冬の間は、動き回る昆虫が少なく、観察できるのは地味な蛾などばかりだったが、チョウが飛び始めると、その華やかさ、軽やかさに春の訪れを感じてうれしくなる。
3月4日~5日のこと。河原でモンキチョウが飛び回っていた。
ときどき止まって吸蜜するのはオオイヌノフグリの花。
しかし、モンキチョウは生態がつかみにくいチョウだ。
まだモンシロチョウなどの早春に羽化するチョウは現れていないし、成虫越冬蝶のキタテハがやっと動き始めている時期に、こんなに元気に飛び回り始めるからだ。
それでつい、成虫越冬なのではないかと思ってしまうが、図鑑などによると、モンキチョウは成虫越冬ではなく、非休眠型の幼虫越冬なのだそうだ。
つまり、冬の間もゆっくりと成長し続け、羽化してくるらしい。
同じ時期に同じ場所で見られたキタテハ。まだ、モンキチョウほど活発ではない。
この日、モンキチョウは吸蜜するだけでなく、オスは盛んにメスを求めて飛び回っていた。
メスにアタックするオスの様子を観察していた時、偶然に開いた表翅が撮れたのだが、後翅にオレンジ色の紋がはっきり入っているのに初めて気が付いた。
この紋はメスにもついている。
まだまだ気が付かないことがたくさんあるのだと思い知った。
このメスは交尾拒否しているようで、残念ながらペアリングは成立しなかった。
ついでながら、MFで越冬中のウラギンシジミは、初冬には3頭みられたのだが、今では1頭しか残っていない。天敵に襲われたのか、力尽きたのか、それともいち早く春を感じて動き始めたのか。
あと少しで本格的な春になる。残る1頭の無事を祈りたい。