コオニヤンマもウチワヤンマも「ヤンマ」と名がついているが、ヤンマ科のトンボではなくサナエトンボ科のトンボである。とてもややこしいわかりにくい命名だ。
コオニヤンマ
6月11日井の頭池にて(初見は4日だった)
大きくて、腹の模様がオニヤンマに似ているので間違われやすい。
ヤンマ科のトンボはこのように体を水平にして止まることはほとんどないし、よく見ると頭が極端に小さい。
私が初めてこのトンボを見たときは、キタキチョウを捕えていたのが印象的だったが、この日も、飛んできたチョウを獲物として追いかけていた。結構獰猛なハンターのようだ。
コオニヤンマのヤゴ(2015年11月のかいぼり時に見つかったもの)
体が極端に平たく、枯葉のような色をしている。
コオニヤンマの抜け殻(2012年6月)
抜け殻でもはっきりそれとわかる形だ。
コオニヤンマも比較的どこにでもいるトンボで、井の頭池周辺や近隣の公園でもほぼ毎年見ている。
ウチワヤンマ
近隣の公園のウチワヤンマ(6月1日)
腹の先にウチワ状の突起がついているので、ウチワヤンマと名付けられたようだ。
杭の右側にヤゴの抜け殻がついている。
生きているヤゴは前回のかいぼりの時に初めて見た。
ウチワヤンマのヤゴ(2014年1月)
ウチワヤンマのヤゴは比較的水深の深いところに生息しているらしく、この1例しか見たことがない。
成虫は、井の頭池では以前にはだいたい毎夏見ていたのだが、次第に姿を消していた。それが2014年のかいぼりの後、やっとまた見られるようになった。
それで、今年も現れるのではないかと期待しつつ探していたが、今日(6月12日)なんとか見つけることができた。
今年のウチワヤンマ
ウチワヤンマも決して珍しいトンボではないが、それすらもほとんど見られなくなっていたのが、なんとか復活したのは、やはりかいぼりのおかげだと思う。