今年見たスズメガたち
●ウンモンスズメ
ウンモンスズメは美しいスズメガだが、年々見られる個体数が減ってきている。今年もこの個体以外は目にしなかったし、幼虫も見なかった。
●ベニスズメ
ベニスズメも美しい。今年はこの個体以外に、夜カラスウリの花に吸蜜に来た個体を目にしたが、写真には撮れなかった。
●キイロスズメ
キイロスズメの成虫もなかなか見られないが、今年は交尾しているを初めて見ることができた。幼虫も観察できたので、来年にも期待。
●コスズメ コスズメも案外見ていない。
●シモフリスズメ
シモフリスズメは以前、一日に数個体見られる場合もあったが、今年はこの羽化中の個体しか見ていない。年々数を減らしている。
●オオスカシバ
この昼行性のスズメガを見ない年はないのだが、食草のクチナシは公園内にはほとんどないので、個人宅の庭で羽化してものが多いのではないかと思っていた。
あるとき、擬木柵に幼虫がいたので、びっくり。あたりにはクチナシは見当たらないのに、どこから来たのだろうか。
きれいな幼虫だが、よく見ると、後ろの部分が傷ついているように見える。擬木柵をうろつく幼虫はたいてい問題を抱えた個体が多いが、これもなんらかの事故にあった個体かもしれない。
●ホシホウジャク
ホシホウジャクも、昼行性のスズメガで、成虫を見ない年はほとんどない。アベリア・ハナトラノオ、アザミやホトトギスなどの好みの花で待っていれば、必ずと言っていいほどやってくる。
幼虫の食草はヘクソカズラなので、ちょっと放置された草地やフェンスにたくさん生えている。
しかし、一斉に草刈りなどが行われると、幼虫は食草を失ってさまようことになる。上に写真を撮った日、3頭の幼虫が同じ場所でさまよっていた。
今年成虫が見られたスズメガは、以上の7種のみ。あとは、幼虫だけしか見られなかったもの。
●エビガラスズメ
地面を素早く移動していたので、蛹化するところだったのかもしれない。食草はヒルガオなど。
●セスジスズメ
食草のヤブガラシに3頭ほどの若齢・中齢幼虫がいた。
●モモスズメ
サクラの枝についていたもの。モモスズメの成虫は以前、一番よく見られるスズメガだったのだが、最近はあまり目にしなくなった。
●クルマスズメクルマスズメは地元の公園では珍しい。かなり以前に成虫を一度見ただけだったので、この幼虫を目にしたときは、すぐには名前がわからなかった。
●サザナミスズメ
サザナミスズメもシモフリスズメと同様に、以前は地元の公園で1日に数個体目にするようなありふれたスズメガだったのだが、今年は成虫を一度も見なかった。それで、この幼虫を見たとき、やはりとっさには何だかわからなかった。擬木柵をあるいていたので、近くのケヤキに移したが、食樹ではなく気に入らない様子だった。あとで、サザナミスズメと思い付き、別の場所へ移した。
●ブドウスズメ
今年はブドウスズメの幼虫を2か所のヤブガラシで見た。この成虫を見る機会がなかなかないので、来年に期待したい。
スズメガは蛾の中では大型でかっこよく見ごたえがある。花の蜜を吸い、受粉を助ける。幼虫は大きな芋虫になるので、かなり大食漢だ。食草が十分でないと育たない。この蛾がたくさん見られるということは、自然の豊かさのバロメーターだと思う。