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公園昆虫記

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ツマグロヒョウモン

野川公園にて。2008年5月6日。ツマグロヒョウモンのオス。
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ツマグロヒョウモンは、私に昆虫の生息地域が刻々と変化していることを
初めて教えてくれた蝶だ。

数年前、ネットを始めたばかりのころ、関西以西の方のサイトでツマグロヒョウモンという
きれいな蝶の存在を初めて知った。
ネットで調べると、生息地域は「関西以西」と書かれてあったので、
東京にいる私に見ることができない蝶なのだと思っていた。

ところが、2004年の夏、武蔵野公園でツマグロヒョウモンを見てしまった。
びっくりして、何枚も激写したものだった。
↓2004年8月16日。武蔵野公園にて。ツマグロヒョウモンのメス。
ツマグロヒョウモン_d0146854_22132077.jpg

野川流域にはオスもいたし、秋には神代植物園でも見られた。
↓2004年10月2日。神代植物園水生植物園にて。オス。
ツマグロヒョウモン_d0146854_22172120.jpg


ネットでいろいろ調べてみると、
ツマグロヒョウモンは生息地域をどんどん北へ広げてきている蝶らしいとわかった。
新聞などでも、取り上げられ、地球温暖化の証左ではないかと論じられていた。
翌年(2005年)には、私の庭にも現れた。
2006年には幼虫も確認した。
そして、今東京ではまったくの普通種で、見つけてもカメラも向けなくなってしまっている。

ツマグロヒョウモンなどのヒョウモンチョウは主にスミレの仲間を食草とするのだが、
近年花壇にたくさんのパンジーやビオラなどの栽培種が植えられるようになり、
栽培種も好んで食べるツマグロヒョウモンが生息地域を伸ばしたとも考えられている。

人間の営みや気候の変化などによって、
現在進行形で生き物たちは生息範囲を広げたり、縮めたりしていることが、
蝶の観察だけからでも見えてくるということだろう。

今では、ナガサキアゲハ・ムラサキツバメ・クロコノマチョウ等々の動きも目が離せない。
by 2008oharu | 2008-05-14 22:34 | | Comments(0)