今年地元の池では、不均翅亜目(トンボ科・ヤンマ科・サナエトンボ科)の生息状況にも変化があった。
顕著な例をピックアップする。
チョウトンボ
チョウトンボはかいぼり後順調に増えてきたトンボで、かいぼり効果のシンボル的存在だったが、今年は減少傾向にあった。
ミヤマアカネ ミヤマアカネは、8月中旬河川部に隣接する草地で発見。同じ場所に10日間ぐらいとどまっていた。
ここで餌をとりながら成熟し、どこかで繁殖するのだと思うが、それはどこなのだろう。
▲同じ草地に居続けたミヤマアカネオナガサナエ オナガサナエは河川部で見られるトンボだが、たまに池にも現れる。今年は久しぶりに見た。
池のどこかで繁殖した個体なのか、河川部から飛んできたのか不明。
▲久しぶりに池まわりで見たオナガサナエ 今年の大型のトンボで一番顕著な変化は、ギンヤンマの減少だ。
ギンヤンマはかいぼり後うなぎ上りに増加してきたが、今年はがくっと減り、結局私は写真すら撮り損ねた。
昨年まで、池に浮かぶ切れ藻などの上に止まって、何組もが産卵している状態だったが、水草の減少のせいだろうか。
トンボの生息条件は、水中のヤゴ時代の環境も考えなければあらないので、なかなか推測し辛い。
もちろん、ギンヤンマばかりでなく、ヤブヤンマ・マルタンヤンマ・サラサヤンマ等のヤンマ科のトンボも池周りでは見られなかった。
ウチワヤンマ(サナエトンボ)
ギンヤンマが減る一方で、個体数を回復してきたのがウチワヤンマ。
ウチワヤンマは外来魚がいなくなった池で、一番最初に個体数をのばしてきたトンボだったが、その後暫時数をへらしてきた。
しかし、今年は少し回復してきている。
もしかしたら、競合するギンヤンマが減ったからか。
▲今年もいつものポイントに現れたウチワヤンマ捕まえたのはテントウムシか。▲あちこちに抜け殻もある。▲盛夏にはいつもの逆立ちポーズ▲あちこちに止まるウチワヤンマ コオニヤンマ(サナエトンボ)
コオニヤンマも川のトンボなので、池の状態にあまり左右されず、今年も顕著な変化はなかった。
▲川と池のつながる場所にいることが多い。 その他、シオカラトンボ・大シオカラトンボ・ショウジョウトンボ・コシアキトンボ等の昔からの常連はそれなりに生息していたし、かいぼり後に増えたコフキトンボも、健在。
▲帯型のメスを見るのが楽しみなコフキトンボ
アカネ類では、ネキトンボを見損なったが、昨年目にしなかったノシメトンボを見ることができた。▲久しぶりに見たノシメトンボ
環境が変わると、生物相もこんなに変わるのかと改めて感じた1年だった。来年はどうなるだろうか。