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公園昆虫記

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ミノウスバ 2015

今年もミノウスバが飛ぶ季節になった。

ミノウスバのオス 2015年11月5日 井の頭公園
ミノウスバ 2015_d0146854_10363635.jpg

飛んでいる姿は、体がオレンジ色の毛でおおわれていることから、ハチのように見える。擬態なのだろう。

ミノウスバは珍しい蛾でもないし、何度か集中的に観察したことがある蛾だが、年に一度晩秋のみに成虫が見られるので、確認したくなる。

昼行性の蛾なので、オスは幼虫の食草(ニシキギ科のマユミ・マサキなど)へ飛んできて、盛んに葉裏などをチェックする。メスを探しているのだと思う。

マサキに飛んできたオス 同日同場所
ミノウスバ 2015_d0146854_1042303.jpg


交尾中の雌雄とそれを邪魔する別のオス 同日同場所
ミノウスバ 2015_d0146854_10433897.jpg

真ん中に割り込んできているのがお邪魔虫だ。
でも、割り込みは不成功に終わる。

お邪魔虫がいなくなって、交尾を続ける雌雄
ミノウスバ 2015_d0146854_10472141.jpg


こちらは果たして交尾しているのかどうか不明
ミノウスバ 2015_d0146854_10452568.jpg

というのも、メスは産卵中のように見えるからだ。

こちらは、別の場所(マユミ)にて、産卵するメスたち
ミノウスバ 2015_d0146854_1049465.jpg

メスたちは同じ場所で産卵することが多い。
この枝には4匹のメスが産卵している。
メス同士が重なり合ったり、卵が重なり合っていることも多々ある。

メスは、自分の体の毛を卵に張り付けて覆い、産み終わると毛のない寸詰まりの胴体になって、力尽きてその場で息絶える。

出現から産卵、終焉まであっという間の出来事だ。

春にだけ現れる昆虫を「すぷりんぐ・エフェメラル」(春の儚い命)というのであれば、ミノウスバは「オータム・エフェメラル」と言えるかもしれない。(そういう昆虫も実はたくさんいるのだが。)

ミノウスバについて、過去にまとめた記事はこちら

2008年の記事

2014年の記事
by 2008oharu | 2015-11-16 10:56 | | Comments(2)
Commented by yamap at 2015-11-17 23:00 x
毛むくじゃらで羽化してきて、産んだ卵に全部擦り付けてやり遂げて死んでしまうなんて、無駄なものが全くないんですね。
なんか驚嘆のあっぱれさです。。
Commented by 2008oharu at 2015-11-19 22:02
yamapさん、ミノウスバのメスの産卵後の体がとっても寸詰まりで、毛の部分がほとんどだったのかなと驚くほど。蛾の中には毛を卵につけるものが案外多いですね。マイマイガもかなりの毛を擦り付けて、力尽きて死んでしまいます。