今年は、井の頭公園の草原に予想以上のトノサマバッタがいることがわかった。
初め見つけたときは幼虫だったトノサマバッタは次々に成虫になった。
次は交尾・産卵の時期だ。
成虫になったトノサマバッタは、土や砂の地面で交尾産卵すると言われている。
私が過去に観察した例でも、成虫のトノサマバッタは草原から道路などに出てきて交尾していた。
それで、草原の周りをチェックして回ったが、交尾・産卵行動をしている個体は見つからなかった。
ここの草原の周りは、トノサマバッタが交尾・産卵する場所のイメージには合わないように思う。
「もしかしたらウッドチップが敷かれた場所に飛んで行って産卵するかも。」とお仲間と話したりしていた。
そのお仲間が、しばらくたって、やはりウッドチップのところで産卵していると教えてくれた。
↓ウッドチップの地面で交尾するトノサマバッタ。2011年10月9日。井の頭公園。
↓同じく交尾。2011年10月10日。
やはり予想通り、トノサマバッタはこういう場所を交尾の場所に選ぶのだ。
予想が当たってうれしかった。
トノサマバッタは交尾後1週間ぐらいして産卵するらしい。
さらにウッドチップの場所を探すと、いかにも産卵しそうなメスが歩いている。
↓トノサマバッタのメス。2011年10月10日。同場所。
そのバッタを目で追っていると、ついに腹の先を地面に差し込んだ。
↓産卵していると思われるトノサマバッタ。同日同場所。
こうして、予想通り、草地で成長したトノサマバッタは、産卵に適した場所へ移動して交尾・産卵することが確かめられた。
メスは、産卵を終えると、後ろ脚で土を鳴らして穴をふさぎ、どこに産んだかわからないようにするらしい。
トノサマバッタが繁殖するには、幼虫が成長できる草むらと、成虫が交尾・産卵できる土の地面が必要なのだ。
しかし、このウッドチップの地面は、もうじき整地されて別の施設に作り替えられる予定だ。
果たして卵は無事に孵化できるだろうか。