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公園昆虫記

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オトシブミ・チョッキリ2017 その2

カシルリオトシブミは5mmに満たない小さな虫だ。ルリオトシブミの仲間で、前胸が金色をしているので他のルリオトシブミとは区別がしやすい。
オトシブミ・チョッキリ2017 その2_d0146854_21005589.jpg
実はこのオトシブミは、地元の公園やその周辺でも見たことがある。イタドリの葉やノブドウなどの葉にいたのだが、ひたすら食事中で揺籃をつくっている様子はなかった。どこから発生したのか知りたかったが、その後成虫すらも見られなくなり、わからないままだ。

わりとどこででも見られるオトシブミのようで、低山地や丘陵地へ行けば、揺籃づくりの様子も観察できる。今年もあちこちで作業中のオトシブミを見た。

5月7日に見た交尾ペア
オトシブミ・チョッキリ2017 その2_d0146854_21034726.jpg
5月24日に見た揺籃づくり中のメス
オトシブミ・チョッキリ2017 その2_d0146854_21035371.jpg
カシルリオトシブミで一番びっくりしたことは、揺籃の仕上げの作業だ。巻き上がってもいつまでも切り落とさないで何かしている。写真に撮って拡大してみると、葉先の最後の部分を噛んで揺籃にしっかりとくっつけているのだ。まるで針のないホチキスで留めたようだ。
(こういう細かい作業を見るには、やはり写真が有効だ。)

今まで観察して分かった揺籃づくりの工程を、これもスライドショーにまとめてみる。

https://youtu.be/k_OMwC3FXmg

ところで、ゴマダラオトシブミを観察したクリ林で、カシルリオトシブミとそっくりな揺籃の切りあとが見つかった。さらに観察していると、揺籃づくりの最中も見られた。

オトシブミ・チョッキリ2017 その2_d0146854_21105853.jpg
しかし、よく見ると揺籃の形がちょっと違う。
初めは、クリではこのような作り方をするのかと思ったが、家に帰って「オトシブミハンドブック」を参照してみると、どうやらナラルリオトシブミのようだ。

カシルリオトシブミは「カシ」と名がついているが、「カシ類を巻くことはまれ。」とあった。名前の付け方に納得がいかない。



by 2008oharu | 2017-06-16 21:16 | 甲虫 | Comments(0)