カメムシつながりで、今年の地元のカメムシたちを取り上げてみる。今地元三鷹市の公園で一番よく目につくカメムシと言えば、やはりキマダラカメムシではないかと思う。
キマダラカメムシの成虫(6月下旬)
カメムシの中でもかなり大きくて目立ち、しかも多少昆虫を見慣れた人でも、今まで見てきたものとは違うようなので、「なんですか」とよく聞かれる。
私がこのカメムシを初めて見たのは近隣の公園で2013年のことだったが、次の年には地元の公園でも見られるようになり、卵や幼虫も発見された。
交尾するキマダラカメムシ(7月上旬)
中令ぐらいの幼虫(7月中旬)
終齢ぐらいの幼虫(8月上旬)
2015年に発見された卵と孵化幼虫(以前にも掲載したが)
ところで、ネットで検索すると、キマダラカメムシは外来種だと書かれたものもあるし、南方系の北上種だと書かれたものもある。どちらなのだろうか。ウィキペディアで調べてみると、なんとキマダラカメムシは1770年代(江戸時代!)に日本に移入してきた外来種らしい。その後暫時北上したのではなく、長いこと西南諸島に棲みつき、関東地方に入ってきたのは2010年ごろだという。200年以上も日本の南の地方で観察されてきた種だから、今更外来種とは言えないと考えた人と、200年以上昔でも外国から入ってきた種だから外来種と考えた人がいるようだ。
注目すべきことは、今世紀に入って急に北上し始めたということの方かもしれない。それは、急激な物流の結果なのか、それとも温暖化がそれだけ急速に進んだためなのか。いろいろ考えさせられるカメムシである。