カテゴリ:蝶( 334 )


昆虫たちの越冬準備 ウラギンシジミの場合

ウラギンシジミの越冬状態を初めて目にしたのは、10年以上前の2004年だった。偶然に目にしただけだったし、継続観察もしなかったし、その後しばらくは観察する機会もなく過ぎて行った。
その後「葉の裏で冬を生き抜くチョウ」-ウラギンシジミ10年の観察-(高柳芳江著:偕成社刊)を読んで、ウラギンシジミの越冬にとても興味を持ち、積極的に探すようになって、越冬場所の選び方や越冬中の様子も少しずつ分かってきた。

今年も例年越冬個体が見られる南に面した常緑樹の生えている場所に、ウラギンシジミが現れる。
11月2日。日向で日光浴をするメス
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オス(ビークマークがある)
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ムラサキシジミやムラサキツバメと同じように、ときどき葉裏に入ってはまた移動するということを繰り返すのは、たぶんお気に入りの越冬場所を見つけようとしているのだと思う。

11月5日には、2個体が越冬態勢に入っていた。(ツバキの葉裏)
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その後11月9日には、前のツバキの2個体の他4個体増え、全部で6個体になった。
サカキに2個体
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アオキに2個体(止まり方がやや変則的なので越冬態勢とは言えないかもしれない)
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予想通り、アオキの個体はその後見えなくなり、11月13日にはサカキに3個体、ツバキにはそのまま2個体で、全部で5個体になった。
サカキの3個体(写真が酷い)
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しかし、その後サカキには1個体、ツバキ2個体で、全部で3頭しかいなくなった。
風が強かったり、例の落ち葉掃きのブロワーが入ったりしたせいのためか、あるいは違う理由で場所替えしたか、鳥などに襲われたか、いずれにしても、毎年一度越冬態勢に入ったかに見えても、いなくなることは多い。

その後多少数に変化はあったが、今はなんとツバキに1頭残っているだけになってしまった。
最後の1頭
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12月に入って、みき♂さんが新たな1頭を今まで探さなかった別の場所で発見したと教えてくれた。
公園内の別の場所で越冬中のウラギンシジミ
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ウラギンシジミの越冬を観察していて、一番辛かったのは、越冬中の木の枝が剪定されてしまい、力尽きて落ちていた姿を見たときだった。
春まで今後どのような変化があるのか、今後も見守っていきたい。







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by 2008oharu | 2017-12-18 16:39 | | Comments(0)

昆虫たちの越冬準備 ムラサキシジミとムラサキツバメの場合

身近なチョウではあるが、ムラサキシジミやムラサキツバメがどのように越冬するかを観察できるようになったのはここ2~3年のことだ。

今年も11月初旬ごろ、越冬ポイントにこれらのチョウが姿を現し始めた。

ムラサキシジミの場合
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南に面した日当たりのよい常緑樹が生えているあたりである。
日光浴をするように翅を開いて止まってはあちこち飛び回る。そして時々葉陰にはいる。
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そこは、ムラサキシジミが翅を閉じたときと似たような色合いの枯葉であることが多い。
でも、11月初めのころは、場所が確定せず、長くとどまってもせいぜい1日ぐらいだ。
私は今年、いつものポイントではなかなか最終的な越冬場所を見つけられなかったが、最近みき♂さんに教えてもらって、やっと観察できた。
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葉が半分ぐらい茶色くなった、たぶんシロダモかそれに類する葉の上に3頭いる。
このようにムラサキシジミの越冬場所はかなり簡易なので、天気の良い日は飛びだしたり、真冬でも場所替えしてしまうこともある。この場所にいつまで3頭で越冬し続けるかはわからない。

ムラサキツバメの場合

11月2日に件の場所でムラサキツバメを1頭見た。
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年によっては15頭ぐらいが越冬しているのを観察できた場所だが、今年はこの1頭もその後姿を見ていない。
別のポイントにムラサキシジミが越冬していると、これもみき♂さんに聞いて行ってみたら、ムラサキツバメが見られた。
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遠くから見ると、枯葉にしか見えない。
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左の1頭はムラサキシジミ、残りの2頭はムラサキツバメだ。この2種はこのように混ざっていることが多々ある。アオキの葉の上だが、ここも例年必ず越冬チョウが見つかる場所なのだが、春まで居たためしがない。
最近見たときは、ムラサキシジミはいなくなり、ムラサキツバメ2頭だけになっていた。

いずれにしても、今年は個体数がかなり少ないように思う。冬の間の昆虫観察の楽しみの一つである越冬チョウの今後はどうなるだろうか。





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by 2008oharu | 2017-12-15 12:01 | | Comments(0)

ツメレンゲの花とクロツバメシジミ

準絶滅危惧種のクロツバメシジミは、昨年の10月7日に初めて見た。この日は、成虫の交尾、産卵、卵、幼虫、蛹のほぼ全課程を1度に見ることができて大満足だった。
ただ一つ、ツメレンゲの花が咲いていなかったので、花で吸蜜する場面を撮りたいというみき♂さん・ヘムレンさんにおつき合いさせてもらって、今年は1か月遅れの11月7日にでかけた。

ツメレンゲの花に来たクロツバメシジミ
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結論から言うと、ツメレンゲの花は予想に違わず咲いていたが、クロツバメシジミがはっきり吸蜜しているシーンは撮れなかった。花に来ているクロツバメシジミは、どちらかというとやはり産卵目的であることが多いからだ。

産卵するクロマダラシジミ
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それと、成虫自身があまり新鮮な個体ではなく、擦り切れているものが多かった。

それでも、今回も幼虫や蛹は見つかった。

蛹化するために動く幼虫
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蛹化準備(上と同じ個体)
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前蛹(別個体。体に糸が掛けてある)
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他にも、色が変わってきている蛹がいくつかあり、これからさらに新生成虫が羽化するらしい。

ツメレンゲの花はなかなか可憐だった。

つづく。



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by 2008oharu | 2017-11-14 22:14 | | Comments(0)

10月の蛾から 他所編 2017

今年も生きているクスサンには出会えなかった(涙)…。
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クスサンが見られるはずのころ、いつものポイントへ行ってみると、千切れた翅、踏みつぶされた個体、それと蜘蛛の巣にひっかかって果てた個体(上の写真)は見つかったが、生きている個体は見つからなかった。少なくとも3個体は生存していたという証拠にはなるが。
ヤママユガの中ではそれほど珍しくはないはずなのに、生きている個体はここ何年も見ていない。

その他でも、10月は特段珍しい蛾には出会えなかった。

ヒロバウスアオエダシャク(だと思う)
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ホソミスジノメイガ(だと思う)
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ナカウスエダシャク
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この時期たくさん見かける

オオキノメイガ
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これは地元でも見ている。

シロツバメエダシャク(ウスキツバメエダシャクかもしれない)
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ヤマトエダシャク(模様が擦れていてわかりにくいが)
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ニジオビベニアツバ
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9月に見た個体より色ははっきりしているが、翅が千切れている。

コヨツメアオシャク
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よく見るアオシャク

11月はウスタビガが見られるといい。





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by 2008oharu | 2017-11-01 20:25 | | Comments(0)

クロコノマチョウのもふもふ

今年はクロコノマチョウが多いかもしれない。地元で成虫を久しぶりに複数個体見たし、他所でもよく目にする。また、観察仲間の方もあちこちで見たと言っている。

地元三鷹市の公園にて

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薄暗いのでフラッシュを使うと
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ちょっと目が不自然に光ってしまう。
クロコノマチョウは薄暗いところが好きだし、成虫は地味なので見てもあまり注目しないことが多い。(幼虫はかわいいので人気だが)

今年はこんなシーンも撮れた。(東京都)
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柿に来たクロコノマチョウ。薄暗い曇天でシルエットになってしまうので、ここでもフラッシュを使って見たが、時すでに遅く、頭の見えないシーンになってしまった。
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寒空の中、ずっとこの体勢で柿の汁を吸っている模様。

同じ場所でもっと天気の良い日にまたクロコノマチョウを見た。
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ずいぶん色が違う。
この日はフラッシュを使わずにかなり近くで撮れたので、拡大してみた。
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胸の部分から翅の付け根部分が、まるで絨毯のようにもふもふになっている。鱗粉というより毛でできているような感じ。今まで、これほど翅がもふもふしているのには気づかなかった。この丈夫そうな翅で冬を乗り切るのだろうか。

この公園のジュズには、まだ羽化していない蛹もあった。
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見慣れたチョウでも、よく観察してみると、いろいろ発見がある。









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by 2008oharu | 2017-10-22 10:24 | | Comments(4)

ウラナミシジミ

秋になると、ウラナミシジミの到着が気になる。
今年はなんと8月8日に地元の公園でその姿を見た。
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その後目にしなかったので、台風かなにかで飛ばされてきた個体かもしれない。
次に地元で見たのは9月20日。だいたい例年通りだ。
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しかし、あっちでもこっちでも見られる年もあるが、今年はあまり多くないようだ。私は今のところ地元ではこの個体を2~3日見ただけだ。

9月26日、ツマグロキチョウなどを探しに栃木県方面に行った。そこにはクズが生い茂る場所があり、なんとウラナミシジミがたくさん乱舞していた。これだけの個体数があると、交尾なども頻繁に成立するようだ。
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しかし、関東地方では、越冬するのは難しいとされている。

10月5日、埼玉県で見たウラナミシジミの開翅。
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関東でチョウを観察している人たちは、秋にウラナミシジミが見られないと、どうしたのだろうと落ち着かないと思う。地元では全く見られなかった年もあれば、昨年の1月にウラナミシジミがいてびっくりしたこともある。

2016年1月7日のウラナミシジミ(東京都)
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日本では、鳥にしても昆虫にしても、季節ごとに出会いがあり、人々は長い年月その出会いによって季節を感じとる力を育んできたのだろう。自然が減ってくると、そうした長い年月の間に育んできた感性も失われてしまうかもしれない。そんなことを感じるこのごろだ。(感傷の秋)


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by 2008oharu | 2017-10-07 10:07 | | Comments(0)

高原のヒョウモンチョウいろいろ

今年まだ取り上げなかった高原のヒョウモンチョウたち

ウラギンスジヒョウモン(7月上旬)
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今年はこの日のみ。

クモガタヒョウモン(7月中旬)
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クモガタヒョウモンを見たのは久しぶり。今年はこのカットのみ。

コヒョウモン(7月中旬)
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ミヤマシロチョウやミヤマモンキチョウを撮りに行った日に見た。かわいいヒョウモンチョウだ。

ウラギンヒョウモン(7月中旬・8月中旬)
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ギンボシヒョウモン(7月中旬・8月中旬)
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今年はいつもは比較的よく見るオオウラギンスジヒョウモンやメスグロヒョウモン(翅の一部のみ見たが)に出会うチャンスがなかった。

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by 2008oharu | 2017-09-29 20:16 | | Comments(0)

高原のヒョウモンチョウたち ミドリヒョウモン編

8月中旬の高原で見たミドリヒョウモンのメス
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ミドリヒョウモンは6月中旬ごろ新生個体を目にする。時には地元でも見られるが、今年は遠征先の栃木県で初見した。
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人工物に止まっていて、写真としてはつまらないが、記録のために撮る。

その後、ミドリヒョウモンは高原へ移動するのか、あるいは平地のどこかで夏眠することがあるのか、平地では姿が見られなくなる。そして夏の高原へ行くと、ヒョウモンチョウの中で一番目につくのはミドリヒョウモンだ。

7月中旬のミドリヒョウモンのオス
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この地で羽化したのか、まだ傷も擦れもないきれいな個体だ。

そして、8月中旬
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まだまだたくさん見られるが、少し翅が傷んだり、擦れたりしている個体も増える。

9月初旬
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かなりぼろぼろ。
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メスにアタックしたり、オス同士であらそったりで傷んでいくのだろう。

9月中旬、地元の公園に数頭のミドリヒョウモンが現れた。
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上がオスで下がメス。模様が擦れすぎていて、よく見ないと判別できないものや、翅が半分しかないものもいた。
過去には、メスが産卵しているのも見たことがある。
地元で産卵した記事はこちら

http://parkinsect.exblog.jp/21130395/

ミドリヒョウモンは高原などに行くとあまりにたくさんいて敢えて写真を撮らずスルーしてしまうことも多いが、その生活史は興味深い。
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by 2008oharu | 2017-09-28 12:16 | | Comments(0)

スジボソヤマキチョウとヤマキチョウ

スジボソヤマキチョウは、2013年に入笠湿原で初めて見た。こういうチョウがいることは図鑑などを見て知っていたので、それを初めて見ることができてうれしかった。その後は高原へ行く機会もなく、ずっと見られなかったが、ヘムレンさん・みき♂さんに誘われて山梨県や長野県の高原へ行くチャンスができ、昨年・今年とまた見ることができた。

今年また、9月上旬に入笠湿原へ行った。スジボソヤマキチョウがいつになくたくさん見られた。
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スジボソヤマキチョウは、アザミの仲間やタムラソウに来ることが多いが、マツムシソウにも来ていた。数頭が乱舞しているような場面もあった。

写真の整理もしないまま日時が過ぎてしまったが、みき♂さんから、入笠湿原で撮ったスジボソヤマキチョウの中に、ヤマキチョウがいたという連絡があった。あわてて未整理のスジボソヤマキチョウ・ファイルを調べる。チェックすべきは、翅裏の黒い斑紋の並び方らしい。

ヤマキチョウ
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これだった。黒い点と縁の点が一直線にならないのがヤマキチョウだという。
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ヤマキチョウは絶滅危惧Ⅱ類で、もちろん初見だった。
それから、2013年に撮ったスジボソヤマキチョウの写真もチェックしてみた。すると、点が一直線にならない個体がやはりあった。
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遠かったので、はっきりしないが、これもヤマキチョウだったのか。

スジボソヤマキチョウだけでもめったに見られないのに、中に絶滅危惧種のヤマキチョウが混ざっていたというのは、うれしい驚きである。





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by 2008oharu | 2017-09-17 21:10 | | Comments(2)

高原のシジミチョウたち ミドリシジミ亜科以外


7月~9月、ヘムレンさん・みき♂さんたちと高原にプチ遠征したときに、ヒメシジミ・ミヤマシジミ・クロツバメシジミなど、ミドリシジミ亜科以外のシジミチョウにも出会った。こうしたシジミチョウたちは、それぞれ絶滅危惧種なので、やはり見られてうれしい。

ヒメシジミ(準絶滅危惧種:7月上旬)
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青がきれいなヒメシジミのオス。上翅と下翅の重なる部分に青くないところがある。省エネってわけでもないだろうが。
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ヒメシジミのメス。少し擦れている。
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メスにアタックするオス。
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こちらはペアリング成立。メスの一部が葉隠れになってしまったが。かなり長いことつながっていた。

ミヤマシジミ(絶滅危惧種Ⅱ類:9月上旬)

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ミヤマシジミも7月上旬に見られたが、ぼろぼろのメスが産卵中の時期で、写真としてはうまく撮れなかった。9月上旬に、食草が生えた草原で、ペアが見つかった。メスにアタック中。
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成立
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食草はたくさんあったが、ミヤマシジミはこの1ペアしか見つからなかった。
連結を解いたあとのメスとオスの開翅。
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クロツバメシジミ
(準絶滅危惧:7月上旬)
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クロツバメシジミについては、昨年交尾・産卵・幼虫・蛹の全生活史を観察することができたが、今年も健在ぶりを見ることができてよかった。

昨年の記事はこちら
http://parkinsect.exblog.jp/23542040/

これらの絶滅危惧種が絶滅せずにこれからもみられることを願う。




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by 2008oharu | 2017-09-15 10:06 | | Comments(0)
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近所の公園で見かけた昆虫についての雑記帳


by 2008oharu
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