今年の初めは、ゴマダラチョウの越冬幼虫を発見することから始まって、羽化まで飼育観察したり、アカボシゴマダラを見つけたりしてスタートしたが、そろそろまた幼虫の越冬準備が始まる頃となった。
ゴマダラチョウの幼虫の越冬準備については、2005年に一部観察した記録がある。
2005年10月1日のこと。善福寺のゲートボール場近くに私の背よりも低い小さなエノキがあって、そこに6頭の幼虫を発見した。
↓2005年10月1日のゴマダラチョウの幼虫
このころは毎日仕事をしていたので、土日しか観察できなかったが、その後可能な限り様子を見に行った。10月中はそれほど大きな変化はなく、ただ、最高9頭まで確認できた日があった。
だいたいどの幼虫も同じステージに思われるので、1頭の雌のゴマダラチョウが同時に産んだ卵から孵ったのかもしれない。
11月に入ると、少し茶色味が増してきたような感じがした。
↓11月5日のゴマダラチョウの幼虫
↓11月12日のゴマダラチョウの幼虫は、さらに茶色い。
この頃になると、見つけられる数は減ってきたように思う。
↓11月26日のゴマダラチョウ
このときは3頭しか見つからず、すべて同じ状態だった。
そして、このときを最後に、幼虫は姿を消した。
エノキの下の落ち葉を少しチェックしたが、もちろん見つからない。
エノキの葉は枯れて落ち、風に飛ばされ、掃除され、結局9頭生まれても、無事に春を迎える個体はいないのかとがっかりした。
↓ゴマダラチョウの越冬状態の例。2008年1月30日
さて、時は流れ、ゴマダラチョウの幼虫のことはほとんど忘れかけていた翌年の4月。
ある日ふとエノキに目を向けると、なんと幼虫が!
↓越冬明けのゴマダラチョウの幼虫。2006年4月15日。同じエノキに。
いったいどこで越冬していたのだろう。とにかく喜ばしいことだ。
この幼虫は5月4日まで確認。
↓終令になったゴマダラチョウの幼虫。
このあと見失ってしまった。どこかで蛹になっているのではないかと期待して、あちこちチェックしたが見つからなかった。
今年は観測できるような適当な幼虫が見当たらないので、残念だが、アカボシゴマダラの幼虫は1頭チェック中。(ほんとはもう1頭いたのだが、しばらく観察していたら、ある日エノキ自身が伐採されてしまった。)
アカボシゴマダラは木の根元に下りず、木の枝について越冬するはずなので、いつどのように始まるのか確かめてみたい。
↓現在観察中のアカボシゴマダラの幼虫。