのワーカーも目についた。
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クロスズメバチは、樹液酒場だけでなく、ちょっとした草地などのいたるところで目にした。

一方、アシナガバチにはめったに遭遇しなかった。特に大きなセグロアシナガバチを見ていない。
何かの理由で減ってきているのだろうか。今後の動向が気になる。
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▲キボシアシナガバチ
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▲コガタアシナガバチ
他の狩りバチたちにつづく

# by 2008oharu | 2024-12-08 09:47 | Comments(0)

ハチ月はハチの月の続き

「ハチ月はハチの月」その1を掲載したあと、その2を書くつもりがなんと年末になってしまった。
結局ハチの月の思い出ということで。

まず、毎年追っかけるハチ
ルリモンハナバチ
このハチの存在を知ってから、毎年「今年も見られるか」と確認し続けて来たハチだ。
気が付くと「幸せの青いハチ」などと呼ばれて、いつの間にか周りにも追いかける人が増えた。
最近はアキノタムラソウに吸蜜に来るところを見ることが多かったが、今年はそこでは見つけられず、結局キツネノマゴで1回見た切り。
それ以上の情報は相変わらず得られない。
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ハラアカヤドキハキリバチ
ルリモンハナバチと同時に知ったハチで、ルリモンハナバチと同時期に見られる。
今年はやはりキツネノマゴでかなり長い間見られた。
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スジボソコシブトハナバチ
このハチは、ルリモンハナバチに労働寄生されるハチだそうで、やはりルリモンハナバチと同時期に見られる。
愛嬌があるハチなので、出会えば撮りたくなる。今年はアキノタムラソウでルリモンハナバチを待っていたときに見た。
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▲こういう姿勢で休むところもご愛敬

ハラアカマルセイボウ
時期は違うが、このセイボウの仲間も毎年確認したくなるハチだ。
たいていヒメジョオンが咲くころ現れる。また、ツチスガリに寄生するので、ツチスガリが見られる場所もねらい目だ。
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つづく


# by 2008oharu | 2024-12-07 09:21 | | Comments(0)

11月の蛾から 2024

11月は、晩秋にしか見られない蛾、晩秋にに羽化して成虫越冬する蛾、年2化で、2日目の出現など、秋を感じさせる蛾が多く見られる。

アケビコノハ
年2化、成虫越冬の蛾。幼虫はよく目にするが、今年は久しぶりに成虫が見られた。
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ウスタビガ
年1化、晩秋に羽化するヤママユガ。毎年これを見たあと冬を迎える。今年はメスしか見ていない。
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ミノウスバ
これも年1化、晩秋に羽化する。オスが飛び始めてしばらくすると、メスの産卵が見られる。
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イカリモンガ
年2化、成虫越冬。地元では偶発的。久しぶりに目にした。
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ヒメノコメエダシャク
年1化、卵越冬。同日に2か所で目にした。
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トビスジヒメナミシャク
年2化。今まで見たことがなかった。
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チャエダシャク
年1化、卵越冬。春に茶色い幼虫がたくさん出てくる。
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ニトベエダシャク
年1化、卵越冬。春に白っぽい幼虫がたくさん見られる。成虫も出始めると1日に数頭目にすることもある。
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ウスキツバメエダシャク
年2化
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ヨスジノコメキリガ
秋に出現して成虫越冬する蛾
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マエテンアツバ
年2化
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ヒメクロホウジャク
ホウジャクの仲間は、晩秋に元気に飛び回り、アベリアなどの蜜を吸っていた。その中でちょっと小型のホウジャク、ヒメクロホウジャクが一際せわしく飛んでいたのが印象的。年多化で越冬態は不明とある。
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クロモンシタバ
玄関先にいた未見の蛾。見たことがない蛾に遭遇した場合、たいてい南方系北上種、偶発種、外来種であることが多い。
これもそうらしい。見ごたえのある蛾だった。
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11月30日には、クロスジフユエダシャクを今季初見。季節はいよいよフユシャク期

# by 2008oharu | 2024-12-03 11:16 | Comments(0)

10月の蛾から 2024

まず、初見の大物蛾から

シンジュキノカワガ
いつものチェックコースで今まで見たことがなかった大きな蛾が目に入った。
ちょっとテンションがあがって写真を撮るが、なかなか目にしたように撮れない。
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▲フラッシュなしで撮ると、逆光なので黒っぽくなり過ぎる。
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▲フラッシュを使うと、黒い部分が不自然になる。
ネットで調べると、シンジュキノカワガと一発でわかった。
中国産の外来種だが、自力で飛んでくることがあるらしい。食草のシンジュはニワウルシという中国産の帰化植物だ。
普通は日本の寒さに弱くて繁殖は難しいと書かれていたが、温暖化のご時世なので、可能性はあるだろう。
下翅が黄色いらしいので、ちょっとつっついてみたが、ゆっくりは見せてくれなかった。
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▲腹のオレンジが見えた。
観察仲間に知らせに行って戻ると、いなくなっていた。つっついたせいかもしれない。

チャイロカドモンヨトウ
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これも地味だが初めて見る蛾だ。ネットで調べてもあまり情報がないが、越夏休眠して、秋に出現するらしい。

ギンモンシロウワバ
よく見るキンウワバの仲間だと思い、壁のとても高いところにいたので、手を伸ばして適当に撮ったが、家に帰って見たら、見たことがない蛾だった。
もっと丁寧に撮ればよかった。
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9月後半から、キンウワバ亜科の蛾が次々と出現する。この際、もう一度確認しておく。

エゾギクキンウワバ
翅に白い直線が斜めに入っていることでわかる。

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ミツモンキンウワバ
イチジクキンウワバと酷似していて、毎年迷う。
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ウリキンウワバ
翅に線が入っていないので、識別はしやすい。鱗粉がはがれていないと、金色がきれいだ。
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イラクサキンウワバ
白い斑紋がつながっている。
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ヒメツマキリヨトウ
ツマキリヨトウの仲間は、シダ類が食草なので、川岸のシダが生えているあたりでよく見る。
これもいくつかの種があり、模様の入り方の微妙な違いで識別するので、いつも混乱してしまう。
今までマダラツマキリヨトウとキスジツマキリヨトウを見てきたつもりだったが、そのどちらとも違って、ヒメツマキリヨトウのようだ。
過去の画像をチェックすると、1例ヒメツマキリヨトウらしきものが混ざっていた。
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キスジツマキリヨトウ
ずいぶん濃い色なので、迷ったが、白い点があることが決め手で、やはりキスジツマキリヨトウのようだ。
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マダラツマキリヨトウ
一番派手な感じのツマキリヨトウだが、高い位置にいてうまく撮れない。
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ハスモンヨトウ
この時期非常に多いので取り上げておく。とても複雑な模様だ。
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コキマエキリガ
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その他、シャクガ科、ツトガ科、トリバガ科なども見られたが、茶色いヤガ科の蛾が圧倒的に多かった。

# by 2008oharu | 2024-11-02 17:58 | | Comments(0)