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公園昆虫記

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成虫越冬蝶たちの春2023

3月になると、成虫越冬蝶たちが次々と姿を現す。
今年びっくりしたのは、ヒオドシチョウだ。
赤っぽいチョウがどこからともなく飛んできた。キタテハにしては赤すぎる。
止まったのを確認すると、ヒオドシチョウのようだ。
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▲止まった状態は一瞬ルリタテハと見間違えそうだが、
表翅が赤かったのでヒオドシチョウとわかる。
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▲しばらく待つと表翅を見せてくれた。

ヒオドシチョウは、昨年5月、幼虫~蛹を確認したが、その蛹はみな消滅してしまった。
別の場所でも繁殖し、無事越冬していたのだろうか。うれしい驚きだった。

テングチョウ
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▲テングチョウは冬の間も暖かい陽が差すような日には姿を現す。
キタテハ
キタテハも、真冬でも暖かい陽には姿を現すことがあるが、3月ともなれば、頻繁に飛び回る姿を目にする。
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▲この低灌木の中から飛び出したキタテハ
地元の公園には、キタテハが越冬するような丈の高い草地がみな刈り取られてしまってないので、こうした低灌木の中で越冬しているのではないかと思っている。
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▲地面に降りたキタテハ
ルリタテハも飛んでいたが、写真には撮れなかった。

キタキチョウ
キタキチョウも冬でも飛ぶ。私は1月に梅の花に来ているのを見たことがある。
しかし、そうした個体は、また越冬態勢に入ってしまうようだ。
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▲3月半ば、複数個体のキタキチョウが元気に飛び回り、吸蜜し始める。

モンキチョウ
キタキチョウが複数個体飛び回っていた日、モンキチョウも混ざっていた。
昔は、モンキチョウの越冬態が不明と言われていたが、やはり成虫越冬なのだろうか。
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▲この日やはり複数個体が飛んでいた。どこで越冬していたのだろうか。

ヒメアカタテハ
ヒメアカタテハも越冬態がよくわからなかったが、この時期目にしたので、やはり成虫越冬なのだろうか。
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▲ピントが外れてしまったが、ユキヤナギに来たヒメアカタテハ

越冬場所がわかっていたウラギンシジミやムラサキシジミの場合

ウラギンシジミ
ウラギンシジミの越冬場所は何か所か押さえてあったが、多くは途中でいなくなってしまった。その中で私の通り道にいる1頭は、3月まで無事だった。
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▲スダジイで越冬するウラギンシジミの2月半ばの状態

3月になると、樹木の上の方を飛ぶ白い小さなチョウを目にする機会がたびたびある。
たぶん、ウラギンシジミだろうと思った。
そのころ、スダジイのウラギンシジミを見ると、まだいたが、よく見ると動いた形跡があった。
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▲3月5日のウラギンシジミ。葉の内側に止まっている。
一旦飛び出してまた戻った可能性がある。
その次に見たときは、いなくなっていた。
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▲他所で見かけたウラギンシジミのオス 3月11日

ムラサキシジミの場合
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▲この冬把握していたムラサキシジミの越冬場所
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▲2月中旬の暖かい日に少し動いたが、また元の位置に戻った。
しかし、強風が吹いた日のあと、枯葉が落ちて見失う。

その後、3月に入って、同じ場所で何度かムラサキシジミが飛び回るのを目にした。
同じ個体かどうかはわからないが、無事に越冬を終えた個体がいたことは確かだ。
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▲飛び回るムラサキシジミ
ムラサキツバメは冬の間に見失う。
アカタテハやクロコノマチョウはどこかにいるだろうか。

今はすでに蛹越冬蝶も羽化し始めているし、幼虫たちも動き始めそうだ。
いよいよチョウたちの春が来たようだ。








# by 2008oharu | 2023-03-15 10:30 | | Comments(2)

2月の蛾から2023 フユシャク他

2月もウスバフユシャクやクロテンフユシャクはずっと見られたし、今日(3月1日)もまだ見られた。
しかし、2月に最盛期を迎えたフユシャクはヒロバフユエダシャクだ。

メスは1月下旬にすでに出始め、2月下旬まで見られた。早朝なら交尾中の様子も見られたようだが、
私は昼に観察しているので、交尾後のペアがほとんど。過去に一度だけ昼間も交尾中だったことはあった。
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▲ヒロバフユエダシャクのぺア たぶん交尾後
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▲交尾後かなり離れたペア
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▲2月上旬から下旬まで見られたオスたち
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▲単独のメス

ヒロバフユエダシャクは、今年は多かったと言えるが、シロフフユエダシャクはとても少なかった。
私はオスを2個体見ただけで、メスは一度も目にしなかった。
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▲上翅が一枚ないシロフフユエダシャクのオス 2月上旬
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▲シロフフユエダシャクのオス

そして、例年1度はメスを見るシモフリトゲエダシャク、これも今年は見られないと思っていた。
2月中頃、他の用件で急いで通りかかった壁に1頭の蛾がいて、慌てて撮ったためブレブレだったが、家に帰ってよく見ると、もしかしてシモフリトゲエダシャクのオスだった可能性があることに気づいた。
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▲シモフリトゲエダシャクだったかも。
という具合で、地元のフユシャクのシーズンは終わりそうである。

マエアカスカシノメイガ
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▲1月のマエアカスカシノメイガ
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▲2月のマエアカスカシノメイガ

ウスベニスジナミシャク
フユシャクかと思ったら、早春の蛾も出始めた。
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▲色違いのウスベニスジナミシャク 2月下旬

そして、オカモトトゲエダシャクも出現
2月21日にすでに出現したらしいが、私はそれを見逃し、自分で見つけたのは、2月27日だった。
壁の高いところにいたので、望遠レンズで撮った。
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あと、1月にツマジロカラスヨトウではないかと思う蛾を見た。
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▲ツマジロカラスヨトウかな。

他の越冬キリガなどは全然目にしなかった。



# by 2008oharu | 2023-03-01 22:49 | | Comments(0)

1月の蛾から2023 フユシャク編②

フユシャク亜科のInurois属はAlsphila属よりやや小さくて、色は茶色っぽい

私は地元の公園で、3種を確認してきた。(他所ではもう1種)今年は2種しか見られていない。

ウスバフユシャク

12月から出現するもっとも個体数が多く見られるフユシャクで、出現期も長い(12月末から2月末)。

もちろん、クロスジフユエダシャクのように日中にオスが飛び回ってメスを探すような行動は見ていないので、昼行性とはいえないが、昼間でも交尾状態が見られる。

メスが動きまわったり、コーリングらしき行動。昼間も活動するのではないかと思っている。

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▲ウスバフユシャクのオス。上翅の線の入り方でクロテンフユシャクなどと識別する。
黒い点が大きいものや薄いものなど、個体差はある。
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▲翅を開き気味にしてとまるオス
メスは単独でいると、私には他のInurois属と区別できない。
交尾は初めオスがメスに覆いかぶさっていて、脚だけが見える。時間が経つにつれて、メスはオスの翅の下から姿を現し、最後に離れてしばらくオスのそばにいる。
なので、オスのそばにいる状態であれば、オスの種と同種のメスの可能性が高い。
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▲ウスバフユシャクの交尾の経過(左上→右上→左下→右下)

クロテンフユシャク
ウスバフユシャクに少し遅れて1月上旬ごろから出現し、これも2月末ぐらいまで見られる。
両者は同じ時期に活動し、オスは、ウスバフユシャクととてもよく似ているので、翅の線の様子を見ないと区別できない。
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▲翅を横切る線が折れ曲がっているのが特徴。
私の観察では、ウスバよりやや色が薄いように思える。
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▲翅をやや開いて止まるクロテンフユシャクのオス
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▲翅を閉じ合わせているのは羽化したてではないだろうか。
昼の12時ごろなので、昼間も羽化するのかもしれない。

クロテンフユシャクの交尾の経過もウスバフユシャクと同じだ。
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▲メスがオスの翅のしたに体を隠している状態。
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▲メスの体がオスの翅の下から出てくる。

このあと、メスは産卵するわけだが、メスが単独でいるとどの種が産卵しているのかもわからない。
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▲左手のメスが産卵した卵塊
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▲拡大した卵塊。これも毛束で覆われている。
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▲長い卵塊。こういう長い卵塊をつくるのが、Inurois属の特徴だと思う。
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▲過去に見た長い卵塊を作るフユシャクの様子。
しかし、Inurois属かどうか、ちょっと確信がない。
もしかしたら、Alsphila属の何かかもしれない。

ウスモンフユシャクは、見た人がいるらしいが、私は見損なった。一番個体数が少ない種だ。
3月ごろにはホソウスバフユシャクというのが出現するが、私は地元ではみたことがない。
今年はどうだろうか。

1月に見られるフユシャクでは、ナミシャク亜科のナミスジフユナミシャクがある。
だいたい1月上旬から出始めて、下旬にはいなくなる。集中型だ。
(12月に集中的に出るのがクロオビフユナミシャク、12月~1月とわりと長く出続けるのはイチモジフユナミシャクだ。)
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▲ナミスジフユナミシャクのオス
最盛期には1日に数頭見られる。
交尾などは夜に行われるのか、昼間はみたことがない。
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▲ナミスジフユナミシャクのメス。翅がやや長い。
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▲卵はたぶん幹の隙間などに産み付けるタイプだろう。
擬木柵に産み付けてしまった例(過去写真)

1月には、その他イチモジフユナミシャク・チャバネフユエダシャクも12月に引き続き見られた。
またシロフフユエダシャク・ヒロバフユエダシャクも1月から出始めているが、これは2月にまとめたい。
シモフリトゲエダシャクが見られるといいのだが。









# by 2008oharu | 2023-02-13 17:46 | | Comments(0)

1月の蛾から2023 フユシャク編

1月は、地元ではユシャク亜科(Alsophilinae)に属するフユシャクが出そろう月だ。
フユシャク亜科は、さらにAlsophila属とInurois属に分かれる。
私が地元で見たことがあるAlsophila属は、シロオビフユシャクとクロバネフユシャクだ。
この2種はとてもよく似ていて、識別に迷うことが多い。二種ともグレーが基調で、シロオビフユシャクの方が白っぽく、クロバネフユシャクの方が黒っぽいなど、微妙に違いがあるが、個体差もあったりして、迷うのだ。

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▲今年見たシロオビフユシャクのオス
1月1日から20日ごろまで観察
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▲今年見たクロバネフユシャクのオス
今年は1月22日に一度みただけ。例年シロオビフユシャクよりは少ない。

フユシャク亜科のオスは、左右の上翅を重ねてとまることが多いので、細長い二等辺三角形に見える。

メスはさらに見分けが難しい。フユシャク亜科のメスは、翅が完全に退化しているように見えるが、腹の先に毛の束があるのが特徴だ。この毛の束が、白っぽいのがシロオビフユシャク、黒っぽいのがクロバネフユシャクだと聞いている。
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▲たぶんシロオビフユシャクのメス
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▲クロバネフユシャクのオスと一緒にいるので、たぶんクロバネフユシャクのメス(過去写真)

メスは、この毛束を産み付けた卵塊の上に擦り付けるようにして卵をカバーする。これもフユシャク亜科の特徴だ。
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▲卵塊に毛を被せるメス。(過去写真)
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▲今年見つけた卵塊
上が黒っぽいのでクロバネ、下が白っぽいのでシロオビかなと推測している。
昨春孵化したあとの殻も見つかった。
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▲無数の穴が開いている孵化後の卵塊あと


フユシャクは夜行性のものが多いが、これらの産卵行動を見たのは昼間だったし、昼間に交尾しているのも見かける。
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▲昼間に交尾しているシロオビフユシャクのペア(過去写真)
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▲昼間に交尾しているクロバネフユシャクのペア(過去写真)

私は、夜にフユシャクを観察したことがないので、昼間の状態が特殊なケースなのかどうかは判断できないが、フユシャク亜科のフユシャクは、昼間も飛んだり動き回ったりしているようだ。

つづく







# by 2008oharu | 2023-02-10 13:02 | | Comments(0)

カメムシ2022から

昨年も50種ぐらいのカメムシを観察した。その中で特記しておきたいものをいくつかピックアップ

スコットヒョウタンカメムシ初見
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▲地元では初確認のスコットヒョウタンカメムシ(6月)

マツノヒゲボソカエウミカメ判明
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▲種名が判明したマツノヒゲボソカスミカメ(6月)


ミカンに産卵したエサキモンキツノカメムシ
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▲ミカンの葉に産卵したエサキモンキツノカメムシ
孵化した幼虫がミカンから吸汁しているのは確認できず。


同じケヤキの幹にセアカツノカメムシとフトハサミツノカメムシがたくさん
幼虫が葉で吸汁していたのかもしれないが高すぎて確かめられなかった。
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▲ケヤキのセアカツノカメムシ
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▲ケヤキのフトハサミツノカメムシ

久しぶりのアカスジカメムシ
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こんなに複雑な模様だったケブカカスミカメ
越冬中なのか、今年に入ってからも見られた。
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▲前にも見ていたのに、改めて複雑な模様にびっくり

ウスモンミドリカスミカメ
擬木柵などにたくさん見られる幼虫。脱皮もしていた。
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▲冬でも元気に動き回っている幼虫




# by 2008oharu | 2023-01-28 16:04 | カメムシ | Comments(0)