ウスタビガはヤママユガ科の蛾で、成虫は晩秋に羽化し、卵を産んで死んでしまうため、あまり見る機会がない。
羽化し終わった空繭は、葉が落ちた木の枝からぶら下がっているので、割とよく発見される。
けれども、私は今まで見たことがなかった。
昔は井の頭公園近辺でも見られたそうだが、現在は狭山湖などの丘陵地まで行かないと見られないものと思っていたのだが、観察仲間のIさんが、近場の公園で見られたと教えてくれた。
それならばぜひ見たいと行ってみたのが以下。
ウスタビガの空繭。2012年2月12日。K公園
初めは、狭山湖ですでに観察した経験のあるAさんに教えてもらって見られたのだが、
慣れてきたら、自分でも見つけられた。
こちらは、比較的低いところにあった空繭をAさんが採取したもの。
この色の違いはなぜなのだろうか。
食べた葉の色などで決まるのか、日にさらされて色褪せたりするのか。
私より先に観察に来ていたAさんは、10個あまりの繭を発見している。
だいたい決まった範囲内の主に桜の枝についていたようだ。
ウスタビガのメスは、羽化した後、空繭に産卵することもあると聞いていたので、
「もしかして、卵がついているのがあったのでは。」と聞いてみたが、
その時は注意していなかったそうだ。
それが、写真をチェックしたら、1つの繭に卵らしきものがあるという。
それで、私ももう一度卵をチェックするために出かけてみた。
そして、見つけたのが以下。
↓空繭に産み付けられた卵。2012年2月13日。
繭についている茶色の丸いものが卵だろう。
(ちなみにこの木はエノキだった。)
卵がかえるのは春。木の葉が展開し始めているので、孵化の様子や幼虫は見られるかどうかわからないが、
もう一度来てみたい。
K公園にウスタビガがいるのなら、井の頭公園でも見つかる可能性がないとは言えないかもしれない。