ウラギンシジミの越冬状態を初めて目にしたのは、10年以上前の2004年だった。偶然に目にしただけだったし、継続観察もしなかったし、その後しばらくは観察する機会もなく過ぎて行った。
その後「葉の裏で冬を生き抜くチョウ」-ウラギンシジミ10年の観察-(高柳芳江著:偕成社刊)を読んで、ウラギンシジミの越冬にとても興味を持ち、積極的に探すようになって、越冬場所の選び方や越冬中の様子も少しずつ分かってきた。
今年も例年越冬個体が見られる南に面した常緑樹の生えている場所に、ウラギンシジミが現れる。
11月2日。日向で日光浴をするメス
オス(ビークマークがある)
ムラサキシジミやムラサキツバメと同じように、ときどき葉裏に入ってはまた移動するということを繰り返すのは、たぶんお気に入りの越冬場所を見つけようとしているのだと思う。
11月5日には、2個体が越冬態勢に入っていた。(ツバキの葉裏)
その後11月9日には、前のツバキの2個体の他4個体増え、全部で6個体になった。
サカキに2個体
アオキに2個体(止まり方がやや変則的なので越冬態勢とは言えないかもしれない)
予想通り、アオキの個体はその後見えなくなり、11月13日にはサカキに3個体、ツバキにはそのまま2個体で、全部で5個体になった。
サカキの3個体(写真が酷い)
しかし、その後サカキには1個体、ツバキ2個体で、全部で3頭しかいなくなった。
風が強かったり、例の落ち葉掃きのブロワーが入ったりしたせいのためか、あるいは違う理由で場所替えしたか、鳥などに襲われたか、いずれにしても、毎年一度越冬態勢に入ったかに見えても、いなくなることは多い。
その後多少数に変化はあったが、今はなんとツバキに1頭残っているだけになってしまった。
最後の1頭
12月に入って、みき♂さんが新たな1頭を今まで探さなかった別の場所で発見したと教えてくれた。
公園内の別の場所で越冬中のウラギンシジミ
ウラギンシジミの越冬を観察していて、一番辛かったのは、越冬中の木の枝が剪定されてしまい、力尽きて落ちていた姿を見たときだった。
春まで今後どのような変化があるのか、今後も見守っていきたい。