今年は、あまりカメムシを観察しなかった。興味が他に向いていたこともあるが、全体的にカメムシの数がすくなかったせいでもあると思う。特に、アカスジキンカメムシは、いやでもあちこちで目につく年もあったが、今年は成虫を全く見なかったように思う。
それでも、晩秋から初冬には、他の虫を観察しているとカメムシがよく目につくようになる。たぶん、目につきにくい食草にいたカメムシたちが、越冬場所をもとめて動き出すからなのだろう。
●エサキモンキツノカメムシ
ある風の強かった日の翌日、エサキモンキツノカメムシの異令集団が木柵に集まっていた。
↓2013年10月17日。井の頭公園
羽化してすでに成虫になったものもいれば、終齢幼虫や中令幼虫もいる。たぶん、食樹にいたものが、風で落とされたのだろう。食草を離れてもこのようにかたまっている。幼虫たちはまた無事に食草へもどれるのだろうか。
↓2013年12月4日 井の頭公園
12月に入って、擬木柵などに少し色があせてきた成虫が目につくようになる。この成虫はしかし、そこで待ち構えていた蜘蛛につかまってしまったようだ。越冬場所を求めてうろうろする時期はこんな危険も多いのだろう。
↓2013年12月17日。井の頭公園
同じく擬木柵をうろつくエサキモンキツノカメムシ。この隙間に入って越冬しようとしているのだろうか。
以前落ち葉をめくってみたら、エサキモンキカメムシが見つかったことがあったし、樹皮の下で越冬していた個体も見たことがある。越冬しているときは集団ではなかった。
●キマダラカメムシ
↓2013年11月11日。小金井市
最近多く見られるようになった外来種のカメムシらしい。私は今年初見。まだMFでは見かけたことがない。
●マツヘリカメムシ
↓2013年11月22日。井の頭公園
これも外来種といわれるカメムシ。ここ2~3年、井の頭でもこの時期に見られるようになった。
●ミナミトゲヘリカメムシ
↓2013年12月11日。井の頭公園
これは、南方系といわれているカメムシで、私は井の頭で2008年に初めて見た。その後毎年見ている。今季は特に多いような気がするが、いつも見るのは今の時期なので、どこでどんな生活を送っているのかはまだわからない。
●アオモンツノカメムシ
↓2013年11月28日。井の頭公園。 交尾中
このカメムシは、いつもこの時期のヤツデの花についているのしか見ていないので、詳細は不明。
●オオクモヘリカメムシ
↓2013年12月5日。井の頭公園
ネムノキなどを好むカメムシ。玉川上水沿いでよく見かける。幼虫も確認している。
●クモヘリカメムシ
↓2013年12月23日。井の頭公園
オオクモヘリカメムシを細くしたような体形。ここ2~3年よく見るようになった。詳細は確かめていない。
●ウシカメムシ
↓2013年12月7日。井の頭公園
ウシカメムシはなんとなく好きなカメムシなのだが、なかなか生息場所を突き止められない。結果、いつもこの時期の成虫を見るばかりだ。
●ツヤアオカメムシ
↓2013年12月21日。井の頭公園
ツヤアオカメムシは、チャバネアオカメムシと違って、冬になっても色があせないので、食草から離れるととても目立つ。こんな状態で越冬するのだろうか。
●ヨコヅナサシガメ
↓2013年12月17日。井の頭公園
ご存知、終齢幼虫の段階で樹皮の隙間で集団越冬。
●クヌギカメムシの仲間
↓2013年12月8日。井の頭公園
お腹がぱんぱんに膨らんだ♀。この隙間で産卵するのかと期待したが、次の日にはいなくなっていた。卵は2月ごろ孵化する。
その他、チャバネアオカメムシもいたが、割愛。