このアオスジアゲハは2008年5月23日、裏高尾で撮ったものだが、
5月5日には、玉川上水縁で今季初めてカメラに収めた。
アオスジアゲハはもちろん、善福寺でも井の頭でも、東京中の公園で見られるだろう。
というより、今では都会の蝶というイメージすらする。
アオスジアゲハには思い出がある。
実は以前教員をしてたのだが、小学校では理科の時間に昆虫を育てて観察する学習がある。
たいがいモンシロチョウやアゲハチョウ、あるいはカイコガを飼育することになっている。
しかし、ある研修会に参加したとき、都会の学校ではアオスジアゲハを飼育した方が
入手も飼育もやりやすいのではないかという報告を聞いた。
都会の街路樹にはアオスジアゲハの幼虫の食草であるクスノキがよく植えられているというのが一番の理由であった。
確かに畑などが身近に無くなってきた今では、モンシロチョウの卵や幼虫を入手して育てるためには、学校でわざわざキャベツなどをあらかじめ育てる必要がある。
庭のあるうちも減ってきて、アゲハが好むかんきつ類も見つかりにくくなっている。
その研修会では、講義のあと、実際に会場の近くのクスノキの街路樹で、アオスジアゲハの幼虫探しをし、私も1匹見つけることができた。
そして、見つけた幼虫を持ち帰り、実際に飼育してみたのだ。
↓アオスジアゲハの終令幼虫と蛹(飼育個体) 2003年9月2日・8日
アオスジアゲハの蛹には、クスノキの葉の葉脈と見まがうような筋がついている。
クスノキという防虫剤成分を含んだ樹木は、害虫に強いからか街路樹にも選ばれやすく、
その木の葉をあえて食草に選んだアオスジアゲハは、人間の営みに伴って、都会で繁栄してきたように思われる。
しかし、小学校の理科の教材としては未だ繁栄してはいないのが現状だ。
↓2004年7月19日。ヤブカラシを蜜を好む。善福寺水道施設内にて。
↓2006年6月5日。センダンの花に。善福寺上池の端にて。