最多時14頭の集団になっていたムラサキツバメ(含むムラサキシジミ1頭)は、大雪の後5頭に減ってしまったが、その後少しずつどこからかまた集まってきて、9頭にまで増えた。
2016年1月22日のムラサキツバメの集団
上の写真には8頭しか映っていないが、すぐそばの葉に1頭はなれてとまっていた。
しかし、1月26日の午後、帰りに確認しによると異変が起きていた。
まず、木の根元付近から1頭が飛び立ち、遠くへ飛んでいってしまうのが目に入った。
それから、少し離れた地面に、何か青く光るものが目に入り、よく見ると開翅しているムラサキツバメだった。
翅の一部が千切れている。
写真を撮りつつ、越冬場所に目をやると、なんと1頭もいない。
1頭のムラサキツバメは、やがてササの上へ移って、そこでまた開翅。
そして、しばらくのちに、もとの越冬場所へ戻った。
たった1頭だけである。
あたりをチェックしていると、千切れた翅が目に入った。
裏返してい見ると、きれいな青い鱗粉がついたムラサキツバメのメスの翅だった。
これらの状況から、ムラサキツバメの集団は、何かの鳥に襲われたのではないかと思われる。
2日後の1月28日。見るとチョウは2頭になっていた。
左の1頭はムラサキシジミだ。あの日最初に根元から飛び立っていった個体だったのかもしれない。
もしかしたら、無事に逃げおおせた個体がまた戻ってくるかもしれないと淡い期待をもって、2~3日後また見に行ってみると、なんと今度は逆に1頭もいなくなっていた。
こうして、私が把握している公園内のムラサキツバメの越冬個体は、みんないなくなってしまった。
ウラギンシジミは、今日までに3頭残っていた。
モチノキに1頭・サカキに1頭・ツバキに1頭である。
それが、今日見に行ったら、なんとモチノキに剪定が入っていた。
ダメもとで、業者の人に、「ウラギンシジミが越冬しているからこの枝を切らないでほしい。」と頼んでみた。業者の人も考えてみてくれそうだったが、帰りにチェックすると、ウラギンシジミは消えていた。
あと1か月半がんばれば春が迎えられたのに残念である。
こうして、越冬蝶たちは、大雪や鳥、人の営みなどの災難に遭って、春を無事に迎えるのはほんの一部なのだということがよくわかった。
それでも、みき♂さんが新たにムラサキシジミの越冬個体を何頭か見つけられたので、今後も観察を続けられそうだ。