今年もミノウスバが飛ぶ季節になった。
ミノウスバのオス 2015年11月5日 井の頭公園
飛んでいる姿は、体がオレンジ色の毛でおおわれていることから、ハチのように見える。擬態なのだろう。
ミノウスバは珍しい蛾でもないし、何度か集中的に観察したことがある蛾だが、年に一度晩秋のみに成虫が見られるので、確認したくなる。
昼行性の蛾なので、オスは幼虫の食草(ニシキギ科のマユミ・マサキなど)へ飛んできて、盛んに葉裏などをチェックする。メスを探しているのだと思う。
マサキに飛んできたオス 同日同場所
交尾中の雌雄とそれを邪魔する別のオス 同日同場所
真ん中に割り込んできているのがお邪魔虫だ。
でも、割り込みは不成功に終わる。
お邪魔虫がいなくなって、交尾を続ける雌雄
こちらは果たして交尾しているのかどうか不明
というのも、メスは産卵中のように見えるからだ。
こちらは、別の場所(マユミ)にて、産卵するメスたち
メスたちは同じ場所で産卵することが多い。
この枝には4匹のメスが産卵している。
メス同士が重なり合ったり、卵が重なり合っていることも多々ある。
メスは、自分の体の毛を卵に張り付けて覆い、産み終わると毛のない寸詰まりの胴体になって、力尽きてその場で息絶える。
出現から産卵、終焉まであっという間の出来事だ。
春にだけ現れる昆虫を「すぷりんぐ・エフェメラル」(春の儚い命)というのであれば、ミノウスバは「オータム・エフェメラル」と言えるかもしれない。(そういう昆虫も実はたくさんいるのだが。)
ミノウスバについて、過去にまとめた記事はこちら
2008年の記事
2014年の記事